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【海が太陽のきらり】フレーズ品評会会場

今年も「筆致は物語を超えるか」について、フレーズ品評会を開催いたします。

これは本企画を読んだユーザーが、「この表現が良かった!」「このフレーズがロマンチック!」「こういう表現方法があったのか」という部分を抜き出し、掲載することで共有するものです。
共感できるものには、レスしてもいいですし、重複している部分を再度おすすめしてもOKです。

以下のテンプレートに従って、作者様のフレーズを抜き出してください。

テンプレート

作者名:
ポイント:
リンク:

(記入例)
▶僕は一生忘れることは無いだろう。忘れることは、許されないだろう。
 (→できる限り、フレーズで抜き出す)
作者名:ゆあん
ポイント:陽子が真実を告げたシーンでのこれ。主人公が見たシーンの印象の深さが、伝わってきます!
リンク:(任意)


それでは、盛り上がっていきましょう!

13件のコメント

  • ▶陽子の慌てた声と水飛沫の音が、一瞬にして波に飲み込まれる。コポコポと、籠もった泡の弾ける音が聞こえた気がする。
    作者名:えーきち様
    ポイント:この表現は、直前の音を切り取ったように感じました。
    この作品、さり気に五感総てで表現されているのです。

    ▶海の中を鮮やかに照らす光の中に、オレは陽子の面影を垣間見た。
    作者名:えーきち様
    ポイント:カメラが中心となる物語であるにも関わらず、最も美しい場面がカメラで撮影出来ないという不思議。
    きっと海斗君は、心でシャッターを切ったことでしょう。
    脳内プリントは、陽子ちゃんの面影までばっちり写っています。イェイ♪

    えーきち先生にメッセージ💌
    陽子ちゃん(祥子ちゃん)は、海斗君のこと好きなんだから、水着姿のおっぱい見られたくらいでビンタしますかね?

    改善案です(改悪案か?)
    ―――ラストシーン間際―――
    陽子ちゃんと再会したあと、2人で海に向かう。一歩先行く陽子ちゃんを追いかけようとした海斗君は、海藻に足を滑らせ、不可抗力で(ここ大事よ!)、後ろから陽子ちゃんのおっぱいを鷲掴《わしづか》んでしまい……ビンタ💥

    ラブラブカップルに限って言えば、おっぱい鷲掴みとビンタの交換はアリかと。
    おっぱいの『もにゅっと』感と、平手打ちの『バチンッ』と感が、触感のコントラストになってて良いかと思います(五感総てで作品表現)。

    言っとくけれど、そこの男子諸君。
    恋人とか配偶者以外のおっぱい鷲掴みにしたら、打ち首獄門だからね?(さり気にエロースぶっ込んでます。気付く人だけ気付け〜★)
  • ゆきちゃん様
    ありがとうございます。
    陽子は恥ずかしがり屋ですから。
    ほら、だって、ねぇ(笑

    改善案ですか、それ!?
    本作以上にやっちまった感がバリバリなんですけど(笑
  • 竹神チエ様
    『水が流れ込む。目がちかちかした。のどが潰れる。
     暗い。目を開けているのか閉じているのかわからない。
     意識が遠のく中、風が吹いたように海中に波が起こった。
     頬になにかが当たる。
     髪のように思えた。長い髪。からむように頬をなでる』

     長い文章と短い文章で抑揚をつけるだけでなく、上記のように短い文章を連続させて緊迫感を出す手法は好きです。
     これって、バランスなんですよねぇ。

    『マナティ体型の祖母の背がある。』
    人魚にかけてマナティを持ってくるあたりが竹神様のセンスなんだよなぁ。
  • 吉岡梅様
    『わたしが海の中で一番好きなのはへそだと思います。それもすごく。』

     最初の一文の爆発力よ(笑
     他、この作品は徹底した「」の排除でお伽噺のような手法を取っているのが印象的でした。語り手に人間ではない不思議な感情が読み取れるのも面白かったです。
    『無理やりというのは、駄目なのです。よくない。』とか『お互いにごめんなさいと謝って仲直りしました。だいじ。』とか。
  • お邪魔します。ゆあん様、参加者の皆さま、楽しい企画をありがとうございます。
    早速、現時点で「フレーズ評価OK」タグの付いているお話の中から、私的にいいなあ、と思ったフレーズを。
    長くて失礼いたします。

