十万文字の作品を書き終えたわたしは、やっと書きたかった物語に着手……しなかった。
やっぱり、まだスキルが足らないと思ったからだ。
それで、つぎに書いたのは『ショートショートの残骸』
ホラーや奇妙な話を詰め合わせた一話完結ものだ。
ネットに掲載されている怖い話が好きだったわたしは、こちらで経験をを積むことにした。
短編はけっこう書きやすかった。
ちょっと弱いなというアイデアでも、短編ならまあいいかなと思えた。
オチをしっかり考え、読者に伝わるように情報を整理する訓練にもなった。
また、長編ファンタジーと違って感想をもらいやすかったため、モチベーションを保てた。
なにより飽きる前に書き終わるというのが自分にはあっていた。
最終的に19話で完結。
評価はこちらも100ポイントぐらいだった。
まあ、このあたりが自分の実力なんだろうなと思った。
で、この作品を10話ぐらい書いたころだろうか。
ふと、このままだと、書きたい物語を一生書かないまま終わるんじゃね? と不安になった。
というのも、書けば書くほど自分に足らない部分が見つかってしまい、キリがない。
それに、客観的にみた自作品の評価と、もらえるポイントとの乖離がますます大きくなっていったからだ。
「もういいだろう」
ほんとうに書きたかった物語に着手することにした。
WEB小説なのだ。いつでも書き直せる。
気に入らなけければ改稿すればいいじゃないかと割り切ることにした。
そうして、ショートショートの残骸と並行しつつ、『失われた都市ジャンタール』を書くことにしたのでした。
つづく。