• 異世界ファンタジー

自他の境界

人はみな同じ。
人はみな違う。

この2つの文は互いに矛盾しない。
人と人は半端に重なり合う円のようなもの。
重なる領域もあればそうでない部分もある。
どこまで重なってるかは、はっきりとは分からない。
この、重なる部分と重ならない部分というのがいわゆる「自他の境界」だ。

コミュニケーションでは、この境界の見極めが大事になる。
大事だしみんな日常的にやっているけど、意識してる人もいればほとんど気にしていない人もいる。
コミュニケーションがうまくいってて気にしてないのは問題無い。それは自然とできている人だ。
コミュニケーションができておらず、かつ意識もしない人。これは大変だ。頑張ってほしい。

ここからが本題。
小説を書く場合、それがどんな視点であれ、自他の境界を意識できていないと読みにくい小説になる。……と私は思う。

どういうことか?

小説は、作者から読者への、一方通行のコミュニケーションでもあるからだ。
かつ、作中でも様々なキャラクター同士がお互いにコミュニケーションする。

自他の境界を意識していないと、それらがうまく描けない。
作者しか知らないはずの情報を主人公の一人称視点で描写してしまう。作者の脳内では整合性の取れているシーンが読者からはちんぷんかんぷん。
そういう問題が起きかねない。

実際、そういう問題が起きているWEB小説は割とある。
たぶん、自分の作品にもある。なんならこの近況ノートにも……
わあコワイ。

自分が知っていること。
キャラクターが知っていること。
読者が知っていること。
完璧には不可能でも、自他の境界を意識して執筆していきたいなと、強く思う。
それが、表現を気持ちよく伝えられる結果に繋がるはずだから。

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