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『信忠 ~“奇妙”と呼ばれた男~』完結しました!

 皆様こんばんは。佐倉伸哉です。
 昨日今日とかなり冷え込んでおりますが、皆様がお住まいの地域はいかがでしょうか? お風邪など召されぬよう、お気をつけ下さいませ。

 さて、21時投稿分を持ちまして、『信忠 ~“奇妙”と呼ばれた男~』が完結致しました。
 ここから先は毎回恒例となっております後書きを……。

 プロット時点では“鈴木輝一郎先生の『信長と信忠』の信忠視点”なイメージで、大まかな筋は「父との確執→岐阜へ移る→伊賀攻めで叱責された信雄の逆切れに信忠大激怒→『天正十年五月、安土にて』の信忠視点→(本能寺)」みたいな感じでした。この流れから分かるかと思いますが、当初は松姫も伝兵衛も出す予定はありませんでした。信忠の生涯について調べていく内に松姫の存在が浮上し、「ならば本能寺の時に再会させ、松姫を逃す為に信忠が囮になる」案を思いつくも松姫を地元へ送り届ける(尚且つ二条新御所攻防戦に加わらない)存在が必要となり、パッと浮かんだ堺留学で架空人物の伝兵衛と出逢う……という構想で落ち着きました。因みに、信忠と松姫の文通は史実です。本当は松姫から返礼に押し花を届けさせようと考えていましたが、押し花の技術が日本に入ってきたのは江戸時代とのことなので断念しました。
 物語をどういう形で〆るか考えていく中で、真田昌幸(武藤喜兵衛)の存在が浮かび登場させました。こういう飄々としたキャラは私の作品であまり書いた事が無かったので新鮮でした。それから、作者の予想を遥かに上回る働きをしてくれたのは松永久秀。前作『悪人』の良い手応えがあったので再登場させましたが、嫡子の久通と合わせ信忠の人生へ大きく関わる重要な人物となりました。徳川信康も自分が想定していた以上に出番が増え想定以上の爪痕を残した意味では、久秀に匹敵する程の大番狂わせでした。こういう“作者の想定を遥かに超える”ことがあるから創作はやめられません。
 個人的に惜しむらくは沢彦和尚の出番が前半に限られた事ですかねぇ……こちらもなかなか書かないキャラながら個人的に好きなキャラでしたので、もう少し後半で絡められたらなぁ、と思っている次第です。
 今作を執筆するに当たり、『戦国バトルヒストリー』や『武将ジャパン』など戦や武将・史料について掲載する様々なサイト様を参考にさせて頂きました。この場をお借りしまして感謝申し上げます。本当にありがとうございました!

 さて、完結した現段階で色々と言いたい事は山のようにございます。最初のプロット段階で「これは是非とも書きたい!」と思っていた伊賀攻め失敗時に信雄から逆ギレされた信忠が「英邁でも愚昧でも殺される、そんな立場がお前に分かるか!」と不満爆発する話がまーったくPVが伸びないとか、敢えて「信忠と信長」と分かりやすいタイトルで「この話、すっごい重要ポイントで作者一番の山場ですよー!!」と匂わせたのにPVがまーったく伸びないとか。これ以上は来週、投稿開始前に設定した数字の発表と合わせて書きたいと思います。
 当作品『信忠 ~“奇妙”と呼ばれた男~』につきましては、今月29日より開催されます『カクヨムコンテスト10(エンタメ総合部門)』へエントリー致します。読者選考のあるコンテストですので、皆様より温かい支援を賜りますよう伏してお願い申し上げます。
 それと、これはサプライズになりますが――近々、『カクヨムコンテスト10【短編】』へエントリーする作品を投稿予定です。作品自体は打ち込み・文字数調整も既に完了しており、あとは投稿を待つのみの段階となっております。乞うご期待!

 それでは、失礼致します。

 佐倉伸哉

2件のコメント

  • 偉大なる父を持つ2代目。自分が平凡であることを自覚している2代目。そしてあまりにも優しい2代目。いつしかこの信忠に惹きつけられていました。本作の信忠が、信長の後を継いで、天下人となった世界を見てみたいものだとも思いました。

    しかし、史実がわかっているだけに、その悲劇的破滅に近づくにつれ、胸が苦しくなりました。

    ただ1つ救いは、最後の最後に、武田の松姫と心を通わせることができたこと、そして松姫の命を救うことができたこと。彼女とのエピソードが清涼剤となったかと思います。

    楽しませていただきました。ありがとうございます。
  • 完結おめでとうございます。
    多くの方々によって投稿されている多くの歴史if作品と異なり、一人の優しい男の成長記録に魅了されました。
    史実では出会うことのなかった松姫と過ごした短い期間のエピソードは、変の時期を知っていただけに暖かい気持ちと悲しい想いが複雑に混じりながら拝読させていただきました。

    ここ数日、この作品が更新されることを楽しみにしておりました。素敵な作品、ありがとうございました。
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