    作者名:九一七さん
    ▶ 海斗は叫んだ後も、しばらく辺りを見回していた。そこにはただ、波音だけが響いている。
    ポイント:海斗が呼びかけ、陽子が答える(かのような)やり取りが続いた後の一文です。ああ、実際には、陽子はもういないんだな、という事が突きつけられて、せつなくて好きです。なんなら、ここでお話が終わってもいいくらいグッときました。

    作者名:蜜柑桜さん
    ▶ 冒頭「雲ひとつ」~「自分でも気付かぬうちに、海斗は息をするのも忘れていた。」の個所の海の情景描写。
    ポイント:舞台の情景だけでなく肌触りや音までもが広がってきて、うはー気持ちよそうーと思いました。ちょっと圧倒的で、大好きです。

    作者名:竹上チエさん
    ▶ かつて幼い日に海で溺れかけたことが原因でもないわけでもなかったが、もっと知的な理由で「泳がない」のだと、彼は自分自身に言い聞かせていた節もある。
    ポイント:祖父(海斗)に関する一文です。ユーモラスで、おっ、さてはコイツ面倒くせー奴だな眼鏡クイってやってそう、という感じで好きです。

    ▶ その場所では、今日が永遠に続く。明日はこない。
    ▶ ここにある明日は時は止めまま、二度と自分を迎えには来ない。
    ポイント:「あちらの世界」の表現です。「死」と言われるよりも、置いて行かれる感が強くて怖くてスマートでいいと思います。

    作者名:いいの すけこさん
    ▶ 光は海斗を海上へと導くけれど、差し伸べられる手は、もうない。
    ▶ だけど。
    ポイント:1年後に思い出の場所を再訪した海斗が飛び込むシーンの一文です。
    同じシーンを繰り返すのだけど、状況や心境が変わっているという対比が出て、すごくグッときて好きです。
    「だけど」でいったん止めて、読んでいる方に自然に考えさせるのもいいと思います。

    作者名:偽田中一郎さん
    ▶ 同じ世代くらいの女の子だった。薄手のワンピースを着ているように見える。何の気なしに眺めていると、背中のホックに手を伸ばした。
    ▶ えっと思うと、背中が露わになる。体が肌色に染まっていく。何の躊躇いも感じられない勢いで、下半身も露出されていく。
    ポイント:陽子との出会いのシーンの1文です。健全にエロくていいと思います。

    ▶ 「学校でね。私、無視されているんだ」
    ポイント:海斗の相談を受けての陽子の一言です。万能の救いの女神的な役割かと思っていた陽子が、同じ悩みを抱えるひとりだった、という方向への転換になっていて、えっ、と思わされました。

    作者名:暗黒星雲さん
    ▶ こんな状況で戦えるのか。
    ▶ そもそも、戦闘用人造人間に恋心など芽生えるのか。
    ポイント:機械(AI)と感情というテーマだったんだという事が端的に表れてて好きです。

    ▶ 「人型機動兵器《《グリフォン》》025発艦します!」
    ポイント:ルビはロマンです!こういうの大好きです。

    作者名:藪坂さん
    ▶ と、そのセリフの途中で。陽子はその身を宙へと投げ出した。
    ▶ 夏の太陽。白く輝く、雲と砂浜。どこまでも蒼い、空と海。そしてその中を、気ままに楽しそうに踊る陽子。
    ポイント:崖から陽子が飛び込む際の一文です。問答無用でヒャッハーと行ってるような疾走感と楽しさが好きです。

    作者名:鎖えいしさん
    ▶ それらはあなたが写真や映像から知る世界と大差ない、美しい世界だ。化物の口の中ではより美しく見えるだろう。恐ろしいものは美しいものだ。
    ▶ あなたは酸素を求めて海面に顔を出そうとするが、呑み込まれずにそれが出来るのは、単に化物が気まぐれで嚥下を止めているからに過ぎない。
    ポイント:海斗が海に潜った時の一文です。お話の世界観というか、雰囲気というかの方向性が出ていて好きです。

