📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
(「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞)
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346+++++
🎬「ハリウッドよ、これが異世界ファンタジーだ!」✨
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📖「第590話 見たことのない道具だ。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093084085857118📄「うーん。隠形五遁の術を使ってくるとは思わなかった」
ステファノは内心意表を突かれていた。
自ら文献を掘り起こし、断片的な記録から想像を交えて再現した五遁の術である。他の出場者がまねをしてくるとは予想していなかった。
(いや、まねといえば俺自身が物まねか……)
インディアナはステファノの研究報告を分析し、おぼろ影の術を会得したのだった。彼女もまたただ者ではない。
さすがにイドの制御を極めるにはヒントが少なく、期間も短すぎた。遁術は逃走・かく乱の手段としては優れているが、戦闘の手段としては決め手に欠ける。そこに彼女のミスがあった。
インディアナは戦術の組み立て方を誤っていた。
(しかし、世間は広い。何が飛び出すか、その時になってみないとわからない)
自分にできることは相手にもできる。むしろ自分以上に優れていると想定しておかないと、いきなり足をすくわれることになるとステファノは己を戒めた。
(魔法も、武術も、そしてイドの制御もだ。ああ、魔道具もか)
王立アカデミーにはそんな人材はいなかった。しかし、現にインディアナは使い手がいないと思っていた「おぼろ影の術」を使って見せた。
ならば、イドの制御に熟達した者がいてもおかしくない。そして、イドの制御の延長には魔法付与術がある。
「もし、そういう相手と当たったらどうすればいい?」
控えの座にすわりながら、ステファノは考えにふけった。……
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お楽しみください。