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筆致は物語を超えるか【雪を溶く熱】フレーズ品評会会場

筆致は物語を超えるか【雪を溶く熱】のフレーズ品評会会場です。

作中、優れた描写を発見した際に、こちらにご報告下さい。
なお抜き出す前に、作品タグに「フレーズ評価OK」のタグが追加されていることをご確認下さいませ。

また、連投OKです。ひとつに纏める必要はございません。
また他作者があげた内容にたいしてコメントもOKです。
作者指定の際は、
>◯◯◯さん
をお使い下さい。


テンプレート
■作者名
▶フレーズ
→コメント

テンプレート(記入例)
■ゆあん
▶水の結晶体が白く見えるという現象は、つまる所そういうーー
→美冬の気持ちを良く表しているなと思いました

8件のコメント

  • ■竹神チエ様

    ▶と、美冬がサンダルを履き、クロをまたごうとしたところで玄関戸はぴしゃりと閉じた。すぐに「あのさ」と開けたが、外には月光を浴びる白い雪が、パウダーを降ったように積もる庭があるだけ。不思議と足跡もなく、秋人の姿はどこにもなかった。

    →ホラーな感じが出ていて、美しさもあり、とても素晴らしいと思いました。

    これは第2話なのですが、美冬と秋人の会話が楽しくて、とても癒される内容で、
    そのあとのホラーで、上の文章で第2話が終わるのですが、上手い終わり方だなと思いました。

    楽しかったあとの、ホラー、不思議で美しい感じ
    というのが、とても魅力的だなと感じました。

    この作品、ジャンルは現代ドラマですが、不思議な話でもあって、
    個人的に美しいホラー、美しい不思議な話が好きなので、とても好きだと思いましたし、
    ここが物語の不思議さのピークというか、
    第2話の、このシーンまでが、心温まる愛を感じる流れだったので、
    それがホラーになり、でも、怖くはなく、美しいお話だなと思う流れで、
    とても心に届き、しあわせな気持ちで満たされました。

    とても素晴らしいと思います。
  • ■竹神チエ様

    ▶雨上がりだろう空に、虹が幾重にもかかっていた。ひとつふたつではない虹のアーチはどこが互いの区切りなのかわからないまま色を重ね、変化させて伸びている。美冬は通話ボタンを押した。春樹は待っていたかのようにすぐに反応する。
    「あのさ」
    美冬は歩きながら話した。月が輝きは始めている。
    「この前、不思議なことがあってね。夜中に目が覚めて――」

    →これは最終話の、最後の部分なのですが、
    最終話で、わたしは過去を思い出し、涙しました。
    そして、泣きながら最終話を読んでいたら、
    この文章で。

    泣いている時は、過去を思い出しながらだったので、
    じっくりと、文章を、感じられなかったのですが、
    落ち着いてから、また、読ませていただいて、
    ああ、綺麗だなと感じて、しあわせな気持ちになりました。

    チエさんは、才能があると前から感じていました。
    それは、文章に、エネルギーがこもってるというか…

    ただの整った、綺麗な文章だけど、作者さんの想い、感情、エネルギーが感じられない作品も多いのですが、
    チエさんの作品は、そうではないというか、
    しっかりと、何か、エネルギーがこもっていることが多く、
    そういう作家さんの作品が個人的に好きなのですが、
    今回は、わたしの過去の体験とシンクロしたというか、
    ある人を思い出して泣いて、でも、魂が救われたというか、
    救い、癒しを感じて、解放されたような気がしました。

    1つ前のコメントも、今回も、長くなりましたが、
    心に届く作品で、そして描写も美しく、素晴らしい作品でしたし、
    こちらで紹介させていただいたフレーズが、特に素敵だと思いました。
  • ここまでたくさん読ませていただき、それぞれに素敵なところがあり、言いたいことがたくさんありますが、それは皆様にお任せして、あまりに印象的で忘れられないフレーズを一つあげることにしました。(この作品は読めば読むほど味わい深く、いろんな仕掛けと研ぎ澄まされた表現に唸るばかり。そして何度読んでも泣けます。)

