皆様こんばんは。佐倉伸哉です。
先程投稿した新作をもちまして、KAC2024全8回+自由お題の投稿が完了しました。
さて、毎回恒例となっております後書きを……。
①幕の裏のMake up(1回目お題:書き出しが『○○には三分以内にやらなければならないことがあった』 PV→5)
初っ端から何というお題を出してくれたんだ……という心境になりました。三分という概念から歴史系は封じられ(1時間とか1分とかの概念は時計が一般人に定着する明治以降)、どうするかと考えている内に、「そういえば、『35歳のピンチ・クローザー』は登板するまでは細かく書いてなかったな」と思い至り、小宮緊急降板から登板直前までにスポットを当てた作品にしてみました。こういう補完する話って、個人的には好きなのですがどうでしょうか?
タイトルに関しては、舞台に上がる→幕が上がる→じゃあ幕の裏側で準備する(Make up)という感じでひねってみました。全作品共通していますが、今年のタイトル付けは結構手応えがある方です。
内容もタイトルも感触は良かったのですが……PVは伸び悩み。うーん。
②その戦に義はあるのか(自由お題:全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れ PV→29※前後編方式)
またまた洋語じゃん! ってなりましたけど、“バッファロー→水牛”と変換し、「あ、島津の退き口だ」とあっさりイメージが湧きました。このお題でガッツリ系の歴史小説を書いたのは後にも先にも私だけではないでしょうか……? まぁ、それはKAC2024にチャレンジした歴史系作品全てに言えることですが。
この作品に関しては、次のお題発表までに書き上げられるか不安だったので前後編に分けました。歴史系は特に下調べや裏付けなどで時間も労力も掛かるので見通しが立たないのです……歴史小説にしてはまずまずの数字かな、と思っております。
タイトルについては色々と悩みましたが、「義弘に関ヶ原で戦う“意義”が見出せない」という観点から付けました。義の一文字に色々な意味が込められている分、重みのあるタイトルになったなと個人的には思っております。
③隠れ家選びは慎重に(2回目お題:住宅の内見 PV→11)
住宅の内見、ってまた歴史系で使えないお題じゃないかー! と叫びたくなりました。ネットで調べましたが内見の文化がいつから行われていたか出てこなく、「長屋や借家があるから江戸時代にはあるんじゃないか」と解釈し、幕末が舞台の時代小説にしました。あ、今作に関しては“歴史”小説ではなくて“時代”小説ですからね? (この辺に関しては強いこだわりがあります)
当初のプロットから膨らんだのは好感触。特に最終盤のやりとりに関しては自分でもよく思いついたなと感じております。それでも……数字が、なぁ。二桁に届いたのは良かったにしても、もう少し伸びてもいいんじゃないの? とは思います。
④ただの空き箱に非ず(3回目お題:箱 PV→5)
前3回とは異なり、お題を見てすぐにプロットが浮かびました。それと同時に、あまり長くならない予想だったので敢えて800文字にチャレンジしてみました。
地の文メインで書いていくタイプなので、少ない文字数で物語性を出すのはかなり苦労しました。これはこれで普段やらない事なので勉強になりました。
⑤瀑布に呑まれた鯉(4回目お題:ささくれ PV→41※6話)
応用の利く前回のお題からピンポイントに当て過ぎだろー! とお題を見た瞬間に叫びたくなりました。あまりに漠然とし過ぎたお題でイメージが湧かず、苦労しました。
で、一生懸命捻り出したのが「凋落していく今川氏真が、“ささくれ立つ”気持ちになる」というものでして……いやそもそも“ささくれ立つ”から今川氏真に繋げるって脳内の思考回路どうなっているんだとツッコミたくなる方もさぞおられるかと思います。私だって思いましたもん。こういう発想の展開が出来るのは創作面で絶好調なんだなと好意的に受け止めましたが。
しかし問題なのは、プロットを軽く組んだ段階で「これ絶対1万字超えるだろうな」と。具体的には『家康の離反→信玄の侵攻→信長と対面』の三部構成で4千・4千・5千と見てました。そういえば1万字超チャレンジもやっていたなと開き直って書く事にしました。
書き始めるに当たり色々調べると松平定信が取り上げていたのでその説明で序章になり、今川家の置かれた状況について裏付けなど取っていたらタブが今まで見た事がないくらい多くなり、書いていく内にどんどん膨らんでいく文字数に慄いたり、本当は『家康の軍門に降る・信長と対面・後日談』は一つの章にするつもりが大幅に文字数が多くなり分割し。挙句の果ては信長との対面の場で「信長の無茶ブリで命を懸けた勝負にしよう!」と閃いたばかりにとんでもない長さになり……結果、次のお題発表時点までに書き上がらず、最終的に2万4千文字オーバー。それでも書き上げて「あ、あそこもう少し細かく書いて物語性を出せば良かった」と思う始末。他サイトへ投稿する際には加筆するポイントになります。あと、蹴鞠に関する描写もかなり抑え目にしてあります。それを事細かに書いたら文字数は確実に5千字は上積みされるかと。
