📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
(「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞)
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346+++++
🎬「ハリウッドよ、これが異世界ファンタジーだ!」✨
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📖「第615話 ウニベルシタスは『公器』ですからな。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093087656447512📄「先頃の大演習では王立騎士団も随分と活躍したそうですな」
各国代表を招いての軍事演習ではイドの盾が見学者の度肝を抜いた。参加した各地の騎士団中、ひと際目立ったのが王立騎士団だった。
ウニベルシタス初年度研修生であるアランとネロは、帰任後同僚の団員たちにイドの存在とその制御方法をいち早く指導したのだ。
「1年の差は大きい。よその騎士団が最初の研修生を送り出す時期に、こちらは独自の訓練を開始していたからな」
訓練方法やカリキュラムについては、|つながり《コネ》を生かしてウニベルシタスからノウハウを受け継いだ。
ステファノに出張指導を依頼したこともある。王国魔術競技会準優勝者の肩書のおかげで、団員にステファノが軽んじられることもなかった。
「アランとネロの2人を他の騎士団に先んじて受け入れてもらったことには感謝しています。ギルモア家よりも優先してもらいましたからな」
シュルツがマルチェルに礼を述べた。
ウニベルシタスとギルモア家の深い結びつきは言わずと知られている。ネルソン学長にとってギルモアはいわば本家だ。そこよりも先に王立騎士団員を研修生として受け入れたことには大きな意味があった。
「ウニベルシタスは『公器』ですからな。一貴族の持ち物ではないというところを示す必要がありました」
マルチェルが静かに首肯した。
「おかげで各領騎士団から交流の申し入れが増えました。訓練方法を学びたいと言ってですな」
これまでも騎士団同士の交流は存在したが、そこまで活発なものではなかった。対象も主に新人団員に限られており、基礎訓練が内容の中心だった。
競争意識の強い騎士団同士が、これほど大規模に交流する日が来るとはシュルツも想像していなかった。
「何しろイドの盾という新しい防御法を、戦術行動に組み込まねばなりませんからな」
シュルツの言葉にアランが激しく頷いた。……
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お楽しみください。