おはこんちわ。
皆のお友達。
橘風儀だよ。
今回は夏王朝の創始者について。
お話をするよ。
夏王朝を建国したのは。
禹(う)と呼ばれる人物なんだ。
この禹って人はね。
黄河って言う。
すっごい大きな河を整備し。
古代に政治機構を整え。
大陸の初の王朝。
夏王朝を築いたすっごい人なんだ。
もし、存在したら。
すごい人だよねぇ。
えっ?
今の言い方なら。
存在しない人なの?
よぉし。
それじゃあ。
神秘のベールで包まれた。
禹の正体について。
掘り下げていくぞぉ。
そもそも。
この禹って言う人物の名が。
文献(尚書って書物)に記述され。
持ち上げられ始めたのは。
紀元前六百年頃の。
戦国時代からなんだ。
戦国時代になると。
群雄割拠になってね。
何処の國の王様も。
僕の國こそが正義だぁ。
って、息巻いていたんだ。
この正義って言うのが重要でね。
此の時代於ける正義は。
古来の王朝の系譜を受け継いでいるか。
どうかなんだよ。
大陸の中央に位置する国は。
前王朝(周王朝)や前々王朝(殷、商王朝)の。
系譜(血縁)を受け継いでる。
って、堂々と名乗れたんだけど。
僻地の國はそうはいかない。
其処で。
僻地の王様達は考えました。
前王朝と、前々王朝は文字があるから。
ねつ造したらばれるけど。
その前(夏王朝)の時代には。
文字がないから。
初代の王様が俺らが住む僻地まで。
統治したって。
ねつ造すれば良くね?
「それ、いいね!」
こうして。
僻地の王様達が。
こぞって。
ねつ造した結果。
夏王朝の初期の領土範囲が。
始皇帝の時代の秦に迫るぐらい。
広くなっちゃいました。
此の時点で。
大概なのだけど。
更に、夏王朝の存在を。
ややこしくさせる者達が現れるんだ。
それが。
儒学者と呼ばれる人達なの。
現代で言うところの。
環境活動家にあたる人達だね。
基本、人の話は聞きません。
この者達。
儒学者達は今の時代が乱れているのは。
国を治めている王様達が。
カスだからと結論づけたんだ。
儒学者がそう思ったのは。
古の聖王が治めていた時代は。
争いがなかったと聞いていたからね。
考古学調査によると。
敵から守る為に。
城壁が築いたり。
凄惨に殺された兵や。
女子供の遺骨があったんだけど。
そんなことは。
儒学者にはどうでも良いよね。
重要なのは。
「古来の王は凄いよね。
其れに比べて。
近頃のカス(王)は」
これを第一に述べたかったんだよ。
儒学者達は一斉に。
文字のない時代を神格化し始め。
戦国時代に沢山の書物が。
生まれてゆくんだ。
僻地の王様は。
儒学者はクソ以下の存在。
だと思っていたんだけど。
古来の王を神格化することは。
結果として。
古来の王が広く統治していたことの。
証明になるから。
其の神格化を受け入れたんだ。
其の神格化する中で。
最も持ち上げられたのが。
始めに言った。
禹と呼ばれる人物なんだよ。
伝承や口伝の。
最後に語られる人物でね。
此の人物を。
夏王朝の創始者にすることで。
僻地の王様と儒学者は意気投合したんだ。
こんな感じで。
虚構の聖王が。
夏王朝の創始者になったのでした。
めでたしめでたし。
でも、そうなると。
一つ疑問が生まるよね。
なら、実際に。
夏王朝を創設したのは誰なのかと。
結論から言うと。
夏王朝。
二代目を引き継いだ。
啓と呼ばれる人物が。
創設者と考えられているんだ。
理由としてはまず。
禹と啓の功績が似通っていること。
そして。
一番の理由は。
二代目なのに。
生まれの逸話が特殊だからだよ。
啓は石から生まれた。
と言う伝承が残されているんだけど。
この文面は本来なら。
初代王が書かれる逸話なんだ。
だけど何故か。
夏王朝の場合に於いては。
二代目が描かれているんだ。
このような歪んだ文献が残る。
ことになったのも。
伝説の聖王を持ち上げる為に。
本来の初代王である。
啓を二代目にずらした。
結果から、そうなってしまった。
と考えるのが自然だよね。
さぁ、ちょっと長くなったけど。
此れで君も。
夏王朝の創始者をどやっと語れるぞ。
学生の君たち。
お父さんや、お母さんに語ってみよう。
凄く見識が深くなったって褒められるぞ。
お父さんは。
お子さんに教えてあげよう。
すっごく知識が深いって尊敬されるぞ。
お母さんは。
嫌なお姑さんに教えてあげよう。
きっと距離を置いて貰えるぞっ。