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証城寺の狸囃子

 いつもは窓を全開にして勉強するが、今日はそういうわけにはいかなかった。窓を閉めていても風がビューンビュンと鳴って恐ろしかった。今いるマンションごと吹き倒されてしまうんじゃないか。雷も怖いし地震も怖い。迷いびとの防災無線も怖い。窓の外で起きること全部怖い。わたしの手に負えないし、死んでも文句は言えないから。
 
 今日はお箏を弾かなかった。代わりにというかなんというか、『証城寺のスケルツォ』を聞いている。あの、みなさんご存知、しょ、しょ、しょうじょうじ、の狸囃子を編曲したもの。聞いたことがない方、youtubeで調べたらいくらでも出てくるので、ぜひ聞いてみてください。幸せな気持ちになれること間違いなし。
 わたしは何故か小さい頃から狸囃子が好きで(変わった子!)、今でも大好きだ。訳は知らないが、泣ける。民謡で泣けるのってこの曲くらいかもしれない。サビの底抜けの明るさと、タヌキの妖しい雰囲気と、森の中に置いてけぼりにされたような物悲しさ、寂しさ、それに高音の尺八のメロディーの流れるような優美さが混在していて、感情の置き場に困ってしまう。そういう不思議な曲。早く弾けるようになりたい。
 
 

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