    作者名:えーきちさん
    ▶ 僅かに潤んで見える大きな瞳と桜貝のような可愛い唇。刺すような日差しと吸い込まれる様な青い空と、目に沁みる青い海の煌めきと、水着から覗く膨らみ。とても柔らかそうな、ふたつの膨らみ。
    ポイント:出会いの際の一文です。「説明」の描写って入れすぎるとわざとらしくなるので、どれくらい入れるか悩ましいのですが、過剰に説明して笑いで落としていて、説明できる上に説明臭さも昇華できていて凄いなあ、と思いました。

    作者名:オレンジ11さん
    ▶ 足元では小さな魚たちが慌ただしく向きを変え、ヤドカリは岩の下にそっと身を隠した。
    ポイント:舞台というか、世界というか、現実感が出て好きです。ヤドカリ可愛いですし。

    ▶ 数日たつと、それまで二人の間に陣取っていたマサルは、焚火を挟んで向かい側に座るようになった。
    ポイント:関係が進展したことをビジュアルで表した1文でいいなあと思いました。マサルいい奴ですし。

    ▶ 二人は海面に吸い込まれた。着水の音はごくわずか。彼らが上げたしぶきとともに、波に溶けた。
    ▶ 岸に向かってゆっくりと泳ぐ二人を、岩の上からウミネコが見下ろしている。
    ポイント:2人が飛び込んだ時の1文です。徹底的に「傍観者」目線を貫くことで、ラジオドラマのような語りの雰囲気が出て好きです。ウミネコ全部知ってそうですし。

    作者名:ゆうすけさん
    ▶ 俺は夕陽に染まり始めた海に向かって絶叫した。
    ▶ 「メグーーー!!好きだああああーーー!!帰ったら告るから、待ってろよーーー!!」
    ポイント:海斗の考えが固まる際の1文です。ド直球で勢いがあって好きです。凄くテンポのいいお話の中でも、ひときわ疾走感が出ていてちょっと笑いになる感じもいいなあ、と思います。

    作者名:達見ゆうさん
    ▶ 法要を終えた後の親類達の酒盛りと生々しい相続の話を聞きたくない俺は「課題があるから海でいろいろ採取する」と嘘をついてこの浜辺に来た。
    ポイント:冒頭近くの一文です。田舎の法要あるあるで、わかりみが深くて好きです。

    ▶ 彼女は俺を振り払い、走り去っていった。
    ▶ 藍鉄鉱の煌めきと海の煌めきだけが残された俺を照らしていた。
    ポイント:別れのシーンでの1文です。綺麗で好きです。藍鉄鋼のきらめきが、ゆっくり消えていくような描写があってもいいのかなあ、なんて思います。
  • もしかしたら抜けがあるかもしれませんが、個人的に印象に残ったフレーズたちです\(´ω` )/
    ▶︎宙に浮いてる岩をさらりすらりと避けていき、舞うように一緒に泳ぐ。ぎりぎりのところで避け、横を通り抜けていく障害物。それを早くやっていくと、その星のような障害物たちが今度は川みたいな線を作る。
    作者名:アオカラさま
    ポイント:宇宙のそらを泳ぐシーン。情景がきらきらと目に浮かんできます。川みたいな線をつくる、っていう言葉、とても好きです。すっと光る感じなのかな…。綺麗です。

    ▶ わたしたちは好きになると、溶けあって混ざり合って、境目が曖昧なひとつになってゆきます。だけど、おとこの人やおんなの人の好きは違います。相手と自分をはっきりと分けて、お互いを認め、求め、与えます。決して混ざらないけど、寄り添うのです。
    作者名:吉岡梅さま
    ポイント:正直にいうと全てのフレーズが好きなのですが、その中でも印象に残っていたのがこれです。決して混ざらないけど、寄り添う…。素敵です。リア充っていいですね。

    ▶︎ 水が流れ込む。目がちかちかした。のどが潰れる。暗い。目を開けているのか閉じているのかわからない。意識が遠のく中、風が吹いたように海中に波が起こった。
    作者名:竹神チエさま
    ポイント:一瞬一瞬の描写が、お見事です。連続して書くことで、苦もなくすっと頭の中に海斗の様子が伝わってきます。とても勉強になりました。

