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儚いからこそ美しい

「あんたらみてえな雲の上の連中に比べたら おれたち人間の一生なんてどのみち一瞬だろう!!?
 だからこそ 結果が見えてたって もがきぬいてやる!!!
 一生懸命に生き抜いてやる!!!
 残りの人生が50年だって5分だって同じ事だっ!!!
 一瞬…!! だけど… 閃光のように…!!! まぶしく燃えて生き抜いてやる!!!
 それがおれたち人間の生き方だっ!!!」

 上記は、マンガ『ダイの大冒険』に出てくるポップの名シーン、大魔王相手に啖呵を切っている時の台詞です。
 ポップは勇者一行随一の臆病者で、だからこそ、そのポップが勇気を振り絞って立ち向かおうとするシーンは、とてもグッとくるものがありました。ポップは魔法使いのポジションですが、その精神は勇者よりも勇者でした。


 このシーンとは少し違いますが、僕が以前書いた『笑葬』も、「死とどう向き合うか」を描いたような話です。
『笑葬』に出てくる男は、自らの死を「プロデュース」しました。自分の死すら笑いにしてしまおうとしたんですね。

 この作品は、僕の理想を表現したようなところがあります。もし僕もそれなりに寿命をまっとうしてその日がきたなら、みんなを一発笑わせてから旅立ちたい。「変な奴がいたもんだ」とでも振り返ってもらえたら、成功だ。「ニシシシ」と笑いながら逝ってやる(ゴールド・ロジャーか!?)。

 そんな僕の『笑葬』が収録された書籍『5分で読書 最後はかならず私が勝つ』が、本日8月19日発売です(カクヨムのトップページにも表示されています)。
 はい。バリバリ宣伝でした。

3件のコメント

  • さかたいったさま

    お久しぶりです、オレンジ11です。

    バリバリ宣伝でしたか。
    購入し拝読しました。最後、変えてありましたね…? どちらも良いですが、私は前の方が好きかな。でも、解釈について質問しちゃいましたしね。

    子供に読ませたところ、『笑葬』が一番好きだそうで、思い出し笑いをしながら感想を教えてくれました。私は、収録作品の中では「大人っぽいかな?」と思っていたので、そうか子供心もつかむ作品だったのか! と意外な驚きでした。
  • オレンジ11さま

    お久しぶりです。
    Web版、書籍版ともにご拝読いただきありがとうございます。

    『笑葬』はお葬式を題材にした話なので、宗教を重んじる方への配慮と、児童向け作品ということで、最初と最後の抽象的だったシーンをより子供でもわかりやすく変更するようお達しがありました。自分もWeb版のほうが好きですし、そのほうがやや大人向けだと思いますが、やはり書籍の読者層へ向けた方向へシフトする必要がありました。

    お子さんに楽しんで読んでいただけたことは、とても嬉しいご報告です。「笑い」というものを活字で表現するのはかなり難しいのですが、お子さんでも理解できて楽しんでいただけたということは、すごく自信に繋がります。『笑葬』を一番気に入っていただけたというのも、ポイント高いですね。

    まだまだ暑く、何かと騒がしい世の中ですが、良い日々をお過ごしくださいませ。
    ご報告ありがとうございました。とても嬉しかったです。
  • さかたいったさま

    ご返信ありがとうございます。
    そうですか、お達しが…。児童向けということを考えるとシフトチェンジ、成功だったのでは。

    そうですよね、「笑い」を表現するのは難しいと思います。泣かせるより難易度高いと思います。

    子供、『笑葬』をイチオシとは渋いなと思いつつ、受賞作ですから、編集サイドから見ても、児童向けとしても魅力的な作品だったということですものね。
    葬儀を扱いながら笑いを提供するというのが、すごい作品でした。

    さかたさまも良い日々をお過ごしください。
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