📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
(「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞)
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346+++++
🎬「ハリウッドよ、これが異世界ファンタジーだ!」✨
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📖「第620話 どうやら彼らは一卵性双生児のようだ。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093088369614229📄「まだ続けるのかねぇ? 内気功だけでも2人相手に圧勝していたのに」
ドイルの声は気の毒そうな響きを帯びていた。これ以上は弱い者いじめになるのではないかと。
残された2人はうつむきがちに顔を伏せ、視線を交わしているようだった。試合放棄の相談でもしているようにドイルには見えていた。
「さて、どうでしょうか。あの2人は初めて相手にする団員ですね。戦いは数だけで決まるものではありませんが……」
マルチェルの目には2人が怖気づいているように見えなかった。それに、あの2人には何か気になるところがある。
「む? 彼らは――」
「同じ顔をしているね!」
ほぼ同時にドイルが声を上げた。
「身長、骨格、体重のバランス。どうやら彼らは一卵性双生児のようだ」
視覚から得た情報を素早く総合し、ドイルは2人が双子だという結論に達した。兄弟同時に入団したのだろう。それ自体は特に珍しいことではないが……。
「いいえ。観るべきは彼らのイドです。イドの量、密度までそっくりだとは」
「ああ、だから雰囲気が似ているのか。あれじゃあまるで――」
アバターが具現化したみたいだなと、ドイルは言いかけた。
「アバターとは似て非なるものです。第一に彼らのイドは制御されておらず、密度も荒く無駄が多い。あれでは|魔核《マジコア》は練れず、魔法を使えないでしょう」
不思議なイドを持つ兄弟は「ギフト持ち」かもしれない。マルチェルはそう感じていた。
「それにしても興味深い。ゆらゆらと揺れ動くように姿を変えているのに、2人のイドは|同《・》|調《・》|し《・》|て《・》|い《・》|る《・》」
(|それ《同調》か!)
ドイルが言い当てた違和感の正体にマルチェルが衝撃を覚えた瞬間、兄弟が動いた。……
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お楽しみください。