ねえ。
あなたのおなまえ、おしえて。
あなたの好きなもの、好きなこと、おしえて。
ぐるぐる、るうるうと、時間も風もとおってゆくのに。
どうしてあなたはずっと、そこにいるの。
どうしてわたしのことを、みているの。
ねえ。
たくさんたくさんの星があって。
顔すら向けられない恒星のひかりがとどいて。
望めば、どこにでも手がとどく。
とどいたさきには、あなたの幸福がある。
ひかりが、ある。
なのに。
どうして、わたしをみているの。
ねえ。
ねえ。
あなたのおなまえ。
あなたの好きなもの、好きなこと。
教えてくれなくて、いい。
ねえ。
愛してるよ。
大好きだよ。
ねえ。
わたしは、壱単位。
わたしは、つむぐもの。
あなたを、愛するもの。
*
祝縁の花嫁は竜の背に立つ
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