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【白夏】 第六回『一本入れ替えて意味を反転させてください』 の巻

 おはよう、そして会えない時のために念のためこんにちは、こんばんは、おやすみ!
 文字書きが好きな一般人、安条序那です。

 いつも『白い夏に雪が降る』を読んでいただいている読者のお方、ありがとうございます。

 本日は第六回『一本入れ替えて意味を反転させてください』 の巻です。

 反省会もついに六回目、週に一回なのでもう四十二日ということになります。四十二日もあれば胎児が人の形になり始める頃ですね。
 まだ尻尾が生えていて少しトカゲのような胎児が少しづつ人っぽくなっていくように、物語を徐々に成長させていきたいものです。
 それはそれとしてあの形態も結構好きなんですけどね。歪さは偉大です。そこにはロマンがあります。


 閑話休題、今回の反省のテーマは『反転』です。備忘録的で少々実体のない概念の話になることをご了承ください。
 今回の反省会では、前提として物語にとって、最初に提示された題材が反転した時、もしくはキャラクターの価値観が反転した時、必ず大きなカタルシスが生まれると仮定します。



 『反転』、それは『成長』だったり『吹っ切れた』とか、秩序を反する存在になった時には『闇堕ち』なんて言われ方をしたりもします。

 この反転は"肯定から否定"でも構いませんし、あるいは先に言ったように"秩序から反秩序"でもなんでも構いません。詳しい内容はその物語のコンセプトによりますよね。何を読者に見せたいの? という部分に大きく依拠するでしょう。

 『反転』は、物語にとって最も大きなゲームチェンジャーです。濫りに切ることは悪手で許されません。(反省会#5の『山を作る』話にも繋がります)
 なぜなら反転は明確にキャラクターの造形を替えてしまう力があります。後の展開に大きな影響を与えてしまいます。


 またもう一つ。読者から得られるキャラクターへの愛着の面からも、メインキャラクターの頻繁な反転は良いと言えません。反転したキャラクターは『脱皮した』もののように考えるべきです。例えばオタマジャクシが好きな女の子が、カエルが好きだとは限らないのです。
 更に、何回も何回も物語の中で自分の核となるような思考を変えてしまう主人公がいたとして、果たしてそれは魅力的でしょうか? 
 現実であればただのミーハーや世渡り上手、軽薄、そういう言葉で片付けてしまえばいいのですが、残念ながらそういう主人公は『特定のジャンル』を除いて良い主人公とは言えないでしょう。(ギャグではむしろ迎合される性質ですね)
 メインキャラクターの反転について少し悪い条件を列挙しましたが、反転というリセットを受け入れてもらうためにはもう一つの要素が鍵になっています。
 そしてそれがしっかりと仕事をしているか、が『反転』後の物語の説得力にとって重要になってきます。

 その重要な要素とは……来週に回しましょうか。
 かなり長くなってきましたので。
 予定では『白夏』は後一ヶ月ほどで連載終了になるかと思います。もう少しだけ、お付き合いくださると幸いです。

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