📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
(「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞)
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346+++++
🎬「ハリウッドよ、これが異世界ファンタジーだ!」✨
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📖「第596話 サレルモは「手加減」という縛りを投げ捨てていた。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093084973000776📄「蛇の巣」
ステファノが静かにつぶやくと、円周状に|八咫鏡《やたのかがみ》が出現してシヴァの業火を取り囲んだ。
行き場をなくした熱は、空に向かう柱となって吹き上げた。
ドゴォオオーッ!
上昇気流が上空できのこの形に雲を作った。
「うわあ。やり過ぎでしょう。アレが当たったらさすがに死にますよ?」
「くっ! 貴様、一体何だというんだ!」
奥の手を完全に封じられてサレルモは感情をむき出しにした。
サレルモにはわかっていたのだ。
自分があの鏡の輪に囲い込まれていたら死んでいたと。
本気で命の取り合いをしていたら、いまごろサレルモは殺されていた。
(|こいつ《ステファノ》にはシヴァの業火が効かない!)
ならば「体術」で倒すしかない。折れそうになる心を励まして、サレルモは走り出した。
上級魔術師である自分がこんなところで負けるわけにはいかない。
走り寄りながらサレルモはけん制の火球を連発する。その火球1発でさえ、威力は火魔術の最高クラスだ。
つまり、当たれば人を殺せる。
サレルモは「手加減」という縛りを投げ捨てていた。
(こいつが死ぬわけがない)
シヴァの業火さえしのぎ切った男だ。ただの火球など目くらましにもならないだろう。……
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お楽しみください。