「どうか「死にたい」と言ってくれ。」を再公開しました。そのついでに、今近況ノートで話していない、残していない作品たちについてもう一度書いておくのも良いなと思ったので書きます。長くなるかも知れません。それでもよければお付き合いください。
一作目、「真っ白な五線譜の上で」。
僕は吹奏楽部でトランペットをしていたので、それにちなんだものを書いてみたいと思って書いた覚えがあります。あまりない、わかりやすいハッピーエンドかつ、四千字という字数制限があったので、苦しんだ覚えがあります。カクヨム甲子園で中間に通った初めての作品でした。
二作目、「煤払い」。
初めて公募のために書いたものです。突貫工事でしたが、なかなか楽しく書いた覚えがあります。この作品はただぼんやりと僕が感じていたそのときの焦燥感を書きたくて、書いた覚えがあります。色々、分からないからこそやってくる焦燥感。漠然とした不安、漠然とした失望。それを秋という人間一人に背負わせてあげました。そんな物語です。おつかれ、秋。
三作目、「恥ずかしい後味」。
太宰について書く、というのがまず一つありました。高校生活最後なのだから好きなようになろうと思って、初めて恋愛を書きました。なにも経験が無かったので、全て空想で補って、楽しく書きました。これは珍しく表現や内容というよりも会話劇のような感覚で書きました。楽しかったです。
四作目、「アンコール」。
地元の賞に応募するために書いた作品の一つでした。結局ほかの作品にしましたが。「アンコール」はリアルを書いてみたい、というかあり得ることを書いてみたいと思って書きました。テーマは夜空。暗転した会場の中でアンコール、と手拍子をしながら演者を待っているあの一瞬のような、静かな熱のようなものをかいてみたかったんです。ちなみに主人公はホワイトよりのブラック企業勤めという設定です。
五作目、「緋い記憶」。
みんなそれぞれすきな物があって、それに集中している。ほかの部分を見ないようにしているんじゃないか。そう思って書いたものです。高校生や中学生ならではの歪な感じを書いてみたかったのですが、あんまり表現できてませんね。精進します。
六作目、「拝啓、優しいだけの僕」。
よく優しいって言われるんです。でも、優しいっていのは悪いところもなくかといって良いところもない人間に言われる言葉だと想っているんです。それを書きました。優しくとも、いい人であったとしても、それだけで何にもならないんです。無力なのかもしれないとずっと思っています。
七作目、「ストロボの影」。
死ぬ理由なんて、たいしたものじゃない。それが根幹にあって、書きました。死、なんて案外小さな理由でそれが近くに寄ってくるだけなんですね。きっと。死んだからきっとなにか理由があったんだ、とても複雑な理由が・・・・・・的なことをずっと想われるのも僕が死んでから言われるのも面倒だなと思って、書きました。かといって、単純で小さな理由だけどそれを他人に言われるとムってする。そんな曖昧なものです。ちなみに愛夢は筆がいなかったら死んでません。筆がいたから死んでます。
八作目、「透明な桜色」。
特に言うことはありません。笹ヶ川望未という僕の中で大切な人間のワンシーンを書きました。賞に落ちたら、笹ヶ川の物語を公開します。多分年末か来年辺りかな……。好きなように書いたのであまり期待せず待って貰えれば。
九作目、「疑似自殺」。
リメイクですね。疑似、といっておきながら実際に死にかけてるあたり、なかなか狂ってる女の子ですよね。なんとなく、女の子が写真を撮って「良いのが撮れたよ」とへんな顔で言う、というものを書きたいと自転車をこぎながら思って書きました。共依存とは少し違う、独特の生と死を感じる関係を書きたかったんです。
十作目、「白い花に朱を添えて。」。
リメイクですね。リメイク前は百合的な関係を楽しむエンタメ的な要素を中心としていたんですが、あんまり好きじゃなくって、リメイク後は芸術家と作品という関係にして、主人公を本質的にはものと思っている子と主人公の話になりました。なので、主人公に感情移入させねえぞ、と思いながら書いてました。
十一作目、「彩園」。
新作ですね。あたらよ文学賞に応募して落ちたやつです。読まれないのは悲しいなと思って、公開しました。あと、落選したからといって公開せず、自分の納得いった物だけ公開するのはどうなのかとおもったので、自戒を込めて公開しました。伝えたいことはあらかた作品に込めたつもりです。特段、語る必要は無いように思えます。
と、こんな感じですね。ここまで読んでくれてありがとうございます。これ以外の作品たちについては今現在読める形になっていますので、もしよければ近況ノートを読んでみてください。
次は手向の小説の作品たちについて、要望があったら書くのもありかなと思っています。まあ、そんな形で。
夏が終わりました。もう秋です。季節の変わり目ですのでお体に気をつけて。どうか無理をせず、ご自愛ください。
以上、宵町いつかからでした。