ペンギン・ハイウェイとHELLO WORLDと劇場版 幼女戦記を観ました。
とても遅い視聴です。
幼女戦記は、あの幼女、中身がサラリーマンの男だというのをはじめて知りました。そしてチート級の能力を持つ敵との激戦が見ものでした。普通の姿をした最強の子相手に、天才がどう応えるかという展開は熱いものでした。
ペンギン・ハイウェイは、いわゆる「少年とお姉さん」ものです。しかし、この「少年とお姉さん」ものほど、男性陣の中で議論になるものはありません。
「お姉さん」のなかに、血縁の姉は含んでいいのか?
「お姉さん」には彼氏がいてもいいのかどうか?
「お姉さん」は田舎にいるのか、都会にいるのか?
「お姉さん」と肉体関係になるのか、恋心までなのか?
もちろん女性と男性の間でも激論になるものです。
女性はおそらく、お姉さん=母親という解釈をして、血のつながっていない若い母親的存在への甘えに憧れる男性像を、批判的に描いてしまうでしょう。
たしかに、そういう側面があるのかもしれません。
でもそれは、イケメンの年上男性が好きという女性に、「へえ、若い男性に、父親を重ねて、甘えてるんだね」みたいなことを言うくらい、見当はずれでしょう。こんなことを女性に言ったら、殴られるどころじゃないでしょう。
「少年とお姉さん」とはどういう関係なのでしょうか。
一言でいえば、「転生した妹」みたいなものです。
どっかの民俗学者が言ってたみたいですが、自分を助けてくれる「妹」という存在があります。「お兄ちゃん!ばか!なにしてるの!」みたいな、ツンデレの世話焼きの妹。妙に自分のために犠牲的になる妹。自分にパワーを与える妹。その妹が死んで生まれ変わった姿があの「姉」です。「お姉さん」です。
少年からすれば、(物語のプロットに関係なく必然的に)それが一度死んでいる存在だということがわかっているのです。だから、どこか遠い存在です。
遠い存在の「妹」は少ないけれども、「姉」はどこか遠い存在で謎めいていることが多いと思います。そりゃそうです。死んだ「妹」だからです。
よく、マザコンみたいなのと姉へのあこがれが語られたりするかもしれません。でもそれは、逆に、母と娘の関係がいかにすさまじいかというものを感じます。すぐマザコン論で男をばっさり……というのは、もう、母娘の関係が複雑怪奇であり、とても男性からは理解できない世界のものであるという裏返しであるようなもので、男性からではどうしようもない、何をアドバイスしても間違いであるような領域です。世のマザコン論は、母と娘の世界(もしくは子どもを産む意味とか)の深さを知るためのものであって、たとえ男が論じられていても、男を知るためのものではありません。
「姉」について、実は「妹」とか言っちゃいましたが「かつて自分を助けてくれた人」でもいいです。それがもう一度やってきた。最初の出会いのはずなのに、もう二度と失敗できないと予感させるもの。それが「姉」なのだと思います。いや、お姉さんです。姉、ではありません。
ただ、映画での声優に対して、どうしても私は違和感を抱きました。なんでこのペンギン・ハイウェイの姉に嫌な気持ちや、まったく「姉じゃない気持ち」を抱くのだろうと思ったら、担当していた声優が蒼井優でした。
ああやはり!
声が「姫」なのです。私を姫にしないやつはゆるさねえ、という、「姫」オーラが声にあって。女王といってもいいかもしれないけれども。人間の声は、ごまかせないものですね、と独断と偏見で思いましたとさ。
HELLO WORLDは、仮想世界も、現実世界も、両方ともカップルを救うという展開です。滅びた世界ルートと、救われた世界ルートがあるのが普通ってなものです。しかし、この映画は、全ルート救出エンドをやりとげた感じです。
死んだ人間がお姉さんだというのは、私の妄想です。すべてでまかせの感想です。こんな戯言を読んでくれてありがとう。