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物語が始まらない『カエル頭』

「なんでここに!?」
「結界は!?」
 突如現れた怪物、カエルの頭部を付けた人型のなにか、が校内を闊歩し、次々と人を襲っている。
 捕まった人間は頭から丸のみされるらしい。はっきりとしない情報が、恐怖と共に口から口へと伝わり、校舎内は逃げ惑う生徒たちの阿鼻叫喚で溢れていた。

 件の校舎から数kmの距離にある、とある執務室。二人の男が豪奢な椅子に腰かけ、金の装飾が施されたひじ掛けを握りしめている。両者の額には激しい運動でもしているかのように大粒の汗が光っていた。
「もう限界ですぞ。神よ。我々をお助けください。」
 男の一人が食いしばった歯の隙間から細く祈った。

「いいよ 帰っておいで」
 神がぱちりと指を鳴らすと、空間を割くようにして、突如カエル頭の前に扉が現れた。生徒を追っていたカエル頭は減速できずにそのまま扉を通り抜け、神の前へと放り出された。
 神はカエル頭の襟首をむんずと掴むと、一飲みに飲み込んでしまった。
「ふむ 新しい知識を食すこともできた まあこんなところか」
 カエル頭の神はぺろりと桃色の舌を出して言った。

2405GW辺り夢日記

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