📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
(「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞)
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346+++++
🎬「ハリウッドよ、これが異世界ファンタジーだ!」✨
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📖「第603話 ジェーンの秘密……?」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093085966732661📄(おかげで貴重な時間が稼げた。礼を言うぞ、モーリー侯爵)
モーリー侯爵の死は、同時に戦場で散った数千の命を伴う犠牲だった。しかし、ジェーンの心にはそれを悼む気持ちは起こらない。
彼女には目的がある。
「安定への回帰」
数百万人の死を防ぐために、目先の数千人は必要な犠牲であった。
ジェーンは時間をかけて徐々にモーリー侯爵の精神を支配し、彼を操ってスノーデンと敵対させたのだ。
ただ、わずかな時間を稼ぐという目的のために。
ジェーンはスノーデンの神器製作に立ち会い、その度に少しずつ、少しずつ術式付与に介入した。
甕一杯の水にほんの一滴砂糖水を紛れ込ませるように、スノーデンの術式を僅かに歪める。
それを繰り返した結果、でき上がった神器には目に見えぬ欠陥があった。
「すべての人に魔力を」
そう願って創り出した神器は、100人に1人しか魔力持ちを生み出すことができなかった。その上なぜか、貴族に用いた時は高確率で超常の能力をもたらした。
「貴族に目覚めるこの|能力《ギフト》は何だ?」
魔術とは違いギフトは応用が利かず、ほとんどの能力は戦闘向きだった。ギフトをいくら生み出しても、国は豊かにならず平和をもたらすこともない。
「どうなっている? なぜうまくいかない?」
スノーデンは思い通りにならぬ神器を前に頭を掻きむしった。
何度見直しても術式に異常が見つからない。異常がない以上、彼にはどうすることもできなかった。
「ちきしょう! 一体何のためにモーリーを、多くの兵士を死なせたのだ! これでは犬死ではないか……」
スノーデンは両手で顔を覆って慟哭した。……
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お楽しみください。