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ゴヲスト・パレヱドの裏話

 稲尾家は平安末期に成立した家系。実質九百年未満の時間で、34回にわたる世代交代が起きている。
 人間の一族ならまだしも、彼らは妖怪の一族。第二世代が半妖であったことを考慮しても、異様なスパンで世代交代している。

 半妖であり二代目稲尾家の次女・稲尾幽蘭(いなおゆうらん)は、半妖ゆえに優れぬ妖力を技術で補おうとし、蠱毒を実行した稲尾家最悪の血族。
 己の子孫で蠱毒を行い抽出した我が子の肉を喰らい、九尾化。圧倒的な力をこがれた末の凶行の末、柊から永久追放された。

 生死不明だが、柊は彼女が死ぬようなタマではないと思っている。



 以下ネタバレ
















 真の黒幕にこの幽蘭を予定しています。
 彼女は最終的に狐の耳も尾も失い、ぱっと見人間と変わらない外見になっていますが、設定上は空狐となっているという感じです。
 ただ、作中では「人間という妖魔になった」として描く予定。結局人間が一番怖い、という、異形を扱う上でのお約束ですね。

 ラスボスとして取り扱われていたあいつに黒幕が! というのはあるあるですから。
 それを口にするのはまあ、私の癖と思ってください。うちの子愛でるやつの宿命です。

 ヤオロズ→影法師が追い求める混沌の具現 その世界の生命再分配システム
 嶺慈→世界に絶望した破壊者だったが、燈真とぶつかり合って迷いが生じる 事実上、世界を股にかけた壮絶な兄弟喧嘩
 幽蘭→数世紀に渡る親子喧嘩の決着をつけたいがために、ヤオロズを取り込んだ


 ……兄弟喧嘩と親子喧嘩で世界の危機ってやばすぎん……? 作者どんだけ血縁ってもんに縛られてんの?


 我ながら驚きましたが、実はこれにも原風景があります。

 それがメタルギアソリッド、です。
 この作品は主人公が「ビッグボスという英雄の子供」であり、他の兄弟たちと世界の命運を賭けた戦いを繰り広げる、というストーリーなんですね。

 中学生という多感な時期に暗記できるほどやりこんだので、その影響が出てます。


 雑記というかメモみたいになりましたが、現状このように考えています。

6件のコメント

  •  半妖ゆえに優れぬ妖力=柊の子供にしては、という意味。
     この世界の半妖は相剋と相生を単体で成り立たせるので純血種より妖力では優れることが普通。
  •  追記2
     蠱毒はそれに巻き込まれたモノ、というより場所に術が及ぶイメージを持っています。
     そのため、術中範囲内にいた長女・その子孫も影響を受け短命化=人間並のスパンでの世代交代になったというわけです。
  •  親子とか兄弟で相争うって結構フィクションでありますよね。言うて私の作品でも、八頭怪は胡喜媚の実弟(頭目・胡琉安の大叔父または叔父にあたる)ですし、彼の悪事に加担しているのは紅藤様の義妹分ですし……いや、後者の因縁は第五部で書く予定ですが。
     椿姫さんたちも直系ではないとはいえとんでもない先祖がいたものですね。そうか、こいつがラスボスなのか……


     以前嶺慈がラスボスみたいな話を聞いていたので、常闇世界に来たという話を見て「こいつはきちんと報いを受けたのか?」と思っておりましたので。

    きゅうび「妖力面で半妖>純血妖怪って羨ましすぎん?」
    ユッキー☆「世界の法則が違うから諦めるんやな」
    トリニキ「きゅうびはそもそも強い定期」
  •  多いですよね。やっぱり因縁って部分で描きやすい要素が絡むんですかね。
     兄弟で敵同士、あるいは相棒として一緒に戦う、とか色々ありますが、作品として扱われる要素としては鉄板クラスです。
     幽蘭こそがラスボスです。本当は黙ってるつもりでしたが言いたくなっちゃいました。

     嶺慈君は正史世界では最終的に消えるという結果になってます。死ぬではなく、消える、です。
     常闇世界の彼はパラレル的な存在なのでまた別ですね。あっちはあっちで何らかの結果があると思います。
     余談ですが、常闇世界では人肉を食えないのですが、世界の法則に適する言霊、を仲間と己に付与して乗り切ってます。万能な術やなあ。

    燈真「まあ要するに妖怪の血が入ってて半妖の俺は最強ってわけ」
    椿姫「後天的に完全に妖怪化してるのでないです」
    竜胆「そういや姉さん九尾で最強の妖狐になったわけだから燈真の立つ瀬がマジでないじゃん」
    菘「しっ! いったらだめ!」
  •  あと悪役が自分の仔を利用するって言うのも結構あると思います。
     ちなみに私がそう言うタイプの悪役を書く場合、ほぼ必ず「母親が息子を傀儡にする」タイプになりますね。実は紅藤様と胡琉安の関係にも該当するんですが……
     世間では男の悪役がそんな事をしそうな事への逆張りもあるのかもですが、私の中で「父親はわが子を純粋に可愛がるもの」という謎のステロタイプがあるからなのかもしれません。
    例:源吾郎君の父親、三國兄貴(雪羽君の養父だけど)

     なお、子供も「娘」ではなく「息子」なのもミソです。娘の場合、恐らくは母親と相争って喰い合いになりそうなので……

     常闇世界での人肉事情も成程なぁ、と思いました。まぁ確かに、人もいる場所で人を襲うのもアレですもんね。
  •  ありますねえ。親子の絆さえ利用するってのは見ます。
     あー、現実にもありますしね。逆に、子供が親の愛情を悪用するパターンもありますよね。我が子可愛さに、盲目的な溺愛をする親の権力をいいように使う、みたいな。私はそっちの方が多いです(燈真君をハメた通草少年がまさにこれですし、幽蘭も柊の「自分を殺せない甘さ」故に生きながらえて悪巧みしているわけですし)。

     父親像は私も同じような感じですね。
     燈真君や大瀧さんが子煩悩なのはまさにそれです。自分の中で男親は「親だけど友達感覚の不思議な家族」みたいなイメージがあります。

     女親子はソリが合わないとえらいことになりますからねえ……。ときどきようつべでそういう感じのザマア動画がサジェストされてきて興味本位で見ますが、なかなか壮絶です。

     最初は常闇様が捕らえた更生不能な人間を食わせている、とかにしようとしましたが、社務所日誌をそっち方面でダークにしたくなかったのもありこういう形に落ち着きました。
     話題として出す分にはいいんですが、あんまり描写に落とし込みたくはなかったんですよね。
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