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ネタバレ注意! 企画参加作品に対する感想専用ページ

 此処は当方主催の企画「笑いは力を授ける!」に参加している作品に対する感想や意見を書くためのページです。感想を書きたいけど、普通に応援コメント等に書くとネタバレになりそうだから人目のつく場所には書けない……なんて時に御活用下さい。ネタバレを気にせず書いて頂いて構いません。
 閲覧する方は、此処には企画に参加中の作品のネタバレが含まれているということを踏まえた上で御覧下さい。
 宜しくお願い致します。

8件のコメント

  •  この度、この企画に”彼方は勇者ですか?「はい」”で参加させてもらいました、軽見歩ともうします。

     高柳神羅さまの”荒ぶるピーマンを勇者に育てる教育講座”の第6話まで読んだ感想を書かせていただきます。

     この作品、私が書いている彼方は勇者ですか?と同ジャンルの作品で、ゲーム脳の主人公が異世界で暴れるというものになっています。

     このジャンル、ありそうでなかなか無く、他の人が書くものを読むのが新鮮でした。

     しかし同時に”私はコレを書く時にコレ気にしてる”と思う部分をスルーして書かれている、もしくは違う視点で書かれてる部分が気になってしまいます。

     同ジャンルを読むと、この様な事は誰でもありますよね? 恐らく高柳さんが私の作品を読んでも同じ様に思うはずです。


     そこで私が気になっている事と、私ならこう書くなと思う部分を中心に書いていこうと思います。

     私がゲーム脳主人公の異世界物を書こうと思った時に初めに悩んだのは、おかしい主人公の行動におかしいとツッコムには、ツッコム側の異世界が正気でないと成り立たない事です。

     ちゃんとツッコムために異世界側の設定をしっかりする必要があると、資料集めに苦労しています。

     現代に生きる我々の一般常識で全てツッコんでしまうと中世ヨーロッパ風ファンタジーな異世界側の立場が危うくなる危険があるからです。



     {主人公がゲーム知識でボケる=異世界側が出来ないとツッコム}


     これを無作為に繰り返し、出来ない出来ないと言い続けると異世界側が出来ないとおかしい部分までノリで否定してしまって読者に「え?じゃあ、どう生活してんの?」と疑問に思われるのはなるべく避けたいからです。

     この作品で気になった部分だと、例えば矢で弱らせて犬に倒してもらうのがおかしいとなると、この世界に猟犬は居ないのか?って事になりかねませんし。

     それが積み重なり、ツッコミ側が最早ボケで、勇者のボケにツッコミの様なボケをかまし、気づかぬ内に実質ツッコミ不在になるのを恐怖しながら書いてます。


     これは私がそうなだけで、必ずしも資料を吟味しろと言いたいわけではありません。大きな城を建てれる技術力があるのに、なぜかボードゲームが無く勇者がボードゲーム広めて大活躍なんてお話もありますし、お話なんて面白ければ正義と思っているのですが。



     それでそんな事で苦労している私なんですが、レン・タカナシは非常に良い立ち位置だと思います。正直「この手があったか!」と思いました。彼なら異世界の常識人でありながらゲーム脳に突っ込める知識を持っていて、彼の立場的にも非常に扱いやすいキャラだと思います。

     ただ残念なのが現状受け身に回り過ぎている点です。もっと積極的に立ち回ると一気に力強い作品になると思います。基本的に彼に視点で物語が進むので、ムツキに負けないくらいのパワーが有っても良いと思います。

     
     例えば一話のこのシーンもちょっとアレンジするだけでキャラが一気に立ちます

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
     
    「……因みに、以前召喚した勇者殿はどうしたんですか?」

     ゴルド大臣は懐から取り出した真っ白なハンカチで額の汗を拭いながら、微妙に気まずそうに答えた。

    「それが……、アランド炭鉱で炭鉱夫たちの仕事の手伝いをしていたら、何でもそこで見つからないと言われていた新たな黒鉄鉱の鉱脈を偶然掘り当てたらしくて……それで何かに目覚めてしまったようで『鉱山王に俺はなる!』と宣言して勇者を辞めて炭鉱夫に転身してしまったと、元仲間だった冒険者たちが呆れておりました」
     
     魔物に殺されたわけじゃなかったのか……

     まあ、生き甲斐を見つけたのは喜ばしいことだとは思うけど、何もそれを魔王討伐を目指す旅の途中に見出さなくてもいいんじゃって思・・・

    「しかもですよ、その勇者、このままレアアイテムを市場にばら撒いて価格破壊を起こさせてやると息巻いてるそうで。何考えてるんですかね?」

     僕はゴルド大臣のその言葉を聞いて ”ああ、これアレだ、オンラインゲームでやる事やり尽してクエストじゃなくシステムに挑戦しだしたヤツだ。大量のドロップアイテムをマーケットに流して物価を暴落させてシステムと言う名の秩序に挑戦を・・・” と思ったところで目が覚めた