    ▪️泡沫希生様
    ▶︎前を開けたままの、親父の黒いコートの裾が風で揺れている。
    →物語の中で挿入された、この、たった一文が強烈に効いていて、これだけで、「親父」の容姿が見えてしまいました。あれこれ描写しない方が効果的なこともあるのですね。
    これまでの「親父」の長い人生での経験による、実力、悲しみ、心の強さ、哀愁などまで感じさせてしまうなんて、本当に凄い! こんな表現ができるようになりたいです。真似させていただきますm(_ _)m真似できるものなら……ですが。
  • まだまだ御目通しできていない作品がいろいろあります。
    もう30作品ぐらいは読んだはず、と思っていましたが、きちんと確認するとまだ20作品も読めていませんでしたorz
    これから何度も投稿させて頂くかも知れませんが、第一弾としてHan Lu様の作品から失礼します。


    ■Han Lu様

    ▶「あの呼び鈴、まだ壊れたままなんだな」

    →秋人との出会い頭に本当にさりげなく挿入されているのですが、美冬と秋人が近所の昔なじみという関係性が一発でわかる、秀逸な描写(設定)だと思います。
     これをムダなくムリなくさりげなく差し込める、しかもこういう細やかな視点を感じる表現が随所にちりばめられているのがHan Lu様の感性とセンスで、この作品に高い芸術性が感じられる所以なのかな、と思います。


    ▶「私たち、幼馴染三人がさ、こうやってぐっちゃぐちゃな関係になっちゃってるのに、親たちはそんなの我関せずって感じで、普通に仲良くやってるんだもん。」

    →秋人と美冬の、軽妙でリラックスした掛け合いが続いてきた中で、
    「こうやってぐっちゃぐちゃな関係になっちゃってる」という苛烈なワードが突然放り込まれて、「え? そういう関係?」と思わず目が覚める思いがしました。
     ここまでしっとりと洒落た雰囲気で進んできたのに、現実のいや~な生々しさがこもったこのフレーズが、ぽんと「置き石」のように綴ってあるのです。
     万が一、私がこういう展開や人物・関係性の設定を思いついたとしても、「ここでこんな強い言葉を使うのは恐い、そんなことようせん」と絶対尻込みしてしまうと思います。
     でも、この一文で一気に作品に引き込まれました。私にはまねしようと思ってもまねできない言葉の選び方です。これはすごい……と本当に感じてしまった一文でした。


    ▶(略)あいつが向こうでどんなふうに生きていたのか、俺ははっきりとは知らない。幸せだったのか、不幸だったのかも知らない。ただ少なくとも、生きてたんだよな。消えてなくなったりしてなかったんだよな」
    「ごめんね」美冬は手のひらで溶けてしまった雪のあとを見た。そして、手を下ろして言った。「ごめんなさい」

    →「わかる。」と感じました(なんやそれ
     長くなりすぎるので上記の抜粋は部分的ですが、この前段の秋人の一連の言葉もそうですし、美冬がここで唐突に謝った訳とこの後に続く釈明も含めて、
    「こういう感情をこういう演出で書きたい」と自分が常々感じていることがすごく巧みに描かれていて、お手本にさせて頂きたいほどの筆致でした。
     ここで秋人と美冬が言いたいこと、伝えたいことは恐らくとてもストレートでシンプルで当たり前なことなんですけど、
    ストレートでシンプルで当たり前“だからこそ価値がある”ということを、心と納得性を込めて本気で伝えたい……という、書き手としての意思が感じられる台詞回しと描写に感じられました。
    具体的には、「ごめんね」→「ごめんなさい」という直情的な言葉をリフレインしていることや、
    秋人と美冬の台詞回しを「こういうことなんだ」と簡単に言わせるのではなくて、
    「こういうこと“じゃなくて”、こうなんだ」という言い回しをこの場面で何度も繰り返し重ねることでふたりの心と思考の“揺らぎ”を見せ、
    読み手に対してもふたりの心情が具体的に想像しやすい方向へ誘導しようという工夫と意図も感じます。
    字面だけを見ると、冷静で淡々としている台詞にも見えるのですが、恐らくここは相当な熱とエネルギーを込めて紡がれた台詞ではないだろうか……と私は感じています。


