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氷の結晶が出来るように

言葉はあるべきところから生まれる
例えそれがどんなに汚くても、下品でも、紡ぎ出した言葉には責任と意味がある
だから出し終えたあとにいじくり回すのはどうだろう
形を整えた芸術とそのままの芸術
技術的な云々もあるけれども訴えかけるものですべてが決まってしまうと思う
爆死した道端の狸でも、どこかそれは芸術じゃないか
あんなにふわふわで暖かそうなのに、冷えきってみんなから邪魔だと思われてハンドルを切られる
けれど強烈な印象なんだ
ストンと生活に現れた狸の死体は整えられずただそこにあるだけなのに、どんな作品よりも心に響く
もし美術館に飾られたとしても顰蹙をかうだろう
あるべき場所に、あるべきタイミングで、それを見たこと。
作品との出会いこそが芸術なのだから、風評からの出会いで芸術が生まれる訳がないじゃないか。
塞き止められない言葉の濁流は一方通行だ。受け止められたい訳じゃなく、吐き出したいのだ。
最後の最後に何が出るかわからない。
ただ、きっとあの狸のような鮮烈な何かが出てくることを信じて。
ただ書く、分からずとも、書き続けるしかないのだ。

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