    ▶︎ 何の気なしに眺めていると、背中のホックに手を伸ばした。えっと思うと、背中が露わになる。体が肌色に染まっていく。何の躊躇いも感じられない勢いで、下半身も露出されていく。
    作者名:偽田中一郎さま
    ポイント:陽子さんと海斗くんの出会いのシーン。これを読んでドキドキしない人、います?海斗くんと一緒に覗いている気分になります。好きです。

    ▶︎ 塩害対策実験は期待値以上の結果が出ました。
    作者名:暗黒星雲さま
    ポイント:ここまできらきらした青春物語だったのに、この台詞から一気に現実が襲ってきます。こういう展開、個人的に大好きなので、読んで思わずワクワクしてしまいました。

    ▶︎ チューハイの缶を呷って言う陽子。傍には、駅前で唯一のコンビニのレジ袋が置かれていた。中身は当然、まだ蓋を開けていない大量のチューハイの缶。
    作者名:藪坂さま
    ポイント:いつもはお姉さんって感じの陽子さんが、隙を見せる瞬間です。やさぐれ陽子さん、好きです。お酒飲んでやけになってる女の人って妙にリアリティがありませんか?好きです。

    ▶︎「アクアマリン。図鑑で見たんだ。ラテン語で『海水』っていう意味らしい。透き通った感じがそっくり。昔の人、絶妙なネーミングだな」
    作者名:オレンジ11さま
    ポイント:宝石のような海、がわたしの語彙力の限界です。ラテン語で海水…!こんな雑学をさらりと台詞の中に盛り込んでくるの、かっこよすぎません?わたしも今度日常生活で言おうと思います。
  • ふづき詩織さんの描写がすごすぎて。
    全編にわたって素晴らしいキレ味の描写が続いて、どれか一文とか上げられませんでした。
    私もああいう描写してみたいです。
  • こんにちは。カクカクはまだなのですが、ヨムヨムさせてもらったので、ひとまず置きにまいりました。


    ▶わたしの耳は本当にどうしようもないほどの騒音を捉えた。
    作者名:かいるさま
    ポイント:本当にどうしようもないほどっていうのが伝わってきました。

    ▶どうせごめん、とかだろう。許さん。
    作者名:かいるさま
    ポイント:テンポが最高です。

    ▶ワンピースは少し大きかったけど真っ白です。かわいい。
    作者名:吉岡梅さま
    ポイント:そういうあんたがかわいいよ。

    ▶そんなの初めて。
    作者名:吉岡梅さま
    ポイント:ぐはあ(鼻血)

    ▶おとこの人って、そういうところがあるよね。
    作者名:吉岡梅さま
    ポイント:淡白な諦念に溢れてて切ない。

    ▶海も、海の太陽のきらりも、わたしの、わたしたちの一部なのですから。
    作者名:吉岡梅さま
    ポイント:お見事なタイトル回収。素晴らしすぎました。

    ▶その飛沫の白珠しらたまが陽光に反射して海面を飾る。
    作者名:蜜柑桜さま
    ポイント:「飾る」って表現がいいですね。

    ▶照明の電球のガラスが朝の光に光っていた。
    作者名:蜜柑桜さま
    ポイント:海斗の視界がそのまま再現された感じ。いいですね。

    ▶祖父は人魚を見たことがあるという。
    作者名:竹神チエさま
    ポイント:冒頭のこれでぐっと引き込まれました。

    ▶畑を荒らして回るのが最高の悪事だと思っているような輩たちばかりだ。
    作者名:竹神チエさま
    ポイント:舞台の背景がめっちゃ伝わってきます(笑)

    ▶いつも祖父を明るく迎え入れ、爽快さで満たしてくれた。
    作者名:竹神チエさま
    ポイント:すごい。海の一面性がぎゅっと一文に詰まってる感じがします!

    ▶明るい彼女の言葉が潮風に乗って届いた。
    作者名:竹神チエさま
    ポイント:あからさまに青春な感じが爽やかです(褒めてます!)

