📖第501話 いざとなったら全然役に立たなかった。
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確かにステファノは恐怖した。魔術師でもないジェニーが精神攻撃系ギフト保有者とは思わなかった。
(油断していた)
威圧や眠気、感覚異常等の精神攻撃なら、受けてからでも対応できると考えていたのだ。いきなり|魔視脳《まじのう》の機能を阻害されるとは予想していなかった。
(魔視脳を遮断されて、慌ててしまった)
今になって思えば多少の頭痛や視覚異常があったものの、身体機能は普通に使えたのだ。
鉄丸を普通の礫として投げつける戦い方もあった。
(それに……魔法が使えない時のために、魔法具を用意したんじゃないか)
ステファノの手袋や靴には魔法付与した鉄粉が仕込んである。魔力を練れなくても、キーワードをトリガーとして魔法発動ができるのだ。
(いざとなったら全然役に立たなかった。いや、俺の心の問題だ)
敵の前で無防備になる恐怖。それはかつて口入屋一味に捕えられ、命の危機に瀕した経験で味わった絶望だった。何もできない無力感。
未だにその恐怖がトラウマとなって心の奥に巣食っていることを、ステファノはあらためて思い知った。
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📕「🍚🥢飯屋のせがれ、🧙♂️魔術師になる。――知力ひとつで成り上がってやる。」
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