昨日、今年のM1グランプリを見まして「ああ。こんな構造もあるのか」と勉強になりました。
自分がコメディ作品を書いているときは、
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「(フリのセリフ)」
「(ボケのセリフ)」
(主人公の心の中でのツッコミ)
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というパターンが多くて、基本的にボケに対しての指摘(というツッコミ)するという感じで構築しているのですが。
今回「エバース」さんの漫才で、
「(疑問・問題点を投げかけるフリorそんなこと起こらないだろという想定をしているボケ)」
に対し、
「聴衆の予想できない回答(かみての人の呟きor強い主張。ボケなのかツッコミなのかわからないが、セリフでキッチリとオトす)」
という、問に対する答えで笑いを取る。聴衆が「そう見るのか。確かにそうだ」と頭の中で納得できる、腑に落ちるパターンがあることを知りました。
また「バッテリィズ」さんの漫才では、しもてに立つエースさんの解釈orツッコミが、聴衆の「そういう意味じゃない!」というツッコミを聴衆の人達が自然とするような構成になっていました。説明すると、
話の流れに出てくるキーワード
⇒エースさんのツッコミのような主張(ボケの部分に当たる)
⇒聴衆がエースさんに「そうじゃない! そういう意味じゃない」と暗にツッコむ。(ここで笑いになる)
⇒聴衆が理解できずツッコミできない場合のために、かみての人の説明、解説、フォロー(笑いにならなくても、聴衆が納得できるような流れを作る)
という感じになっていました。
個人的には「真空ジェシカ」がハマりましたね。「商店街」のネタも「アンジェラアキ」のネタも、自分の脳が映像を勝手に作って補完し、ステージ上の二人の表情も相まって話がスーッと入ってきました。
ただ、ナイツ塙さんの講評で「大学の学生漫才での感性、熱量が衰えることなく保たれている」というのを聞いて、「ああ、令和ロマンの方がより幅広い層にわかりやすいんだな」と感じました。絶対に誰もが1度は通る「学校と苗字の漢字」やドラマで見たことのある「時代劇にタイムスリップ」この2本の「令和ロマン」のネタは凄かったです(びゃんびゃん麵の件は難しかったけど)
ボケの人がズレたツッコミをするのか、ツッコミの人がわかりやすい縁取ったツッコミをするのか、聴衆が自然とツッコミをするのか、どこでどのツッコミを狙って笑いを取りにいくのか。ネタ作りについて「深いなぁ」と感じ、さらにステージ上での間(タイミング)の取り方やお客さんを引き込む技術などを考えると「本当に漫才師って凄いんだな。笑わせるための作品への熱の込め方が違う」と思いました。
間とかタイミングとかは
「 」
「 」
「 」
「 」
「 」
など必要だと感じたら空行をいれたり、空行の代わりに地の文を1行入れたりして工夫しているつもりなんですけどね。
他にも、人名には漢数字を使わない。例えば「健二」という登場人物がいたときには「健次」と変更。「健次」は名前と認識してもらい、「二十」は数値として見てもらう。「二」という形を見て、名前の一部なのか数値なのかのパッと見、すぐ判断してもらう。タイムラグができるだけ生じないようにはしているんですけどね。まあ、それならアラビア数字「2」を使えばって話なんですけどね。縦書きも意識して漢数字をできるだけ使っています。(ネタの関係上「シャルロットに呼ばれて」はアラビア数字を採用)
ちょっと話が飛びますが名前については「基本的にはその場で降りてきた(思いついた)名前」を採用しています。意図的に付けることは少ないですね。意図的に付けたものとしては、
【会話劇のテンポを落とさないため】
ジン:元々は「ジョウ」だったが「お嬢」「嬢ちゃん」と被る音があったので「ジン」に変更。
ロン:元々は「ダン」だったが机を叩く擬音「ダン!」との区別するため「ロン」に変更。
ロサル:エロキャラを含めた会話劇を成立させるため「エロ猿」という言葉からいろいろ悩んで決定。
村井:ヒロインが相性呼びしやすいように「ムッちゃん」かな、と決定。
夏美:打ち解けたとき、仲良くなったときに「ナッちゃん」と主人公に呼ばせるため。
【ネタ・ギャグのため】
和十尊:ギャグの為、ワから始まる苗字を探していた時に「和十尊(ワトソン)」というのを見つけ採用。
鰐中:五十音順で和十尊の後に来る名前を考え、決定。
今泉:某推理ドラマのセリフが聞こえてきたので、その名前を設定。
(。´・ω・)ん? 結構あるな。少なくないじゃん。
一応これでもいろいろ考えてはいるんです。
はい。今回は真面目なんでオチはありません。