    「それは価格破壊じゃなくて経済破壊と言うんだぁ! と言うか一か月足らずでメインクエストに飽きるなよ!!!」

    「ど、どうされたのですか!?」

     僕が急に出した声にゴルド大使は驚いてしまわれた様だ。少し息を整えて僕はゴルド大使に警告した

    「大使!すぐにその勇者に監視を付けてください! 僕も召喚勇者専属指導講師の権限で経済学の専門家を講師として勇者に派遣します!」

    「そんな冗談に過剰に反応成されなくても・・・」

    「何かあってからじゃ遅いのです! ゲームならともかく、そんな真似現実でやったら大混乱だよ全く!」

      本当に、召喚勇者というのはゴーイングマイウェイな奴が多すぎる。

     一応自分がこの世界に住んでいる多くの人間の期待と未来を背負っているんだということを、ちゃんと自覚してほしいものである。

     僕は溜め息をついて席を立った。
     
    ーーーーーーーーーーーーー

     この様に両方の世界の常識を持つ彼だけにしか気づけ無い事態に即対応するシーンを演出が出来ますし、この世界での彼の存在意義が生まれます(現状、この世界で勇者の存在理由が不明な為、キャラの存在意義は重要です)。ゲーム知識を必ずボケだけで終わらせる事は無いと思います。

     ムツキも私が書いてる勇者と違って体力が無いのもレンと絡ませるのに都合が良いと考えています。例えばムツキを鍛える為にわざと投獄し

    「さあ、押してもらおうか。この懐かしのドラム缶を!」

     と、ゲーマーが喜びそうな重労働で鍛えたりと、彼らだけでシナリオが膨らみますしもっとレンを活躍させて欲しいです。


     ムツキ相手でもレンは引く必要は無いと思います(もちろんムツキも容赦しません)。レンのゲームボケから来るトラブルを、ゲームネタを被せる事で未然に防ぐ攻防が生まれますし。いざとなったら

    「僕は召喚勇者専属指導講師! あなたにとってゲームマスターの様な存在だ!」

     と、社会的地位とゲームネタでムツキを牽制したりできますし、もし変な事を書いてしまってもムツキを言いくるめる為と言う大義名分があるので好きに振る舞えます。もっと勇者に教育的指導を!
  • 軽見 歩 様>

     拙作への感想並びにアドバイス、ありがとうございます。

     高柳は元々血肉が飛び散るいわゆるスプラッタ系や登場人物が幸福にならない鬱展開系のファンタジーを書くのを得意としており、それとはほぼ真逆の存在である純粋に笑えるコメディ系作品を書いたことは皆無に等しい物書きです。
     元々世間一般とは感覚がズレていることもあってか、人気芸人のネタとか流行りの漫画作品とか、そういうものに関する知識を殆ど持っていません。そんな高柳が唯一書けそうだと少ない予備知識を引っ張り出して執筆に乗り出したのが、ゲーム脳人間が本物の異世界に放り込まれたらどうなるかという疑問を題材にした拙作だったというわけです。

     執筆開始するに当たって必要になるのが、話の主軸となるゲーム脳人間とそれにツッコミを入れることによって話を運んでいく役回りの存在。敢えて話の主軸となるゲーム脳人間を脇役に持って来てそれに突っ込む役割である人間を主人公に据えることで、主人公の胸中を読み手にも共感してもらうことを期待しました。召喚勇者専門の指導講師、という役職もその時にふと思いついたもので、そこからレンに関する設定が自然と固まっていきました。
     話題に上がったので語らせて頂きますが、レンがやけに受け身すぎて行動的じゃない(一言で言うと大人しすぎる)ことには、実はちゃんとした理由があります。これは今後のネタバレになってしまうので現時点ではお答えできませんが、彼は色々と訳ありなのだということだけ語らせて頂きます。ヒントは……レンの勇者時代の記憶に関係している、とだけさせて頂きましょうか。
     作品の完成度を落としてまで仕込む要素ではなかったのかもしれませんが、ひとつだけでも高柳の作品らしさを感じられるものを入れたかったというのもあったので、敢えてそうしました。これが吉と出るか凶と出るかは、全てが開示された時の読み手側の反応を見て判断したいと思っております。

     拙作は「勇者が勇者になるまでの物語」であり、現時点ではムツキが一人前の勇者となって旅立ってからの場面を綴る予定はありません。なので長編とは言えない程度の長さの作品となるでしょうが、読み手に「読む価値はあった」と感じてもらえるような一作に仕上げたいと思っております。
     頂いたアドバイスはまさに宝と呼ぶに相応しいものばかりです。しっかりと学んで、しっかりと吸収して、今後に生かしていきます。

