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くろてんゲーム化エッセイ-17.世界包括神話-北欧編(3)

 今日明日は休日なので余裕あり……なんて言ってはいられないんですけどね。おかんが新居のトイレ、新しくせんと許さんと言うので急遽、不動産屋さんとまたお話しせにゃならなくなりましたし。まあトイレ工事そのものはたいした金額も手間もかからないようなのでいいのですが、うちのおかんは半年間の入院生活を経てずいぶん傲慢というか自分勝手になり。非情に感じ悪いのであの人のために働くのがイヤな気分にもなるこの頃。昨年末までは多少、自分の正義をふりかざす癖はあったもののあんなではなかった……まあ、ゲーム制作費は母からの生前贈与なのでお世話するのは当然の義務なんですが、自分に出来もしないことをたなにあげて人のやった成功は当然、失敗はことさら執拗に言い立てるというのが……。イヤな上司を抱えてる気になります。身内なので逃げられないし。

 まあこの話はこのへんで。これは小説のゲーム化制作日誌なのでゲーム制作の話をしましょう。まずツクールでのプラグインをあるSEさま(ご芳名は、あとで公開許可が出たらということで)にお願いしましたところ、「ノンマップRPG化」「タクティカルコンバットシステム」「捕虜調教」「出産システム」「娼館」……お願いした22項目中、だいたい大きいのは上記5つ……について「今後のすりあわせも必要ながら、可能です」とのこと。捕虜調教には「ユーザーさん自前の顔グラとか、イベント絵を使えるように出来ませんか?」とダメ元でいってみたところ、「可能です」と心強いお返事。結構お金はかかるのですが、まあこれは仕方がない。技術料ですからね。専門技術者にものを頼むなら当然のことです。というわけで、少しずつゲーム制作も進みつつあります。まあ今のところはシナリオ作業だけでも進めて、それが上がったとき速やかに声優さまに台本を渡せるようにしておくこと。あと予算の確保について非情に大切、「相続時精算制度」来年2月1日から3月15日の間にこれをしっかり手続きしないと自分の手にはほとんど予算が残らないことになります。しっかりやれば非課税相続なので、今のうちから税理士さんに話をつけておくべきかもです。

というわけで今日は世界包括神話、北欧編(3)。

バルドルの死
 北欧において最も美しく、もっとも優しく聡明な神はといえば光の神バルドルです。しかしこの神が「今の」北欧神話において活躍することはありません。彼はずっとあと、神々の黄昏《ラグナロク》のあとに生まれ変わって、アルファズール(万物の父)としての座をオーディンから継承する存在です。

 なのでバルドルは「死ななければならない」神でした。彼の死を端緒にして神々の黄昏が始まるので、必要なことではありますが。ともかく自分の光を消そうと襲ってくるしゃれこうべの群れを夢に見たバルドルは、自分の命数がつきたことを痛感します。

 この言葉を聞いたアスガルドの神々は誰もバルドルの夢の本質を解き明かせませんでしたから、珍しく、主神オーディンが自分で行って聞いてこようと、多足の名馬スレイプニルにまたがり、虹の橋ビフレストを越えミッドガルドを経てニフルヘイムの死と霧の世界に。地獄の番犬ガルムを軽くあしらい、使者たちの集うヘルの館に。そこには黄金の腕輪や飾り物があちらこちらにばらまかれており、誰かを待ち焦がれるかのよう。オーディンが館の東で呪文を唱えると女預言者の亡霊が現れ、「わたしを起こす者は誰か、わたしは長いこと死んでいたのに」
オーディン「あの黄金の腕輪はなんで、いったい誰を待っているのか?」
女預言者「バルドルを待つ。全ての栄光を持つ彼のために、神々は絶望に落ちるだろう。盲目のヘズがバルドルを殺す」
 さらに女預言者はオーディンがリンドと寝てヴァーリという子をもうけること、彼が生後一ヶ月で復讐を果たすことを告げます。

