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クソバカ高校演劇:『新入生歓迎公演『霍小玉伝』』大反省会

https://kakuyomu.jp/works/1177354054919338321 の反省会会場です。
みなさんからの感想や疑問、改善点等お待ちしているので読んでください。












読みました? ネタバレ全開なんでね、読んでからの方がいいですよ。
それでは、反省会を始めましょうか。

いやー、今回初めて純粋な部活モノを書いたわけですが、どうでした? 懐かしかったですか?

私も高校時代は念撃部の主将として念動力で鉄板をバキバキ曲げていましたよ。特にあの岡谷工業との県大会決勝は今でもOB会での語り草になっていて、同窓会の度に恥ずかしくなっちゃいます(笑)
そんなわけでね、部活と言えば誰しもとは言わなくても、結構思い出や、そうでなくても独特の郷愁があると思うんですが、今回はそんな感じしました? 私は、書いているうちにわからなくなっちゃって。

本作の目標については三つ(後述)ありますが動機は一つだけ、「忘れる前に書いておかなきゃ」でした。恥の多い生涯を送ってきたので過去は忘れる主義なのですが、ある日気付いたんですが、実際に思い出せなくなってきてたんです。「俺、諏高のこと、もうあんまり覚えてないな」って。何してたかとはまだましで、何を考えていたかなんかはもうほとんど思い出せない。それが何だか勿体なく感じたので、一昨年頃には本作を書こうと思い、去年の夏頃作り始めて全然書けず、今日まで掛かったわけです。まあやっぱり色々忘れてしまったので、郷愁みたいな感覚は無く、かと言って追体験するようなリアリティを感じているかもわからないままずっとやっていました。みなさんは読んでてどんな気持ちでしたか?

さ、取り留めのないことはここまでにして、作品の反省に移りましょうね。
本作の目標は三つありました。以下の通りです。
①三幕構成の習得(技術的目標)
②これから高校演劇モノを書いていく上で、演劇部ってどんなものかの紹介
③高校演劇って何だったのか、現時点での総括

一つずつやっていきましょう。
まず①ね、反省会としてはここが一番重要ですよね。みなさーん、三幕構成って知ってますか? ……そうですね、創作論の、特に構成の話になると一番最初に出てくる奴です。あまりにみんな三幕構成三幕構成言っているのが羨ましくて、カクヨムコン短編賞でメイクマニした分で本買って読みました。何しろ以前長編をやった時は構成に自信が持てず、二年掛かって塗炭の苦しみを味わったので、楽に書ける“型”が欲しかったので。で、結果ですが……楽になりませんでした! 今回も九か月掛かってるわけだからね。もう散々苦しみましたし、五万字完結予定だったのが七万字超えたので、三幕構成の習得も失敗しました。
ただ、完結した今となっては案外悪くなかったかもと思っています。確かに大まかにお話を組み立てる分には参考になったし、今回書けなかったのは構成のせいというよりは、覚悟が足りないとかやる気が出ないとか、酒が飲みたいとかマネジメントで解決すべき要因の方が多かったと思います。その証拠に製作期間の目安を書くと以下のような感じです。

一幕:約五か月(間に短編二つ挟んだので実質的には約二か月程)
   →約19,000字(12,500字予定)
二幕:約四か月
   →約37,000字(25,000字予定)
三幕:約三日
   →約16,500字(12,500字予定)

み、醜すぎる……。まあシド・フィールド大師も二幕が一番苦しいと言っていたので順当と言えば順当かも。ということでね、次回からも三幕構成を活かし、心を強くして書いていこう……。

次、②。ここからは作品内容の反省も交えていきます。ま、一応ね、高校演劇の小説をこれから何作か書いていきたいと思っているんですが、読者の対象はもちろん広く取りたいわけです。そこでネックになるのが、演劇って専門用語が多いんです。まず何やってるかわかんねー部活な上に、独自の用語を賢しらに語る厳しい集団になってしまうので、今回は凄い一杯説明していこうと考えていました。このクソバカ演劇部をシリーズにするかどうかは置いておいて、それはやっておく必要があるかなって思って。でも、今はやらなきゃよかったなと思っています。何故かって言うと、本作を書いている内に、どうせ作品毎に解説し直すんだろうな、と思う程度に必要な知識量が多かったからです。後、舞台を見る上で重要な上手(かみて)・下手(しもて)の概念を説明しなかったし、②の目的としてもどっちつかずになっちゃってるね(他人事)。ただこれは作劇上仕方ないなとも思っていて、何故かって言うと……。


高校演劇って、小説にするとつまんないんだわ。


これに尽きます。用語の説明とか一々してる場合じゃないつまらなさよ。
あの、別に先行研究とか全くしてない個人の持論なんで怒らないでくださいね。でも、つまんないんだわ。演劇って、やっぱ音もビジュアルも無くした時点で魅力三分の一(テキストしか残ってないから)じゃない? で、しかも部活モノの側面も乗せないといけないし、すると話のスケールも学生レベルという制約が掛かってしまう。そこに更に演じる劇のコンテクストも加わるともう三重苦、これを順当に回すとどうしても全体の構成とボリュームを重厚にする必要が出てくる。それは私は「鈍重で読むのがタルい小説」だと考えます。……じゃあ何でやるんだよって? それはね、これが私の使命だからです。つまんないと思っているところに何とか利用価値を見つけたいんです。星とか賞とか、採算は度外視しています。