    以上、長々と失礼いたしました。色々と的外れでしたらすみません(イチ個人の感想ということで何卒ご容赦ください……)。
    しっかり読み込もうとすると、1作で何千字も書けてしまいそうですね; 他の方のはっとしたフレーズも、また寄稿させて頂きます。
  • 文長こすとさま。フレーズ評価に取り上げていただいて、ありがとうございます。

    この場所に作者が顔を出していいものがどうか、ちょっと悩みましたけど、せっかくこんなにもしっかりとした評価を頂いたので、やはり作者としても文長こすとさんの評価に対してお返事させたいただきたいと思い、少し書いちゃいます。ゆあんさまも「他作者があげた内容にたいしてコメントもOK」と言ってくださっていますし。


    ▶「あの呼び鈴、まだ壊れたままなんだな」

    →文長こすとさんのおっしゃる通り、このセリフだけで秋人と美冬の関係性が分かるようにしています。この『雪を溶く熱』は地の文で状況の説明をほとんどしていないので、二人の置かれた状況や何が起こっているかをセリフから自然に読み取ってもらえるようにしています。
     ちなみに、秋人と美冬はレギュレーションの通り幼馴染ですけど、今は美冬は実家を出て、少し離れた場所に仕事場を借りて一人で住んでいて、秋人はそこに以前一度だけ訪れているという設定です。前回尋ねたときに、呼び鈴が壊れていて、そのままになっている、ということですね。
     別にこんなことしなくても、三人称の地の文で「幼馴染の秋人が美冬の仕事場を訪れたのは久しぶりのことだった」とか書いてしまえばらくちんなんですけど、そんな説明的なことはしたくない。
     そこまで説明的でなくても、もっと簡単に、セリフで「俺、ここに来たのいつぶりだったっけ」「うーん、一年ぶりくらいじゃない?」「昔は家が近かったから、しょっちゅう会ってたのにな」的なことを書いてしまえば、関係性と状況は分かりやすく伝わります。でもこれだと、いかにも作者が登場人物に言わせているセリフという感じでわざとらしく、これもやりたくない(なぜこれらのことをやりたくないのか、説明すると長くなるので、ここでは書きませんけど)。
     ということで、まずこの部分を取り上げていただいたことに、文長こすとさんが作者の意図をきちんと読み取ってもらえていることが分かって、嬉しかったです。


    ▶「私たち、幼馴染三人がさ、こうやってぐっちゃぐちゃな関係になっちゃってるのに、親たちはそんなの我関せずって感じで、普通に仲良くやってるんだもん。」

     →この小説を前半(室内)・中盤(雪の庭)・後半(公園)と三つに分けたとすると、このセリフは前半部分のキーワード的なセリフです。実は、最初にこの小説の構造として考えていたのは、室内と公園の二つの場面だけだったのです。次に挙げてもらっているセリフも室内で処理しようと思っていました。でも、室内での秋人と美冬を書いていると、この二人、なかなか核心部分へと下りていかないんですよね。え、君らもうちょっと深い話してくれな困んねんけど……と書いていて焦りました。ええー、秋人、もう帰るんかいな、と。
     でもこれがやっぱり自然なんですよね、私の感覚では。二人は久しぶりに会ったし、倫くんの死という非常にデリケートな問題が横たわっているので、二人の会話には距離感がある。そこは仕方ない部分ではあるのです。久しぶりに会って、いきなり深い話をべらべらと話し始めるのもおかしいです。なので、これはちょっと場面を変えるなり、フックが必要かなーと思ったのです。
     なので、外で雪の上に二人で横たわって、という場面を設定したわけですけど、そこに行く前に、なにかひとつ、布石を打っておこうとして書いたのが、このセリフです。これまで三人の関係性を深く突っ込んで表したセリフは出てきてません。ただ、次の場面で出す前に、ちらっと触れておきたかったのです。
     ぽんと「置き石」のように綴ってある、と文長こすとさんが書いていただいていますけど、まさにそんな感じで書いたセリフでした。まさしく、布石、ですね。



