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くろてんゲーム化エッセイ34.世界包括神話-エジプト(2)

 皆様お疲れ様です、遠蛮です。
 本日はエジプト編(2)。イシスが女神となった原因の神話と、オシリス神話。エジプト神話は神話物語多そうで、具体的な神話となると意外に少ないです。この神はこれこれかような姿でこういう事柄を司る、ということについては微に入り細を穿ち、という感じなのですけども。ともかく、行きます。

2-1.ラーとイシスの神話
 イシスはもともと人間の女で、魔術師でした。彼女は人びとの世話に疲れ果て、神への憧れから「天の神ラーのような女神になることにしよう」と願うようになります。

 太陽神ラーは毎日天の舟に乗って天空を渡り、地平の彼方を行ったり来たりしていました。長い年月の果てにラーは年を取り、よだれをたらす老神になります。

イシスはその舟の運航路に、魔法で生み出した槍のような蛇を置きました。さて、ラーが起き、他の神々を従えて天舟を運航させると、途中で蛇がラーにかみつきます。ラーは大声を上げて叫び、ほかの神々は何事かと集まり大騒ぎにました。ラーの身には毒が回り、四肢は痺れ、「今までこんな痛みも苦しみも味わったことはない」とふるえて瀕死になります。

神々がラーの元にあつまり悲しむ中に、イシスもやってきました。「わたしは言霊で貴方を癒やすことが出来ます、わたしの言葉は命の息なので」といいますが、癒やしの代償として「あなたの本当の名前、隠された言葉を教えてください」と要求。ラーはいくつかの自分の名……「へベラーでありラーでありトゥムである」と告げますが、イシスはそれはあなたの真実の名ではありません、と。ラーの苦しみはいよいよ重くなり、ラーはイシスとともに天舟のその場から姿を消して、「ここではないどこか」で本当の真実の名をイシスに伝えました。

時が満ちて戻った(この間にラーとイシスのまぐわいがあったように思われるのですが、神話ではいちおうぼやかしてあります)イシスは息子ホルスに向かい「大神は太陽と月(神の両目)にかけて真実の名を告げられました」といい、言霊の技でラーの身体の毒を消しました。こうしてイシスはラーの真なる名前を知る唯一の者として天に君臨し、大女神としてラーを凌ぐ信仰を集めた、ということです。

2-2.オシリス神話
 世界がはじめにつくられたとき、一年は360日でした。これではほんとうの1年に足りないと言うことで、神々は追加で5日を付け加えました。エジプトでは今に至るも、みり5日間は飲み食い騒ぎして楽しく過ごすわけですが、さておき5日のうち最初の1日にはオシリスが生まれました。2日目にはアルエリス、3日目にはセト、4日目には女神イシス(この神話ではイシスは最初から女神です)、5日目には女神ネフテュスが生まれました。

 オシリスはエジプトの王となり、農耕と崇拝をひとびとに教えました。また、妹イシスと結婚して息子ホルスをもうけます。エジプトでの兄妹婚はこの夫婦に始まると言われます。オシリスは全エジプトを回ってさまざまの知識を人びとに教え、エジプトには平和な時期が続きましたが、弟セトはこれが面白くありません。兄を殺そうと大勢の仲間を集め、謀議をこらしました。エジプト人は死後の生活のために立派な棺に葬られることを好むので、オシリスの身の丈ぴったりの棺を作ってオシリスの屋敷に運び込みます。セトの仲間たちはこの棺を褒め称えたので、セトは「この棺にぴったり入る者に、この棺をやろう」と言います。そしてオシリスが横になり、ぴったりはまって抜けられなくなると一斉にセトの仲間たちが掛けより、棺に蓋を降ろし、釘を打ち、そのままナイル川に流しました。そのままナイル川→地中海→さらに北方へと流され、オシリスはこここで一度死にます。

 人びとはオシリスの死を知って驚きと不安にくれました。オシリスの妻イシスは髪の毛の一部を切って哀悼を示し、喪に服すとすぐさま出かけ、夫が棺桶に閉じ込められて流されたことを聞きつけます。そのまま海の彼方へとでかけ、レバノンにながれついた棺にたどりつきました。レバノンはビプロスの地でヒースの木に包み込まれた棺を取り出すためには、ヒースを切らなくてはなりません。ビプロス王は宮殿に使う木材を探していたので、イシスは夢のお告げで王にこのヒースのことを教えました。そして自分は人間となってビプロス宮殿を訪れます。イシスはかぐわしい香りを放っていたので宮女たちに歓迎され、王妃にも気に入られて王子の乳母となりました。

 イシスは夫オシリスを閉じ込めた棺がこの宮殿にあることを王に次げ、自分がエジプトの女神であることをも告げて柱をいただきたいと頼みますが、ビプロス王は柱が宮殿を支える支柱であるため躊躇いを見せます。しかしイシスは簡単に柱の中から一部……棺の部分……を取り出したので、今でもビプロス人たちはイシス神殿に奉納したこの柱を崇拝しているそうです。

 イシスは棺を開けました。しかし棺の中でオシリスの身体は14の破片に切り刻まれており、破片はエジプト中に散らばりました。イシスはさらに旅して14個中13個までの破片を見つけ出し、その都度葬式を執り行ったので、エジプトにはオシリスの墓がすこぶる多いということです。ちなみに14の破片の最後の一カ所は、ナイル川の魚が食べてしまい、エジプト人は以後その魚だけは食べないのだとも言います。

のち、オシリスの霊魂は息子ホルスの前に現れ、父と母にされた悪事の報いをなせと伝え、ホルスがしかとした回答を応えるとオシリスは喜びました。

ホルスは多くの仲間を集めました。その中にはセトを裏切ったセトの妻すらいました。ホルスはセトを探し出して戦いを挑み、何日もの戦いで父オシリスから得た知識を使ってセトを破り、敗北を認めたセトを鎖に繋ぎ母イシスのもとに連行しました。しかしイシスはしかえしをすることなく、瀬戸を解放しましたが、ホルスはこの処置に納得いかず、母のまとう神の印を奪いました。しかしのち智慧の神トートがイシスに、牝牛の姿のかぶりものを与えたと言うことです。

その後もセトは2度にわたり、ホルスに戦いを挑みましたが、毎度敗北し完全に打ち破られます。セトはホルスはオシリスの正統な息子ではないと主張しましたが、神々はホルスの正統を支持し、オシリスの後継者と認められるに至りました。

オシリスの魂か一時的に帰ってきたとき、イシスはこの魂によって身ごもり、ヒルポクラテースという少年神を生みました。しかしこの神は身体が弱く大きく育つことがなく、つねに指をしゃぶっている幼児の姿で描かれるということです。

ゲームの方はどうなってんのか、という所なので一応進捗も。昨日はシナリオの進行はゼロでしたが、立ち絵管理用プラグインを導入して簡単に立ち絵と表情を動かせるように設定したので、これからだいぶやりやすくなります。それでは。

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