典拠としたうたは本歌とよばれるが、「本句」なることばは辞書に存在しないようである。
「本句」がない以上「本句取り」とするのも苦しいように思える。
また、俳句において古歌を典拠ととすることをを本歌取りとするのかも判然としない。
俳諧(≒ 俳句 )においては、和歌のように古歌や古句を典拠とする手法が積極的に論じられなかったのだろうか。
和歌においては、万葉集や各勅撰集や小倉百人一首のようなアンソロジーが充実している。
それと比較すると、俳句においてはせいぜい「元禄百人一句」なる句集くらいしか思い当たらない。
俳句やその前身たる連歌の発句の歴史を概観できるようなアンソロジーが待たれるように思う。