    ▶(略)あいつが向こうでどんなふうに生きていたのか、俺ははっきりとは知らない。幸せだったのか、不幸だったのかも知らない。ただ少なくとも、生きてたんだよな。消えてなくなったりしてなかったんだよな」
    「ごめんね」美冬は手のひらで溶けてしまった雪のあとを見た。そして、手を下ろして言った。「ごめんなさい」

    →ここの秋人のセリフ(略の部分ですね)は長くて、ちょっと語りすぎちゃってるかなーと思ったのですけど、ここまでかなり抑制して書いていたし、もう二人の距離はかなり縮まっているはずなので、ここは思いっきり書いちゃっていいかなーと。
     >秋人と美冬の台詞回しを「こういうことなんだ」と簡単に言わせるのではなくて
     そうですね、セリフ回しは大事にしたいです。「こういうこと“じゃなくて”、こうなんだ」というセリフの展開は、以前別の方にも言われたことがあるので、私の傾向なのかもしれません。
     ただ、この秋人の長いセリフは時間をかけて構築したわけではなくて、結構一気にがーって書いちゃいました。
     私たちの実際の会話って、そんなにズバズバと本音や本質を喋ったりしませんよね。それはなかにはそういう人もいるかもしれませんけど。あまり仲が良くない関係なら当然ですし、逆に間柄が近ければ近いほどそういう傾向になる可能性もありますし。
     もちろん、現実の実際のリアルな会話と、小説の中のリアリティのある会話とではまた別物ですけど、読んだ人がまるでリアルな会話だと思ってもらえるような、リアリティのある会話を書きたいですよね。

    と、長々と書いてしまいました。基本的に、読んだ方それぞれの解釈にお任せしたいと思っていますけど、文長こすとさんの解釈、少なくとも的外れではありませんよ。熱がこもったフレーズ評価を頂いたこと、この場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました!
  • 楠瀬スミレ様

    こちらのノートを覗いたところ驚きました。私の作品のフレーズがあることに、今日気づきました。
    私の作品にフレーズ評価をありがとうございます。返信が遅れてしまい大変申し訳ありません。

    私がこの場面でコートを描写したのは、そもそも秋人にとって親父は嫌いな人物なので、彼の容姿について細かく説明する(描写する)ことはしないのでは、と思ったためです。
    また、私自身、親父をカッコよく描写したいという思いがあり、結果としてコートの動きを描写することに至りました。
    そのため、「親父の容姿が見えた」と感想をいただいて、この表現を選んで良かったと感じました。

    細かなところまで読んで下さり、私の文章を評価して下さり、とても嬉しいです。
    遅ればせながら本当にありがとうございました!
  • 何度も書かせて頂くかも……と言いつつ、その後書けないまま企画終了してしまいました。不覚です。。
    他の方の印象に残ったフレーズに触れる前に、日にちが空いてしまいましたがまずはHan Lu様から頂いたご返信にお返しさせて頂きます。

    >ということで、まずこの部分を取り上げていただいたことに、文長こすとさんが作者の意図をきちんと読み取ってもらえていることが分かって、嬉しかったです。
    →こちらこそ、自分の感じ方があたったようで安心しました。。!
     仰るように普通に描写や掛け合いで書いても何の問題もないところだと思うのですが、それじゃなんかつまらない、というお気持ちも非常に共感できます。
     もし自分が書いていたとしても、こういった一工夫の発想ができたらとても気持ちいいだろうな……と思いました。

    >なので、これはちょっと場面を変えるなり、フックが必要かなーと思ったのです。
    →フックという意味でも抜群だったと思います。「お、ここからちょっと意識して読まなきゃ……」という意識を持てました。
     言葉(台詞)単体のインパクトも頭に残ったのですが、もっと構成面での布石としての役割(狙い)も担っていた台詞だったのですね。。

