📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
(「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞)
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346+++++
🎬「ハリウッドよ、これが異世界ファンタジーだ!」✨
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📖「第614話 どうと聞かれても何と答えるべきか……。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093087539614395📄普通なら|ホスト《・・・》であるシュルツ団長が会話の糸口を作るところだろう。
しかし、相手側には若手時代の|先《・》|輩《・》であるマルチェルがいる。若干の気後れは否めない。
「こほん――」
「騎士という人種は魔法が嫌いなのかね?」
のどの塊を取り除いて会話を始めようとしたシュルツを、無神経にぶった切るドイルだった。一切の忖度なく、デリケートな話題を正面から投げ込んだ。
「は? いきなり何を?」
名乗りもせず質問をぶつけてきたドイルを見て、シュルツは目を白黒させた。失礼だと憤る前に、相手の意図が理解できない。
理解できない動きをする未知の生物は、誰にとっても不気味だ。
「ええと、君はウニベルシタス教授の――ドイル、で良いのかな?」
シュルツは手元の来客通知から目を上げて尋ねた。
通知には3つの名前と肩書がある。マルチェルは旧知であり、女性はドリーだけ。残る1人が、この空気を読まない男ということになる。
「その通りだ。それで? 質問の答えを聞かせてもらえるかね?」
自己紹介、社交辞令のやり取り――お会いできて光栄だとか、お元気ですかとか――をすべて切り捨てて、ドイルは知りたいことを聞く。
マルチェルは居心地悪さに目をそらし、ドリーは顔を押さえて天井を見上げた。
こんこんこん。
シュルツが口を開こうとした瞬間にメイドがワゴンを押して紅茶を持ってきた。ドイル以外の3人は、救われる思いで肩の力を抜いた。
「うちの連れがせっかちで失礼しました。王立騎士団の団員の間で魔法を否定する意見が飛び交っているという評判が聞こえて来ましてね。ウニベルシタスのやり方に問題があるのだろうかと気になって、こちらまで調査に来たというわけです」……
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お楽しみください。