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時には、好きなガンダムの話でもしようか

 どうも、こんにょちわー。

 迫り来る灼熱の夏の気配に怯えつつも、薄着になって露出ヒャッホーができる悦びとの間で板挟みになり、生きる意味と性癖についての論考が止まらない孔子煎田でございます。

 そんな夏には水着バーグさんもいいですけど、ガンダムも観るのもまたいいものです。(唐突な話題転換)

 まあ、ファースト世代からガンダム道を邁進しているプロフェッショナル愛好家の皆様には及ぶべくもありませんが、煎田もガンダム検定7級くらいの実力は有しているものと自負しております。(※検定の最高クラスは100級)


 そんなセブンスターの煎田が今宵語りたくてたまらないガンダムは、やっぱりあれでございすよ。



 ∀ガンダムでございますよ。



 ……ああちょっと、そこのガンダム愛好家さん。
 もう帰るだなんて言わないで、もちっとゆっくりしていってくだされ。
 せんちゅりからーみりおんからーしていってくだされ。


 いや、分かりますよ?
 歴代ガンダムの中でも色々と異質な作品ですからね、∀ガンダム。


 まずね、ガンダムの見た目がアレですからね。ヒゲですからね。
 
 ∀ガンダムのビジュアルが発表された当時、「なんじゃこりゃあああ」と阿鼻叫喚を放ったガンダム愛好家の数は、天に輝く星の数にも迫ったとか、迫っていないとか……。

 作中でも普通に「ヒゲ」呼ばわりされて、散々ネタにされてますからね。
 「ガンダムにお髭はありますか? ありません!」とかいう名言まで飛び出しちゃってるし。

 しかも、この自慢のヒゲが敵モビルスーツに殴られてグニャッと曲がっちゃったり、戦いの最中に頭部がピューンと飛んでっちゃって、キャッチしたそれを某アンパンマンみたいにくるくるハメ直す羽目になったりと、もう散々。

 
 でも、意外とこのヒゲガンダム……動くとカッコよかったりもするんですよ?
 特に22話のIフィールド発動の回とか、40話の月面海戦の回とか……。

 見た目はダサくても、随所で戦闘アクションが光る所なんかは、さすが富野御大の作品。動くとやたらとカッコよく見えるとこは、GレコのGセルフに通じるものがあります。

 「なんじゃこいつ、だっせー!」と笑っていたのが、いつの間にか「あれ? こいつヒゲのくせに、カッコよくないか……?(トクン)」となった日が、あなたにとっての∀記念日となるのです。(たわらいりた)


 そして、異端ポイントの二つ目が、世界観。
 まあよく言われるのが、「世界名作劇場ガンダム」ですよね。
 
 ∀ガンダムの世界では、大昔の戦争によって地球文明が一度滅んでおり、その後人類は、月へ移住した人々「ムーンレイス」と、地球に残った人々に分かれてしまいました。

 で、その後文明を再建した地球の人々の生活レベルは、だいたい産業革命後の水準くらいまで逆行しており、モビルスーツなんて誰も使用しておりません。

 上流階級の人々が古き良きデザインの自動車に乗ってたり、熱気球的な飛行船の定期便が行き来してたり、巨乳娘が紅の豚チックな飛行機を飛ばして遊んだりしています。


 この牧歌的な世界観に、ある日突然モビルスーツが混ざってくるのです。
 
 かつて月に移住したムーンレイスが、「地球帰還作戦」と銘打って、地球の文明よりはるかに優れた技術力とモビルスーツを駆って、大勢で降下してくるわけです。


 いやー、違和感半端ないですよ。
 赤毛のアンとかフランダースの犬とかが混ざってくる方が、まだ自然ってもんです。

 で、このムーンレイスの軍隊「ディアナ・カウンター」と地球の軍隊「ミリシャ」が、色々あって戦争状態に突入してしまうわけですが……。まあ、名作劇場の人たちじゃ、勝てるわけないわな(汗)。

 でも、地球の遺跡からも、遥か昔の文明の遺産である「モビルスーツ」が発掘されるようになり、名作劇場の人々はそれを「機械人形」と呼んで、続々と機械人形に乗り込んで戦うことになります。

 主人公のロランが乗る∀ガンダム(通称ホワイトドール)も、その機械人形の一つ。ヒゲだけど、月のモビルスーツにも負けないスペックを誇る、凄い機体なんです。

 ……凄い機体なんですが、このおヒゲガンダム、逃げ出した牛を運んだり、シーツを洗濯したり、橋の代わりをしたり……。

 主人公ロランの性格が温和なこともあってか、所々で非常にまったりした使われ方をしたりします。うーん、ガンダム00ではこれは出来ない(笑)


 もちろん、戦闘で普通に死人が出たりはするんですが……この作品って、作中の空気感によるものなのか、登場人物のやり取りが所々コミカルなせいもあるのか……なんか戦ってても、緊張感が薄い場面が多いんですよね。
(「いやよそんなの!」「僕だって嫌ですよ!」のとことか、夜中の夜明け回とかは、ゾクッとするけどね!)