    >「こういうこと“じゃなくて”、こうなんだ」というセリフの展開は、以前別の方にも言われたことがあるので、私の傾向なのかもしれません。
    →個人的な好みでしかないのかもですが、この言い回しすごく好きなんですよね。
     もちろん書いている時には構造の部分をどうこう意識するわけではないのですが、否定の言葉ってやっぱり力があるので、いったん否定してから本意の台詞を出すと、言葉のアクセルがぐっとかかる感じがあります。
     なので、あまり分析的にどうこうというわけではありませんが、嗜好的な部分でとても好きだなぁと思った台詞回しでした。
     仰る通り普段は本音を剥きだすことってないと思うのですが、それだけに「ガーッ」としたドライブ感と熱感がとてもよく出ていたと思います。


    改めてご意図をお伺いできて、私も「やっぱり!」とか「え、そうなんだ!」と思うところがたくさんあって、とても刺激と勉強になりました。
    ご返信で書いて頂いたHan Lu様のこだわられているポイントは個人的にも非常に共感できる部分が多いので、やり取りさせて頂けて本当によかったです。
    重ねて、ありがとうございました。

  • 連投失礼いたします。取り急ぎお二方の作品を。

    ■江戸川ばた散歩様

    ▶「どうしたんだ?」
     「え?」
      私は妻の頬に触れる。
     「私泣いてたの」
     「その様だね。感傷的にでもなった?」
     「そうじゃないわ。……そう、私ずっと忘れてた。昔彼が見せてくれたの。昔の雪の写真」

    →涙の描写を敢えて見せない、という点から、この涙の持つ不思議な印象を受けました。
     今回の企画作品は「涙」の扱いも十人十色だったのですが、上記はロケットに乗る秋人を見送る場面で美冬が流すもので、感傷的になった“のではない”けれど、涙が流れてしまうのですね。
     江戸川様のご作品の設定では、美冬と秋人は昔馴染みだけれど、恋人やパートナーのような関係ではないので、秋人に対する属人的な感情で涙する理由はないのだと思いますが、
     彼との記憶にあり、自身の人生的動機でもあった“雪の写真”を共有したことを思い出して、感情よりも先に涙が流れてしまう……という非常に繊細でエモーショナルな場面であり表現だと感じました。
     全体を通しても本当に無駄のないコンパクトにまとまった物語で、サイドストーリーの方と併せて余韻や想像の幅が広い作品だったと思います。


    ■ゆうすけ様

    ▶「内地日本の雪はね、もっとひらひらと舞い落ちるの。光も音も吸い込んで、空中で漂ってから地面にそっと降り積もるのよ。とっても幻想的なの」
     母には悪いが、大陸で生まれ育った私にとっては、まるで使命感に駆られたようにひたすら地面を目指すアカメスブルグの粉雪こそ幻想的だ。

    →私、ロシアの降雪がどんなものかは知らないのですけど、ともあれ「内地の日本人」ではなく「現地の日本人」として育ったキャラの感性やバックグラウンドを端的に表していて、こういう対比の演出はおもしろくて巧いな~と感じました。

    ▶私は再びエプロンを付けて、乱暴にインスタントコーヒーのびんを取り出してキャップを開けると、ざらざらと雑にマグカップに流し込む。そして超適当にやかんのお湯を注いだ。勢い余ってお湯が少し跳ねこぼれたが、気にしない風を装う。

    →さりげない「超適当」の表現に本当に超適当感が出ていて笑いました笑

    ▶「分かったら、帰りなさい。あ、コーヒー代置いて行ってね。慰謝料は今度にしといてあげる。でも、それも忘れちゃだめだからね」

    →元夫婦というユニークな設定の秋人-美冬のご作品でしたが、ゆうすけ様自身も手応えがあったと仰っていた通り、元夫婦のツンデレ美冬は本当にナイスなインスピレーションだと私も思いました。
     なんだかんだと秋人を詰りながら、『慰謝料は今度にしといてあげる』と「今度」を許してくれる、このツンデレさがかわいかったですね。
     多くの企画作品を拝読させて頂きましたが、キャラとしての美冬のかわいさで言えば本当にトップクラスでした。
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