    ▶覗き込めば透き通っているのに、ずっと奥は暗く紺色になっている。
    作者名:竹神チエさま
    ポイント:すごい。この描写も的確ですね。忍野八海の池(むっちゃ深い)を覗き込んだときの吸い込まれそうな感覚を思い出しました。

    ▶ゆっくり長く息を吐き、見上げた空。そこで、太陽はにじんでいた。
    作者名:竹神チエさま
    ポイント:「にじんでいた」だけですっごく切なさが伝わってきます。すごい。

    ▶ただ太陽を反射してきらりきらりと踊る光だけが、祖父の心を弄ぶかのように海面を彩っていた。
    作者名:竹神チエさま
    ポイント:切なーい!

    ▶なににも負けてないと、そう思った。
    作者名:いいの すけこさま
    ポイント:彼女の魅力が溢れてくる一文ですね。

    ▶ 瞬間、一切の音が遠のいた。蝉の声も、母たちの会話も聞こえない。
     代わりに潮騒が、海斗の頭の中に鳴り響いていた。
    作者名:いいの すけこさま
    ポイント:ここ、映像並みにインパクトがありました。上手いです。ありがちな表現だからこそ、繰り出すタイミングが大事になってくるけど、ばっちりでした。

    ▶熱くなる目頭を押さえる。もう歩けなくなりそうだった。(からの、数行を経て)
    涙が止まらなかった。
    作者名:いいの すけこさま
    ポイント:なんかもう、なんかもう(/_;) センテンスの操り方が上手ですよね。

    ▶降ってくる光の中に、手を伸ばしてくる人がいた。
    作者名:いいの すけこさま
    ポイント:ここも映像が浮かぶようでした!

    ▶「これが僕の実力さ」
    「うふ。教えがいがあるわ」
    作者名:暗黒星雲さま
    ポイント:シンプルに噴いたwwww

    ▶代わりにおれを、傍に置けよ。
    作者名:藪坂さま
    ポイント:うひょー!! 口に出してたらもっと大興奮だったのに!

    ▶さらりと、夜風のように笑う陽子。
    作者名:藪坂さま
    ポイント:ステキな表現!

    ▶おれも夏に身を任せよう。
    作者名:藪坂さま
    ポイント:ナニカこう、アバンチュールな響きが……え、違う?

    ▶言葉以上に、その光景と陽子は似ていたのだった。
    作者名:藪坂さま
    ポイント:「陽光」と「陽子」のひっかけ。すごい閃きですね。

    ▶バスは時折、カテーテルのような短いトンネルをくぐり、あなたを寒村へと運ぶ。
    作者名:鎖えいしさま
    ポイント:この比喩には目からウロコでした。

    ▶不用意に笑うと罰せられると思っているような表情
    作者名:鎖えいしさま
    ポイント:古い写真の中の人たちの顔ってまさにこんなですよねえ。すごい。

    ▶水着から覗く膨らみ。とても柔らかそうな、ふたつの膨らみ。
    作者名:えーきちさま
    ポイント:強調せんでもよろしい。

    ▶遅れてきた痛みに頬を押さえ、
    作者名:えーきちさま
    ポイント:リアル

    ▶「海の楽しさを知らない人が撮った写真って、それはいい写真なのかな?」
    作者名:えーきちさま
    ポイント:深いです。

    ▶太陽がなければ海は表情を作らない。
    作者名:えーきちさま
    ポイント:かっこいい。

    ▶数日たつと、それまで二人の間に陣取っていたマサルは、焚火を挟んで向かい側に座るようになった。
    作者名:オレンジ11さま
    ポイント:マサル……恐ろしい犬ッ。

    ▶「陽子」と静かに口に出し、仰向けになってその身を波に任せ、静かに目を閉じた。
    作者名:オレンジ11さま
    ポイント:「静かに」って表現が端的でいいです。