それで、本作の事件や過去回想等が全て本番中に行われるのは、それをクリアする為のアイデアでした。演劇って本番が一番面白い、根拠はないけどそう確信しています。本番の生の緊張感や即興性を活かし、事件を起こして部員達の葛藤を盛り込み、それを劇中劇(霍小玉伝)でまとめあげる。それを私のスカスカでガランドウの文体で最速で駆け抜ければ、“タルさ”を脱することができるのでは、という試みでした。

結構うまく行ってない!?
なんか、劇と部員が色々組み合って、うまい感じで、ギュッとまとまっててさ……いい感じ……じゃない? 俺は好きだよ……。

まあ、でも……みなさんはついてけましたか? キツかったのでは、と思っています。
文量に対して役が多いんじゃ! 部員七人、出す必要ありましたか? そこに更に『霍小玉伝』の聞き慣れない感じの登場人物がゴロゴロ出てくること忘れてませんか? 忘れてたの……。七人、というか音・照を舞台に出したのは②の部活紹介の為だったんだけど、削るべきだったと思う、後半空気になっちゃったしね。部員は四人(演出・部長・演出助手・チカ)まで絞れば、多分五万字で同じ面白さで作れた気がする。それでも目まぐるしいと思うけど。まあ、でも部活紹介から始めたからこそ、③に到達できたんだと思います。

③は本作のテーマです。作中でも二回ぐらい演出に「高校演劇とは何なのか」って言わせたと思います。何か、作中でテーマを直接言わせるのってダサいみたいな考えがあったけど、創作論の本読んだらそうでもないみたいなので書きました。本作を書く上で私はちょっとずっと引っ掛かってることがあって、それは「高校演劇部員当事者は、高校演劇についてこんなに意識的に言及しない」ということでした。不自然だな、とは思っていたのですが、三年となり、演劇から気持ちの離れた演出ならこういう考え方をしてもおかしくないと思って納得させていました。作中でのテーマに対する議論も「説明臭過ぎっ」と思いつつも、これまでの小説で散々わかりにくいと言われてきたのでかなりはっきり書きました。まあでも、本作が『霍小玉伝』だからこういう結論になったんであって、別の劇ならまた違う話になっていたと思います。高校演劇、それは……わからない。私は念撃部の主将だったので。

ちなみに演目を『霍小玉伝』にした理由はマジで無いです。高校演劇書くか~と思って他に材料が無いか頭の中の冷蔵庫を開けたら『霍小玉伝』しか入ってなかった、それだけです。私はいつもそうやって書いてきた。

うわっ、大分長くなってしまいましたね。
作品については、もうこれぐらいにしておきましょう。



以下はキャラの反省です。

演出
この性格だとクラスでもさぞかし生き辛いんだろうな……と思いきや、自認通り空気みたいな存在。何なら同級生の前だと一人称も「私」だし。家でも良きお姉ちゃんだったりします。要するに高校演劇で初めて自我が芽生えちゃった人、そういう子として書いていました。

あと本編中だとまるでパワハラクソ野郎のように書かれていましたが、それは彼女のクソさの一面でしかありません。彼女の本当にグロいところは隠されたままです(書くと本当に彼女のことが嫌いになっちゃうからね)。

部長
演出と合わせて、李益と霍小玉、高校演劇と演劇、これから何者かになる誰か(=高校生)と部活動等々様々な関係の象徴として頑張ってくれました。造形としてはかなりテンプレっぽくしたけど、演出への二人称は「貴様」にした方がもっとキャラが立ったかな? ベジータ過ぎるかな?

チカ
だってあそこでああしないと、演出にミルクティーぶっかけらんないじゃん!(本作で一番やりたかったこと)

演出助手
実は本編以前にも演出に反旗を翻し、殴りかかったこともありました。が、即制圧され、演出は拳を交えた事で仲が良くなったと勘違いしていました。意外とガッツがあるのでやっぱり演出向いてるかも。

衣装
完全に便利キャラにされていましたね…。便利でした。

照明
本作の中で一番最初に産まれたキャラ。というか本作の前に彼女が主役の短編を書くはずでした。彼女の罪が何なのかも、その短編が公開された時わかるでしょう……(多分来年頃)

音響
食い物弄りは本当にダメージ刺さる人もいるから不味かったかな? 後は後半にも出番を作りたかった……ごめんね。



さ、これぐらいにしておきましょう。

こちらから皆さんにお聞きしたいことが一つあります。

どうすれば高校演劇を小説で面白くできると思います?

全然漠然とした考えで構いませんし、面白かった高校演劇の小説の紹介とかでもいいんで、何か思いつきましたら是非お教えください。

それから、今後についてですが、しばらく短編主体に活動していこうと思います。ラブコメとホラー、この二本槍で行く……はず。

最後に、本作を読んでくださったみなさま、ありがとうございました。
何か改善点や疑問点などありましたら忌憚なくコメント欄にお書きください。
言いにくければTwitterのDMでも構いません。
みんなで最高の反省会にしましょうね。

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