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第二回 ドヤっと語れる夏王朝 (夏王朝を造った人編)

 おはこんちわ。
 皆のお友達。
 橘風儀だよ。

 今回は夏王朝の創始者について。
 お話をするよ。

 
 夏王朝を建国したのは。
 禹(う)と呼ばれる人物なんだ。

 この禹って人はね。
 黄河って言う。
 すっごい大きな河を整備し。

 古代に政治機構を整え。
 大陸の初の王朝。
 夏王朝を築いたすっごい人なんだ。


 もし、存在したら。
 すごい人だよねぇ。

 えっ?
 今の言い方なら。
 存在しない人なの?


 よぉし。
 それじゃあ。
 神秘のベールで包まれた。
 禹の正体について。
 掘り下げていくぞぉ。


 そもそも。
 この禹って言う人物の名が。
 文献(尚書って書物)に記述され。
 持ち上げられ始めたのは。
 紀元前六百年頃の。
 戦国時代からなんだ。

 戦国時代になると。
 群雄割拠になってね。

 何処の國の王様も。
 僕の國こそが正義だぁ。
 って、息巻いていたんだ。

 この正義って言うのが重要でね。
 此の時代於ける正義は。
 古来の王朝の系譜を受け継いでいるか。
 どうかなんだよ。

 大陸の中央に位置する国は。
 前王朝(周王朝)や前々王朝(殷、商王朝)の。
 系譜(血縁)を受け継いでる。
 って、堂々と名乗れたんだけど。

 僻地の國はそうはいかない。
 
 其処で。 
 僻地の王様達は考えました。
 前王朝と、前々王朝は文字があるから。
 ねつ造したらばれるけど。

 その前(夏王朝)の時代には。
 文字がないから。
 初代の王様が俺らが住む僻地まで。
 統治したって。
 ねつ造すれば良くね?


「それ、いいね!」


 こうして。
 僻地の王様達が。
 こぞって。
 ねつ造した結果。

 夏王朝の初期の領土範囲が。
 始皇帝の時代の秦に迫るぐらい。
 広くなっちゃいました。

 此の時点で。
 大概なのだけど。

 更に、夏王朝の存在を。
 ややこしくさせる者達が現れるんだ。

 それが。
 儒学者と呼ばれる人達なの。
 
 現代で言うところの。
 環境活動家にあたる人達だね。
 基本、人の話は聞きません。


 この者達。
 儒学者達は今の時代が乱れているのは。
 国を治めている王様達が。
 カスだからと結論づけたんだ。

 儒学者がそう思ったのは。
 古の聖王が治めていた時代は。
 争いがなかったと聞いていたからね。

 考古学調査によると。
 敵から守る為に。
 城壁が築いたり。
 凄惨に殺された兵や。
 女子供の遺骨があったんだけど。

 そんなことは。
 儒学者にはどうでも良いよね。

 重要なのは。

「古来の王は凄いよね。
 其れに比べて。 
 近頃のカス(王)は」
 
 これを第一に述べたかったんだよ。

 
 儒学者達は一斉に。
 文字のない時代を神格化し始め。
 戦国時代に沢山の書物が。
 生まれてゆくんだ。

 僻地の王様は。
 儒学者はクソ以下の存在。
 だと思っていたんだけど。
 
 古来の王を神格化することは。
 結果として。
 古来の王が広く統治していたことの。
 証明になるから。
 其の神格化を受け入れたんだ。


 其の神格化する中で。
 最も持ち上げられたのが。
 始めに言った。
 禹と呼ばれる人物なんだよ。

 伝承や口伝の。
 最後に語られる人物でね。

 此の人物を。
 夏王朝の創始者にすることで。
 僻地の王様と儒学者は意気投合したんだ。


 こんな感じで。
 虚構の聖王が。
 夏王朝の創始者になったのでした。

 めでたしめでたし。



 でも、そうなると。
 一つ疑問が生まるよね。

 なら、実際に。
 夏王朝を創設したのは誰なのかと。


 結論から言うと。

 夏王朝。
 二代目を引き継いだ。
 啓と呼ばれる人物が。
 創設者と考えられているんだ。

 理由としてはまず。
 禹と啓の功績が似通っていること。

 そして。
 一番の理由は。

 二代目なのに。
 生まれの逸話が特殊だからだよ。

 啓は石から生まれた。 
 と言う伝承が残されているんだけど。

 この文面は本来なら。
 初代王が書かれる逸話なんだ。
 だけど何故か。
 夏王朝の場合に於いては。
 二代目が描かれているんだ。

 このような歪んだ文献が残る。
 ことになったのも。

 伝説の聖王を持ち上げる為に。 
 本来の初代王である。
 啓を二代目にずらした。
 結果から、そうなってしまった。
 と考えるのが自然だよね。


 さぁ、ちょっと長くなったけど。
 此れで君も。
 夏王朝の創始者をどやっと語れるぞ。


 学生の君たち。
 お父さんや、お母さんに語ってみよう。
 凄く見識が深くなったって褒められるぞ。

 お父さんは。
 お子さんに教えてあげよう。
 すっごく知識が深いって尊敬されるぞ。

 お母さんは。
 嫌なお姑さんに教えてあげよう。
 きっと距離を置いて貰えるぞっ。

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