    ▶俺はむやみに腕を動かしながら
    作者名:ゆうすけさま
    ポイント:「むやみに」って表現がすごく効果的。

    ▶慌ててアイスの棒でそれを口の中に押し込む。
    作者名:ゆうすけさま
    ポイント:おお、細やか。棒アイスあるあるですね。

    ▶ただ照り付ける太陽が、波音の響く中、俺のビーサンを焦がしていた。
    作者名:ゆうすけさま
    ポイント:ここ、映像が浮かんできました。

    ▶『俺と一緒に人生を泳いでくれ!』
    作者名:ゆうすけさま
    ポイント:すみません。噴きましたwwww

    ▶1年ちょっとぶりに嗅いだ家の匂いに張り詰めていたものが緩むのを感じる。
    作者名:荒巻へもんさま
    ポイント:そのおうちだけの匂いってありますよね。心情がすごく伝わってきました。

    ▶おだやかな波に背中をあずけて、陽子はゆらゆらと海に揺られていた。
    作者名:野々ちえさま
    ポイント:この一文だけで状況がわかっちゃう。上手いです。

    ▶どちらからともなく指先をからめて、引き寄せあって。
    作者名:野々ちえさま
    ポイント:私、指先をからめる、って表現好きなのですよね。エッチくて。(聞かれてない)

    ▶ 五年前より広く見える。
     海斗の背中がかすかに揺れて。
     振り返ったその目が見ひらかれて。
     そして、くしゃりと笑みくずれた。
    作者名:野々ちえさま
    ポイント:ステキすぎ~。モジモジくんな海斗がいい男になった感が溢れてます(勝手に興奮)


    とりあえずここまで。投稿順に拝読してるので、いずれまた追加にまいります。
  • ▶人はどうしてそうありたいと思う時に、その成熟さを得ることができないのだろう
    作者名:新巻へもん様
    ポイント:思春期を思い起こす度に感じるこのやりきれなさを、こんな形で表現できることにショックを覚えました。してやられた感があります。今のところのベストフレーズです。
  • ▶海も雲も灰色だ。薄茶色の砂浜に、貝の屍が波の形を描いていた。潮に摩耗されて角の取れたガラスの欠片が、光を反射してキラキラと輝く。それを覆いつくすように、ゴミや海藻が浮力相当の位置に漂着して歪な筋を描いていた。
    作者名:ふづき詩織さま
    ポイント:おお! となりました。まんまリアルな海の描写。お見事です。

    ▶しかし青年は恍惚として海を眺めておった。
    作者名:蜜柑桜さま(二作目)
    ポイント:魂を抜かれちゃった感がありありと……。コワカッタデス。

    ▶彼の夏の予定は穢れなき白に染まっていた。
    作者名:ふづき詩織さま(二作目)
    ポイント:「穢れなき白」をこれほど哀れに感じたことはないです(T_T)

    ▶健気な電動下僕
    作者名:ふづき詩織さま(二作目)
    ポイント:センスのかたまりですわ。

    ▶彼女の身体は魚雷のように水を切ることができる一方で、発泡スチロール並みに水に浮くのだ。海斗とは根本的な体の造りが違う。
    ▶口を尖らせてツンと上を向き、なで肩越しに海斗を振り返った。
    ▶陸上では全く不自由だった。不器用に逃げ惑う姿は非常に愛らしいが、
    ▶陽子は照れたように視線を逸らすと、不器用に走り出した。お尻をぷるぷる揺らす姿に、海斗は思わず笑みを漏らす。
    作者名:ふづき詩織さま(二作目)
    ポイント:????となっていく陽子の描写がお見事かつ可愛くて萌えました。

    ▶ふにゃり、と柔らかい陽子の唇、首から伝わる陽子の鼓動、
    作者名:かいるさま(二作目)
    ポイント:作品全体に漂う陰鬱で、それでいて鈍く光が透かし見えるような、そんなエッセンスを凝縮させたシチュエーションとフレーズだと思いました。

    ▶音のない、静かな雨。
    作者名:その辺の吉田さま
    ポイント:光を「雨」。ありそうでなかった表現だったので、おおっとなりました。

    ▶海の色は複雑だ。潮目によって色味が微妙に違うし、波打つ海面は陽の光を乱反射する。
    作者名:lagerさま
    ポイント:だよねーと思えるリアルな表現です。