 重い足取りでアスガルドに帰ったオーディンが神々にこのことを告げると一座は昏く沈み込みましたが、すぐにバルドルの死を回避する方向に意識を切り替え、バルドルの母フリッカが9界を渡り歩いて、あやゆるものに「バルドルを傷つけない」という誓いを立てさせます。これによってバルドルは半ば不死身となり、神々はその不死性を確認するといって石を投げつけ、行為はエスカレートして剣や斧を打ち付けたりもしましたが、バルドルは「微塵も感じませんでした」と。

 これでアスガルドは安泰と喜ぶ神々の中で、唯一ロキは例外でした。どうにかバルドルを傷つけてやろうと考えたロキはグラズヘイム(アスガルドのうち男神が治める土地。女神が住むのはヴィンゴルヴ)の扉を出て女神フリッカのもとに向かい、巨人の女老婆に化けてフリッカからバルドルの秘密……ヴァルハラの西の果てに咲く、小さなヤドリギだけはバルドルを傷つけうる……を聞くと死者たちの野ヴァルハラを訪れ、一本の樫の木の幹から生えるヤドリギを見つけると今度はグラズヘイムに戻りバルドルの兄弟・ヘズのもとに。そしてヘズに絶対バルドルが死ぬことはないから神々の遊びに参加するのだと説くと、自分の手でヘズの手を取り、ヤドリギを全力でバルドルめがけて投げつけました。もとより命数はつきているバルドルにとってどんな貧弱なものであっても致命傷たり得るわけで、この若木の一撃でバルドルは死んでしまいます。フリッカはどうにかして息子をとりもどそうとオーディンの息子ヘルモードを死者の国に派遣しますが、9界の誰一人として泣かないことがなかったら、バルドルは蘇るという約束に、セックというひとりの女巨人だけが反対した……この女巨人はロキの変身した姿なわけですが……ためにバルドルは生き返れなかったと言います。

 これ以後、ロキは神々全員に宣戦布告の呪詛の言葉をかけ、アスガルドを立ち去ります。神々は追っ手をかけ、ついに鮭に変身して川の中を逃げるロキをトールが捕まえました。捕縛されたロキは返信させられた息子ヴァーリ……オーディンの息子とは別……に食い殺されたもう一人の息子ナルヴィのはらわたで作った縄で戒められ、魔術を施されたその縄でロキの身体を岩にくくりつけるとはらわたは岩のように硬くなりました。ついで神スカジが毒蛇を持って牢獄のほらあなにやってくると、蛇の毒液がロキの頭にしたたり落ちるようにつなぎました。毒がしたたるのを、ロキの貞淑な妻シギュンは木の鉢で受け止め、支えますが、鉢がいっぱいになるとその場を離れて棄てにいかねば成りません。その間無防備なロキが顔面に毒液を受け、身もだえするたびに大地が震動しました。これが地震の起こりだと言うことです。

ラグナロク
 のち、狼スコールとハティがそれぞれ、太陽と月を食い殺します。これに大地は震え上がり、すべての戒めは解き放たれました。赤と金と赤茶のとさかの雄鳥が啼いて巨人を呼び覚まし、ヴァルハラのエインヘリヤル……死せる英雄たち……を起こし、そしてヘルの地獄の死者を起こしました。

 まずヨルムンガンドが暴れ出して海から軍勢が起こります。死者の爪で出来た戦艦ナグルファルに乗って、巨人たちが大挙します。そしてフェンリルとヨルムンガンドは並んで行軍してきました。フェンリルの顎門は月を一呑みにするほど大きく、目の中に走る火花は花から溢れました。ヨルムンガンドの唾液は天地の全てを汚染し殺さずには済みません。彼らの父ロキも自由を得て、北方からアスガルドのヴィグリード平原を目指しました。その後ろにはスルトとムスッベルの炎の巨人たちが続きます。

 神がみの方も備えを開始します。まずビフレストの番人・ヘイムダルがギャッラルホルンを吹き、全ての神々に危急を知らせました。世界樹ユグドラシルもうめき、わななくなか、まず主神オーディンがすべてのエインヘリヤルを起こして一斉に起ちます。エインヘリヤルは800人を一部隊として540の扉から出陣、総勢432000ということになります。神槍グングニルを掲げたオーディンがフェンリルと戦い、月食む狼はアルファズール……万物の父。オーディンのこと……を食い殺しますが、すぐさまオーディンの息子ヴィザルが、フェンリルのアゴを引き裂いて仇討ちを果たします。

