文学賞は応募しても落選したら誰にも読まれないけど、WEBだったら形には残るな。
そんなことを昨年の年の瀬にふと考え、急遽参加用として作成したのが拙作『ムカつくあいつがあこがれのあの人で!?』でした。
https://kakuyomu.jp/works/16816927860044666677/episodes/16816927860044909049もともとファンタジーやSF寄りの作品が好きで、自作としては日常を舞台に幻想的な世界観を描写する作風を好んでいますが、せっかくWEB小説なんだからもっと砕けたものが書きたいな、と思っていました。
それで何作か構想を練ったものの、最終的に選んだジャンルが「ラブコメ」。
今思えば「なんでそんな激戦区を…」と当時の自分を叱りたい気分ですが、その時点では「ラブコメだったらすぐ書き出せそう!」くらいの気持ちでした。時間もなかったし…。
1/7から執筆を開始して、完走できそうな見込みが立った1/21から掲載を開始。初動がすでに遅い…。
自分ではキャラクターをとにかく大事にしてストーリー構成なんかよりとにかくキャラクターを!という気持ちでしたが、やはり書く人間の癖や趣味はごまかせず、情景や心内描写につい凝り、地の文で連想的に物語が動いてしまう。
読み返してみれば、「なんか難しい話してるなあ」「この人たち繊細すぎて人生生きづらそうだなあ」とうなってしまうところ多数。
そこはラブコメなんだから、うーん…なんというかもっと、
ヒロインの変な性癖が出て爆笑!とか…
女のコ複数に迫られて主人公ピンチ!とか…
ヒロインと逆ベクトルのライバルが転校してきてどうなっちゃうの!?とか…
ギャグ路線ではないにせよ、もっと親しみを感じられるキャラの絡みだとか、ドキドキ感のあるエピソードや展開を詰め込んであげられたら良かったのかなあと反省。
でも、たぶんやり直してもこういう感じになるんだろうなあ。
自分では「これでもか!?」ってくらいキャラをワチャワチャさせつつ自分の癖はおさえたつもりだったので、やはりそこは始めから振り切ってしまって得意なことを伸ばしたほうが良いものが書けるのかもしれませんね。
流行りのものを書けたほうが人には読んでもらえるよね!という、謙虚なのか下心なのかも怪しい動機でラブコメに挑戦しましたが、次はもう少し自分の好みに寄ったものを書いてみようと思います。
とはいえ、自分の書いたものはやはりかわいいので、これはこれで良かったのではないか、と思っています。
あこがれの作家がクラスの女子だとわかる導入から、「俺が好きなのは作家の○○じゃなくてありのままのお前なんだ!!」的な展開に無難になっていくのかなと思っていたものの、結果としてはぜんぜん違うストーリー展開、そして結末になっていったので、そこはまあ、苦手な「キャラ」というものを少しは動かせるようになったのかな…と。
なんにしても、構想3秒、制作期間20日というハードスケジュールの中、雑にならず書ききれたのは結果の成否抜きに良かったなと思います。
作品の長さも、時間がないことから10万字ほぼぴったを想定し、誤差なくその通りに仕上げることができました。
これで終わりでなくこれが始まりなので、こんな風に書き続けていきながら、良いものを残していけたらなあとワクワクしながら思っています。
行き詰まって苦悩することばかりなものの、最後に戻ってくるのはやはり「書くのは楽しい!」というところですからね。