    ▶滑らかに水を蹴る足。波打つ体。
    ▶両手に感じる、海水の抵抗感。体を包む浮遊感とスリル。陽射しの熱と、海水の温度のコントラスト。
    作者名:lagerさま
    ポイント:泳ぎの描写はみなさん苦労されたところでしょうが、この表現はリアルかつ美しいな、と思いました。

    ▶その瞬間に、彼女は変わる。陸の上の恥ずかしがり屋の女の子から、人を惑わす海の精へと。
    作者名:lagerさま
    ポイント:青臭いですよ、これ。青臭ーい。

    ▶「絶対に見つけるさ……俺の人魚姫」
    作者名:無月弟さま
    ポイント:かっっこイイ!!! 惚れた。



    今回は「明日の黒板」よりも参加作品が多いのでしょうか??
    多種多様なお話が集まって面白いです! そしてみなさん多才で羨ましい……。
    完結待ちの作品もありますし、まだ増えそうで楽しみです。
  • ▶それでも、行き先がちゃんと決まっているのは羨ましくも思えた。
    作者名:文長こすとさま
    ポイント:主人公が何か迷ってるふうなのが伝わってきます。うまい。

    ▶蜘蛛の巣とパキパキに乾き切ったプランターに囲まれて何の物音もしない民家
    作者名:文長こすとさま
    ポイント:あるある。こういうリアルな描写、嬉しくなります。

    ▶余計かどうかを決めるのは、親や周りじゃなくて、自分自身がどう感じているかの話なんじゃない?
    作者名:文長こすとさま
    ポイント:名言ですね。

    ▶この太陽をもう少しだけ楽しんだら、僕の海へ泳ぎ出ることにしよう。
    作者名:文長こすとさま
    ポイント:とっても素敵な締めでした!

    ▶均一に青く染まった空に、海から湧いた入道雲が白い手を伸ばした。
     青空を乞うように。
     太陽に恋うように。
    作者名:紺藤 香純さま
    ポイント:とてもしっくりくる表現、海斗の内面とリンクしてるのですよね……?
  • 楽しませてもらっています。現時点での参加作品49作、すべて読ませていただきました。どの作品も面白くて、刺激を受けました。その中でも特に印象に残ったフレーズ、書き出してみます。

    ▶こぽりと、海斗の口から真っ白な気泡が漏れる。ふわりと浮かんだ水泡は、陽子の美しい肢体を撫でていった。それがひどくいけないことのような気がして、けれど海斗は目を離せない。
     は、ともう一度、海斗は気泡を吐く。揺らめく光の中で、泡は陽子の唇をなぞる。
    作者名: 湊波 さま
    ポイント:水中で男の子の口から出た気泡が女の子の体を撫で、唇をなぞる。こんな表現、私は初めて見ました。すごくチャーミングで同時になまめかしくて、ドキドキします。これ、映像で表現するのは恐らく無理。アニメでも難しいかも。小説にしかできない素晴らしい表現だと思います。

    ▶返事の文面を打つ海斗の頭上を飛び越えて、真っ白なカモメが海に向かって羽ばたいていった。
    作者名:湊波 さま
    ポイント:ラストの一文。一見、取り立てて特別な印象は受けないかもしれませんけど、スマホの画面から海斗、空、そして海に向かって飛んでいくカモメへと、視点(カメラ)がミクロからマクロへ、ダイナミックに移動していく素晴らしい表現だと思います。まさに映画のラストカットのよう。さらに、これまでにちゃんとカモメが出てきている(海の映像にカモメの鳴き声が入っている)という芸の細かさ。素晴らしいです。

    ▶あまりに酷いので頭にきてかみ砕いたのですけど、おとこの人は筋張っていて、お魚以上に骨が硬くて、しかもおいしくありませんでした。せつない。
    作者名: 吉岡梅 さま
    ポイント:吉岡梅さんの作品は、もう大好きなフレーズばかりで、すべて対象にしたいくらいです。挙げだしたらきりがないので、一番特徴的な、ようこちゃんのしゃべり口調を。〇〇でした。△△。あーもう、むっちゃかわいい。自作の登場人物に真似させたい。あと、上に挙げたように人間とは相いれない存在の残酷さがキュートな口調の中に混在するところもいいです。素晴らしいです。

