お疲れ様です。
昨今毎日のように、道迷い・滑落・疲労・低体温などで遭難者が続出している
山岳に対して、強い懸念を持っている私です。
各都道府県の今夏における山岳遭難事故の概要――
年齢別・山容別・概要別とした詳細が各警察所からの発表と
山岳隊からの公表により浮き彫りになる、登山者の技術・準備・経験・体力不足。
これだけツイッターやこちらの近況にも注意事項・危険事項・準備事項
等を書いているにもかかわらず、依然増え続ける山岳遭難事故……
皆さんお分かりだから何の反応もないと言う認識なんですが……実際の死亡者及び
負傷者の数の異様な多さ……さすがに戸惑いを覚えます。
こちらは嘘は書いてないんですけどね――全て自分の体験・他の登山者及び山小屋の主人・警察などのお話や実体験を元にしてお伝えしているのに……
それでも全く目に留まらず、死傷者だけが増え続けてます。
さて。前置きはこれくらいにしておきまして、表題の件ですが、
朱先輩視点のため、主人公(愛ちゃん)と彼氏さん(優希君)の電話における
会話が表現できませんでしたので、いつも通りこちらに掲載させて頂きます
―――――――――――――電話(愛美・優希の会話)――――――――――――
(『お待たせ愛美さん』)
『ううん。全然待っていないよ。でも待ってはいたかな?』
どんな会話なのか分からないけど、さっきの反応からして心のどこかではずっと待ってた気がするんだよ。
(『ごめん。佳奈――昨日の話を間違っても優珠には知られるわけにはいかないから、優珠――一人の時間を狙って電話したんだ』)
『ありがとぉ優希君。でも優珠希ちゃんや御国さんも大切にしてあげてね』
それを裏付けるかのように、本当に嬉しそうに空木くんとの電話をお腹に手を当てて楽しむ愛さん。しかもわたしも聞いた事の無いくらい可愛い声まで出す愛さん。空木くんが本当に頑張って愛さんを安心させてくれてるのも、大好きをしっかりと伝えられてるのもその全てから伝わって来るんだよ。
(『でも優珠からも、愛美さんの前で別の女の名前は出すなってしっかり釘を刺されてるし、愛美さんだって本当は気分良くないよね』)
『もちろん嫌だけれど、優希君は面倒臭い私でも良いって、自分らしくいてくれたら良いって言ってくれていたよね』
……ものすごく会話が気になるんだよ。しかも面倒臭い愛さんとか、愛さんらしくいてくれたら良いとか……河原で聞いた愛さんの気持ちなんかも空木くんは全部汲み取ってくれてる気がするんだよ。
(『もちろん! 僕は愛美さんの新しい一面を見たり知ったりするのが楽しい気持ち、嬉しい気持ちは付き合った当初から何も変わってないよ』)
『――っ! 優希君のバカ……。でもとっても嬉しいよっ! ありがとう。大好きっ』
しかも信じられないくらい可愛い表情にもなってるし。どうして愛さんが“バカ”って言うとこんなに可愛く聞こえるのかな。
しかも“大好き”の一言はものすごく感情がこもってたし。お腹に当てた手もさすり始めてるし。
わたしは少しでも幸せな愛さんの気持ちが知りたくて、ゆっくりと優しく頭を撫でる事にするんだよ。
(『それじゃ明日のデートだけど、元気になってくれたとは言え病み上がりの愛美さんに無理もさせたくないから、近場で遊歩道歩きなんてどうかな? もちろん明日は愛美さんの快気祝い。それにあんな倉本なんかじゃなくて僕を選んでくれたって感謝の気持ちも込めて僕が弁当も用意するから』)
だけど何かを考え込んでるのか、表情はとっても嬉しそうだけど返事はしない愛さん。
『優希君の気持ちはとっても嬉しいし、優希君と一緒ならどこでも楽しいのは間違いないけれど、優希君だって昨日これ以上ないくらい冬美さんに“お断り”してくれた「!」んだから、私が優希君を選んで《《くれた》》って言うのは違うよ。私たちは他の誰でもなく“《《お互い》》”を、あの人や冬美さんをしっかり“お断り”した上で選んだんだから、優希君だけに頑張らせたくないかな』
かと思ったら、本当に大胆にもしっかりと愛さんの大好きを空木くんに伝える。しかもお互いの目の前でお互いの横恋慕の相手をしっかりと“お断り”した二人。
何となくだけど二人の“大好き”の見せ方が具体的に分かった気がするんだよ。
(『えっと……じゃあ明日のデートは――』)
『――もちろんする。でもここ最近私のためにずっと走り回って、自分の時間をたくさん使ってくれたんだから、明日は《《いつもの》》図書館でデートしようよ』
どんな展開かは何とも言えないんだけど、愛さんらしい受験生らしいデートだなって思う。
(『でもあの図書館は、僕の気遣い不足で愛美さんを泣かせてしまった――』)
『――だったら、次は私だけをちゃんと見て欲しいな。あのお姉さんなんかにも興味無いってまた優希君の気持ちを見せて欲しいな。
もちろん私だって他の男の人に見せてしまった“隙”をもっと失くすように努力も注意もするから、私ばっかりじゃなくて優希君にももっともっと私に夢中になって欲しいな』
愛さんのお部屋で広がって寛いでもらっている空の広がる傘と言い、空木くんは永久に知る機会が無さそうな、あんな人に見られてしまった下着すらも、回避症状が絡んでたとしても捨ててしまったっぽい愛さんから空木くんへの想い。
一方空木くんの方も、その全ての時間を愛さんのために使うくらい、愛さんを第一に考えて動いてくれてる。
そんな二人の想いはどこまでも深く、どこまでも純真で。
(『分かった。じゃあ明日は図書館デートで、いつもの時間にいつもの場所で。それから昨日の準備不足とこの前のデートでの僕の失敗を赦してくれてありがとう』)
『私だってあんな人に見せてしまった“隙”もそうだし、私の危機に駆けつけてくれてありがとう。誰が何と言っても私にとって優希君は、とっても頼りになる“私専用の騎士様”だよ』
しかもお姫様抱っこを聞きそびれてしまったと思ってたら、とっても気になる“騎士様”と言う言葉。わたしの見立て通り空木くんにお姫様抱っこをされた愛さんは、その相手である空木くんを“騎士・ナイト”に見立てたんだよ。一つ気になってしまえば今更だけど、今もずっとお腹に当ててる手とか、時々赤らめた頬に手を当ててる仕草とかあれもこれも気になって仕方がないんだよ。
(『ありがとう愛美さん。愛美さんこそ僕にとって最高のお嫁――お姫様だよ』)
『~~っ! また明日ねっ! 優希君っ』
なのに、何とも言えない喜鳴を上げたかと思えば、手を当て続けてたお腹をさすり続けたまま電話自体を切ってしまった愛さん。
――――――――――――――――ここまで―――――――――――――――――
よろしくお願いします。