 怪力無双、雷霆ミョルニルを手にしたトールはその隣で、ヨルムンガンドを相手に戦いました。両者は過去にも戦ったことがあり、互角。トールのミョルニルはヨルムンガンドを叩き殺しますが、かの蛇の猛毒はトールをむしばみ、9歩下がった後トールも死ぬことに。

 ヴァン神族の王子フレイはムスッベルの王スルトと対峙しました。本来彼は「勝利の剣」という最強の魔法の剣を持っており、これがスルトを切り倒すはずでしたが、彼はかつて巨人族の美しい娘をてにいれるためにこの剣を手放しており、鹿の角で戦うことになりスルトの炎で焼き殺されることになります。

 チュールには地獄の番犬ガルムが遅いかかり、相打ちに。9界ことごとく燃え尽き、神もエインヘリヤルも人も妖精も小人も巨人も、怪物も竜も小鳥も獣も死に絶え、空の星は落ち、大地は海に沈み果てたといいます。

 やがて大地が新生し、このときオーディンの息子ヴィザルとヴァーリはまだ生きていました。またトールの息子モージとマグニも。バルドルとヘズも死者の国から解き放たれ、新しい輝く平原イダヴェルに神殿を築いて新しい神話を再創世します。これが北欧における神話の、ざっくりとした流れでした。

さて、それでは次は雫お姉ちゃん役の声優さま探しです。

3件のコメント

  • 遠蛮長恨歌さん、おはようございます!
    なかなか大変そうですが、ゲーム作成の方は良い方向に進んでいるようで本当に良かったです。
    雫姉さんの声かぁ、汀的には高く甘い声を想像している感じです(スイートなのに強い)( ^ω^ )
    バルドルさん(←神様やん?)かわいそう…。゚(゚´Д`゚)゚。
    神様なのにそんなに簡単に死なんでも…(きっとイケメンに違いない)わかりきった自己の運命に自己犠牲と、涙をさそわずにはいられませんね。゚(゚´Д`゚)゚。
    いよいよ八月!!
    さらに暑さも厳しくなって参りますが、体調管理に気をつけてくださいね(≧∀≦)
  • 遠蛮長恨歌さん、おはようございます!
    なかなか大変そうですが、ゲーム作成の方は良い方向に進んでいるようで本当に良かったです。
    雫姉さんの声かぁ、汀的には高く甘い声を想像している感じです(スイートなのに強い)( ^ω^ )
    バルドルさん(←神様やん?)かわいそう…。゚(゚´Д`゚)゚。
    神様なのにそんなに簡単に死なんでも…(きっとイケメンに違いない)わかりきった自己の運命に自己犠牲と、涙をさそわずにはいられませんね。゚(゚´Д`゚)゚。
    いよいよ八月!!
    さらに暑さも厳しくなって参りますが、体調管理に気をつけてくださいね(≧∀≦)
  • お返事遅くなりまして申し訳ありません! ようやく帰りました。
    ゲームの方はシステムいろいろ発注してようやく初動順調、くろてん販促用の音声作品も音響制作会社さまにお願いしまして、依頼通りにいって、あとは自分の編集が綺麗に決まれば、かなりクオリティの高いものが仕上がるはずです。雫おねーちゃんの声は遠蛮の〇〇なキャラの役を担当されているあの方……と言いたいのですがまだ確定でないので言えず、こちらとしても辛いところ。
    北欧神話、バルドルは結局今生の世界では「死ぬこと」が存在意義なのですよね。ちなみに「全ての神々の中で最も優しく美しく、聡明な」バルドルと言われる御仁なので間違いなくイケメンです。皆からの愛されキャラだったんですがそこがロキみたいなひねくれ者には気にくわなかったようで……。
    8月になった途端、福岡は灼熱の暑さになりました。数日前とは汗のかきかたが違い、時折頭がくらりとします。今年も昨年に負けない酷暑のようですが、汀さまも体調にはお気をつけくださいませ!
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