「シュマイケル・ジョニー・ステップ」
どこからともなく声が聞こえた。彼は周りを見回す。人影はない。
「チミのことを言っているのだ、サザンクロス・ニューシティ・ソーセージ」
彼は声の発生源を見つけた。路肩に積み重ねられた木箱の上に黒猫がいる。黒猫は暗がりの中やたらと光る二つの目でこちらを見つめていた。首に赤い蝶ネクタイがついている。
「返事ぐらいしたらどうかね。パンプリン・チョップリン」
やはり黒猫から声がした。どうやらこの世界の猫は人の言葉を話せるらしい。
「三秒に一回名前が変わってる」
「些細なことだ」
「わりと重要なことだと思うけど」
「ワタシの名前が知りたいのか?」
「いや、そんなことは言っていない」
「そんなに知りたいなら教えてやろう」
どうやらこの黒猫はかなりマイペースなようだった。
「吾輩は、シューマイである」
◆
みなさんこんにちは、ピザ・スキー・シータケキライー、です。
さて、上記の会話のやりとりは今僕が黙々と書いている長編ダークファンタジーのワンシーンだったり、そうじゃかったりします(どっちやねん)。
今回の作品の傾向は、以前僕が書いた『殺戮のダークファイア』や『アカシャ・アニマ』と似ています。そのころはまだ『ヘブバン』の影響を受けていなかったので、今回はより「泣ける」要素が強まっていると思います。
作中では基本的に残酷的で暗い出来事が多く発生するのですが、合間合間では上記のようにコントのようなふざけたシーンもたくさん出てきます。それは意識してというより、それが僕の通常運転だからです。遊び心でしか文章を書けない人間なのです。
実は上のシーンは、滅びの予言者(猫)と滅びをもたらす者(主人公)の初めての邂逅というストーリー的にとても重要なシーンとなっているのですが、思わずふざけてしまいました。ちなみに「シューマイ」というのはガチで予言者の名前です(のちのち変更する可能性はある)。
今度の作品には、主人公とともに任務を遂行する仲間が三人いて、主人公を含めた四人がメインキャラクターとなっています。ストーリーはおそらく三つほど山場があり、そこで物語の転換点を迎え、終着へ向かっていく構成です(まあいつも通り)。
その山場一つ一つで、仲間のキャラクターそれぞれにまつわるドラマを描きます。戦闘シーンなどもあるかもしれませんが、僕の作品ではドラマがメインです。そのシーンは泣きながら体がキリキリするぐらいのものを書きたいと思っています。
その仲間たちの物語とともにストーリーは進み、そして最終的に「滅び」を迎えます。
この「滅び」が何を意味しているのかは、僕のこれまでの作品通り最後まで読み通さないとわからないものになっているので(随所でヒントはあるけど)、ぜひ読んでその目で確かめてみてもらいたいです。
今は1万文字ぐらい書けていて、来月辺りに公開したいなあと思っています。
僕はカクヨム内のコンテストでは絶賛応募受付中の「カクヨム甲子園」の作品を読むことが一番楽しいのですが(このコンテストが一番小説らしい小説が多い気がする)、今年はなかなか読んでいる余裕がなくてちょっと悔しい。
それでは、アツイノキライ・デモ・ナツハスキーがお送りしました。