    ▶微粒の泡たちが、まるで息継ぎするように、楽しくてたまらないように、水面の光へと帰って行く。僕らの身体も同じ原理に従って、目の眩みそうな水面に近づいていく。僕らもそこへ帰っていくみたいに――。
    作者名:文長こすと さま
    ポイント:このリズム感。いいですよねー。「ように」「ように」「行く」「いく」「みたいに」。文末の員の踏み方も素敵です。全体を通して淡々とした物語の運び方なので、物足りなさを感じた読者の方もいたかもしれませんけど、とても丁寧な表現を積み重ねられているので、じっくりと上記のような表現を味わってほしいなーと思いました。

    ▶万物に成長を施す南方大気が衰え行く土用の目前。それでも地表を覆う熱は息詰まるようで、海上を吹き渡る風さえ熱波に変わる。太陽は攻撃的になったと、人はうんざりした顔をする。お日様は何も変わっていないのに。
    作者名:奈月沙耶 さま(一作目)
    ポイント:冒頭部分です。私はこの文章、けっこう好きなのです。ん? これ誰の視点? ってなりますよね。地の文にしてはどこか特別な人格を持っていそうな感じ。さらに、人間よりも高次の存在のような感じがします。この文体の特徴が実は伏線になっている。考えられてるなーと思います。

    ▶自分がいつ何処で生まれ出たのか海斗は知らない。気付けば、兄弟らと共に都の路上で暮らしていた。
     時に日照りが続き、稔りのないまま人々は飢えた。大地も空気も乾き、幾度となく大火が都を襲った。混乱の中で兄弟たちとも離れ、都大路の白壁に凭れて今にも黄泉路に至ろうとしていた海斗の前に、さる聖がやって来た。
     ――なるほど。水の相がある。
    作者名:奈月沙耶 さま(二作目)
    ポイント:実質的な物語のスタート地点の文章です。ちょっと長いですけど、むっちゃ好きな文章なので。~た。~た。という事実を客観的に述べる文章の連続から、ポン、と聖の言葉へと飛ぶ。このリズムの崩し方。うまいです。これ、普通だと「さる聖がやって来て、言った。」とか「さる聖がやって来てこう言った。」とか書いちゃいそうですけど(たぶん私ならそう書く)、奈月さんは「やって来た。」で止めるんですよね。これ、大きな違いです。こうすることで、次の「――なるほど。水の相がある。」との表現上の距離感が開いて、聖の言葉が強調されます。さすがです。私は奈月さんの歴史物の文章の大ファンなのですけど、この二作目ではその文章を堪能できます。じっくりと味わってほしいです。
  • ▶光が揺らめき、その中に溶け込んでいく。彼女が太陽そのものになる。
    作者名:黒中光さま
    ポイント:美しいですねえ……

    ▶女はふにゃりと微笑んで
    陽子はにへりと笑って、
    作者名:Han Luさま
    ポイント:ぐいぐい来る一人称の文章とか絶妙な会話とか、とても抜き出せない量なので、ここってポイントだけ。他にはない陽子を特徴づける笑い方。私はこういうの可愛いと思いますけど?

    ▶確かにうちも、最初は怖かった。
     やけど、ちょっと勇気を出したら、ガラリと世界が変わったんや。
     海斗さんにも、それを味わって欲しい。
    作者名:一視信乃さま
    ポイント:いかに海斗を飛び込ませるかも、みなさん苦心されたところでしょうけど、根本はこれ、ですよねえ。素直さにやられました。

    ▶ターコイズブルー(明るい緑みの青)、アクアマリン(つよい青)、ウルトラマリン(こい紫みの青)、プルシャンブルー(暗い紫みの青)。
    作者名:一視信乃さま
    ポイント:日本の重ねの色目名(はなだ、あさぎなど)もそうですけど、色の名前って美しいですよね。

    ▶膝に手を置き息を整えながら、濡れた前髪をかきあげる。
    作者名:泡沫 希生さま
    ポイント:ニヒルな海斗くんの一人称にドキドキしてたところにこの仕草で、ずきゅんとやられました(大丈夫かー)
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