タイトルについてはKAC2024に参加した作品の中で会心の出来です。「鯉は滝を昇って龍になるけれど昇れず滝(瀑布)に呑まれる」という感じで、氏真の葛藤や苦しみをよく表現されているかと思います。鯉にまつわる諺も調べていく内に色々あったので採用してみました。そういった点でもかなり手応えはありました。ありましたが……投じた時間や労力に対してPVg(以下略)
⑥或る大学生による“はなさないで”の分析(5回目お題:はなさないで PV→15)
超ピンポイントなお題の次に解釈が色々取れるお題で逆に思いつかない! というのが率直な第一印象でした。様々な捉え方が浮かぶ中で、「これを大学生のレポートのお題にして、色々分析してみました! な感じの話にしよう」となりました。ちょうどその時に読んでいた小説が理系全振りな主人公のお話でしたので、そのオマージュです。……参考にした小説のキャラより理系に突き詰められなかったのは反省材料ですが。
そして、この話は私には珍しく「」(会話文)のみで構成される話になっております。本当に小説を書き始めた頃は俗に“台本小説”と呼ばれる「」ばかりの話を書いていたのでちょっと懐かしくなりました。そうしたチャレンジ的な部分では満足しております。
⑦或る大学生による“取り敢えず”ビールの疑問(6回目お題:トリあえず PV→4※2024/03/21『どうして“取り敢えず”ビールなのか』より改題)
どうして“とりあえず”の“トリ”がカタカナなのか、運営は何か忖度しているのではないか。そんな議論があったとかなかったとか。私から言わせれば運営が忖度しているのはいつものk(自主規制)
本題に戻りまして。これについては「とりあえず→とりあえずビール」という発想になったものの、ただ書くだけでは面白くない。……そうだ! 前の二人が居酒屋談義するスタイルにしよう! となり、こういう形式になりました。ちなみに私、お酒は飲めませんしアレルギー体質なので、飲酒描写については全く自信がございません。
ただ、タイトルがタイトルだけに、伸び悩みました……改題した後のタイトルがすぐに浮かべばもうちょっと増えてたかなぁ、と思う次第です。思いつかなかったところも未熟ですね。
⑧或る大学生による“色”の考察(7回目お題:色 PV→8)
色→色欲と発想が浮かんだものの、これを表現するのは難しい……そうだ! 直近2回のフォーマットを(以下略)という感じで書いてみました。KACは毎回参加しておりますが、初めての連作となります。
しかし……色欲については仏教用語なので入念に調べましたが、まぁ難しい難しい。詳しく書くと説明っぽさ全開になりますので、サラッと書くように留めてみました。
あと、オチについては最近個人的なお気に入りであるVOICEROIDキッチン動画からインスピレーションを得て取り入れてみました。ニコニコ動画で『光鍋』と調べて頂ければ元ネタは分かるかと。
⑨透鏡の先に見据えるは(8回目お題:めがね PV→1※前後編)
お題を見た瞬間、「めがね→徳川家康」となりました。そもそも論として“めがね”から“徳川家康”に発想が飛ぶ脳内の思考回路はどうなっているんだというツッコミはなしでお願い致します。ただ、家康が眼鏡を使っていたのは事実で、久能山東照宮に現存されているらしいです。
この作品に関しましては、『その戦に義はあるのか』にも共通するのですが、現在進行形で執筆している作品がこの前後の時代を舞台にしているのでそこから引っ張られたなと解釈しております。それでも作品と一切重ならない当たり、大分書き飽きているんだなとは思いますが。
そして、この話は珍しく“前編を読まなくても大丈夫、寧ろ後編が本編”みたいな感じになっております。説明する事が前半パートに集中し過ぎて物語性は後半に偏っただけなのですが……。
以上になります。
総評としましては、個人的にはかなり感触が良い作品が多かった印象です。また、♡や☆・ブックマークに感想など、読者の皆様の反響は大変励みになりました! この場を借りて感謝申し上げます。本当にありがとうございました!
そして問題のPVに関しましては……この近況ノートを書いている時点で総PV119。一応は目安の100は超えましたが……複数章方式の話が幾つかある事や投稿直後の作品を除いてPV一桁の作品が4つと、正直評価には困る内容となっております。判断材料にするには至らず“保留”、でしょうかねぇ。
かなり長くなりましたが、この辺で切り上げたいと思います。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。もし良ければ、興味を持たれた作品を読んで頂けると作者大変喜びます。