📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
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🏆「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞!✨
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📖「第581話 アートとは芸術のことか?」
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📄「ステファノ……飯屋のせがれだと?」
クリードはかつて短い間行動を共にした田舎臭い少年のことを思い出す。魔術師になることを志して、|呪《まじ》タウンに出てきた少年のことを。
(ネルソン商会に雇われたのだったか――。む、ネルソン?)
記憶をよみがえらせていたクリードが、目を見開いた。
「ギルモアの獅子! ステファノが持っていた!」
「あれ? あいつに会ったことある? グレーの髪、青い目。ちょっと小柄でひょろっとした……」
急に声を上げたクリードの様子を見て、サントスはステファノと面識があるのかと驚いた。
「あいつは望み通り魔術師になれたのか……」
「1年前、ギルモア家の肝いりで王立アカデミーに入学。俺はそこで知り合った……」
今日1日は|中継器《ルーター》設置を繰り返す作業が続く。先はまだまだ長かった。
気を紛らす世間話のつもりで、サントスはステファノとの出会いを語った。
「目端の利く奴とは思ったが、たった1年で魔術を極めるとは」
「王国魔術競技会では準優勝」
何でもないことのようにサントスが言った。ステファノならば当たり前のことだと言わんばかりに。
「それでは本当に、あのステファノがヤンコビッチ兄弟討伐メンバーの1人なのだな」
「ネルソン商会に雇われた飯屋のせがれは、あいつ1人?」
「あいつは今、どこで何をしているのだ?」
ステファノがどうしてヤンコビッチ兄弟を討伐することになったのか、クリードには想像できなかった。
「話せば長くなる。あいつは今ウニベルシタスにいる」
「それは何のことだ?」
「一言では言いにくい――」
クリードの問いに応える前に、サントスは深く息を吸い込んだ。……
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お楽しみください。🙏😊