男の子プリキュアの変身衣装が発売されるという記事を見た。
男女関係なく好きなものになれるという状況は大変喜ばしいことだと思う。
と言いつつも、以前の私は男の子プリキュアに拒否感を抱いていた。プリキュアに男の子が誕生したというニュースが世間を騒がせた時、えー、なんかやだなぁ、と思ったのを覚えている。
当時それについて特に言及しなかったが、ずっと考えていたことがある。
なぜ自分は、それほど男の子プリキュアが嫌なのか
ということだ。
当時の私も男の子プリキュアが悪いことだ、という感覚は無かった。むしろ、老若男女、好きなものがあることは良いことだと思うし、好きに答えるコンテンツも素晴らしいと思う。
だからこそ、余計に自分の拒否感が理解できなかった。
ここで少し過去について話したい。
幼い頃の私は青や緑、黒などの色味が好きだった。ただ私が幼い頃は、女の子と言えば赤やピンクが当たり前で、今より明確に女の子用、男の子用というラインがあったように思う。
当時の私もそのラインには気づいていて、はみ出さないように生きていた。
そのラインを簡単に踏み越えたのが、初代プリキュアだった。
私は初めて、女の子だって黒や白を着てもいいんだ、と思えた。
この記憶が、拒否感の根っこの部分だと思う。
私の中で、プリキュアは「女の子でも〇〇していい」の象徴だった。だからこそ、公式との解釈違いが発生した。
20年近く経って、私が見ない間にプリキュアは女の子のものではなくなった。性別も年齢も超えるコンテンツだ。
ただ、当時から変わらないこともある。
「〇〇だって〇〇したい!」という精神に応えるアニメであること。
そのことに気づいたとき、私の中に巣くっていた拒否感は無くなった。
当時の私が救われた精神は大きくなってプリキュアに残っている。