 ……まあストーリー中盤までは、どっかの泣き虫と戦うことが多いからってのもあるのかしら(笑)
 あと、富野御大特有の、噛み合ってるようで噛み合ってない会話の応酬とか……。
 

 そして異端ポイント三つ目が、主人公「ロラン・セアック」のキャラクター。 
 
 ガンダム作品の主人公っていったら、根暗のアムロを初めとして、真性イカレ野郎のカミーユとか、タンクトップ自爆野郎のヒイロとか、俺がガンダムだ野郎のせっちゃんとか、ビジュアル系な普段着が眩しいキラとか……すげークセの強い奴らが多いと思うんですよ(※個人の偏見です)。

 でも、∀の主人公であるロランは、非常に温和で心優しい性格をした純朴な少年です。
 間違っても、自分の名前をからかわれて軍人を殴ったり、喋ってる途中の敵パイロットを銃でパンパン撃ったりはしません。

 ロランはもともと月の出身で、ディアナ・カウンターの「地球帰還作戦」が行われる二年前に、地球の社会水準を調査する先遣隊として、一足先に地球へ降り立ちました。

 月社会では下層階級の出自だったロランですが、変にひねくれたところも無く、月より遥かに文明レベルで劣る地球人を見下したりもせずに、地球に降りてからたまたま命を救われた「ハイム家」の使用人となって、地球の環境にどんどん適応していきます。
 
 このロランが、「お前、ホントにガンダム作品の主人公か?」ってくらい、作品を通して非常に安定したメンタルを有しています。

 ガンダム登場人物にありがちな、誰かが死んで闇落ちとか、長期間のウジウジ展開とかは、全くありません。

 たまたま成り行きでガンダムに乗り込むこととなり、自分が二年間暮らした地球の人々を守るため、かつての同胞である月の軍隊と戦う。
 この辺は、ガンダムにありがちなシチュエーションですが、その戦いの中でも、ロランの姿勢は一貫しています。

「僕は二年前に月から来ました。けど、月の人と戦います。だけども、地球の人とも戦います。人の命を大切にしない人とは、僕は誰とでも戦います」

 第8話にして、この宣言ですよ。で、これを最後まで貫き通します。

 真っすぐだ……あまりにも真っすぐすぎるぜ、ロラン少年。
 普通のガンダム作品なら、絶対途中で闇落ちするはずなのに……。
 
 このロランの真っ直ぐで、それでいてどこかのんびりした性格が、作品の牧歌的な雰囲気の一因にもなっていると思います。


「機械は人助けの道具にもなります。戦うばかりが全てじゃありませんよ」

 これもまた、作品を通して決して曲がることの無かったロランのスタンスです。
 このスタンスによって、「ローラの牛」とか「ディアナ奮戦」とかの日常的名場面が生み出されていきます。 

 お前ホントにホントに、ガンダムの主人公か⁉

  
 ……で、こんな風に真っすぐで素朴な性格のくせして、初めてガンダムに乗る時は、なんと全裸ですからね(マジです)。

 しかも、股間に金魚まで下げてますからね(マジです)。

 一体どこまで型破りなんだよ、この主人公は……(じゅるり)

 

 ……とまあ、こんな風に、色々と異端児なガンダム作品ではありますが、私は大好きです、∀ガンダム。
 
 変な意味でぶっ飛んでる登場人物は多いし(コレンとか、コレンとか、御大将とか、御大将とか……)、正直意味の分からない回もあったりするけど(マニューピチとか、マニューピチとか……)、全体のストーリーは秀逸だと思います。 

(そもそもぶっ飛び具合で言えば、Gガンダムの方が遥かにぶっ飛んでるしね!)


 あと、何気に第一話で主役機が登場しないガンダム作品って、∀くらいじゃないでしょうか。それであんなにワクワクさせられるんだから、やっぱりすごい。


 その他、西城秀樹のOPもいい味出してますし、所々で流れる菅野よう子神のBGMが、もう至高の領域。黄金の秋でいつも泣いちゃいますよ。最高かよ。


 そんなこんなで、良くも悪くも、ガンダムらしからぬガンダム作品。
 ですがそこが、たまらなく愛しいのでございます。


 みんなー、∀ガンダムは、とってもいい作品だぞー!
 早く帰ってこおおおおおおおおおい!


 熱さにうなされるあまり、股間にご当地ゆるキャラのマスコットをぶら下げた全裸煎田が、月に向かって全力で咆えたのでありました。めでたしめでたし(?)

2件のコメント

  • 煎田さんの熱い∀ガンダムレビュー、私、感服いたしました。いいものを読ませてくださり有難うございます。実を言うとですね、私、∀は未習得でございまして……。このノートを読んですごく見てみたくなりました。世界名作劇場おヒゲガンダム、いいですね。
  •  にゃべ 様

     興味を持っていただけたなら嬉しゅうございます。おほほ。

     カッコいい兵器を使った戦闘とか、神がかり的なニュータイプ能力とか、女子のハートをときめかせるイケメンパイロットとかのガンダム要素を期待する人にとっては、「なんだこりゃ」となること間違いなしの本作ですが、物語としては普通に面白いです。

     しかも好き勝手わちゃわちゃやっておきながら、最終決戦あたりはキチンとガンダムらしくなってるのが、さすが富野御大と言わざるを得ません。個人的には本当に名作だと思います。  
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