     最後になってしまいましたが、アレンジして頂いた一話の一場面、思わず吹いてしまいました。流石名作を書かれているだけありますね、あの何気ない場面を此処まで面白可笑しく改変できる描写力、お見事です。見習わせて頂きます。
  • 軽見 歩 様>

     引き続き書かせて頂きます。企画に参加して下さった『彼方は勇者ですか?「はい」』についての感想です。
     元々評論や宣伝文句とかを書くのはあまり得意ではないので陳腐な言葉ばかりになってしまうのは申し訳ないと思いますが、誠心誠意を込めて書かせて頂きます。

     一言で言うと「反則級に面白い」という言葉以上の言葉が思い浮かびません。それだけ衝撃の強い作品でした。
     ゲーム脳勇者から飛び出して周囲の者たちを惑わせる言動……その大半は実在するゲームや漫画から引用してきたネタであるわけですが、それが昔から実在している王道級のネタだからこそ、読み手側としてはそれが面白く感じられる。しかもちゃんと作品の中で輝く形に昇華させて場面を描写している。この表現技術はもはやプロ級だと思います。
     正直に言って、賞賛する以外の言葉がほぼ出てきません。それだけ設定もキャラクターも綿密に練られていて、指摘できる部分が殆どないのです。
     なので、感想以外では全話を拝読してちょっとだけ気になったことを挙げさせて頂こうかなと思います。
     この作品で特徴的な描写のひとつが、キャラクターが負った衝撃をダメージとして数字に換算して表している点です。数字でダメージの度合いを表すのはRPGに触れたことのある人間にとっては馴染み深い表現ではあるのですが、敢えて生命力をHPという数字で表現していると、昔ゲーマーだった高柳にとってはある疑問が浮かぶのです。
     それは「その人物にとって今食らったダメージはどの程度の負傷具合になるんだ?」ということです。
     例えば作中でイチゴンがアレクシスに対する恐怖で勝手に70近いダメージを受けて死んでいましたが、そもそもイチゴンのHPがどれくらいあるのかが分からないので、その恐怖の度合いがどれほどのものだったのかが今ひとつ掴めない。即死したってことはオーバーキルだったのでしょうが、イチゴンの最大HPが幾つだったのかによってイチゴンの魔物としての脅威の度合いも変化するでしょうし、その恐怖がどれほどの凄まじさだったのかの印象も変わってくると思うのです。
     これは高柳が勝手に気にしているだけのことなので、本来ならばそこまで深く追求することでもないのでしょうが、一応気になったことのひとつとして挙げさせて頂きました。
     無論のこと、ダメージを数字で表すからにはキャラクターの能力値も明確にしてほしい、と言っているわけではありません。そこを描き始めてしまったら最近頻繁に見かけるステータス表記ありの異世界系ファンタジー小説と同じになってしまうので、それを描く必要はこの作品には必要ないと思っております。この書き方こそが、この作品の魅力なのですから。

     感じたことは以上になります。
     何か参考になるようなことをひとつでも語れていれば良いのですが、何分感想を書くのは苦手なもので……
     もしも他に「これに関して意見を聞きたい」といったことがありましたら、いつでも気軽に仰って下さい。御希望通りの回答が返せるかどうかは分かりませんが、精一杯答えさせて頂きます。
  •  高柳 神羅さまへ

     返信とご意見ありがとうございます。

     荒ぶるピーマンのレンの秘密、今後の展開を楽しみにお待ちしてますね。



     私の作品への評価、非常に恐縮です。おっかなびっくり書いているのですが、出来うる限りご期待に応えられるよう努力してみます。

     貴重なご意見もありがとうございます。

     ご指摘のHPとダメージ量が明確でないのは、演出する上でやり難いのと、ゆうとのキャラクター性が大きな問題になっているからです。

     おっしゃる通りHPと変動する数値が明確なら

     勇者は8ダメージ受けた {HP92/100}

     この様に表記すれば、読者はストレス無く登場人物の状態を認識し、相手の攻撃の強さや、凄さが分かり読みやすくなります。

     しかしこの方式にも問題があり、特に戦闘時は登場人物のHPが明確な為、戦闘の終わりだどれ位かも分かりやすくなってしまい、読者に先を読まれてしまう危険性もはらんでいます。

     ワザとHPをさらし「後一撃入れば終わるのに!」とハラハラさせる手もありますが、上手く立ち回らないと戦闘が重なると読者が慣れて飽きてしまう危険が大きく、私の力量では難しいと断念しました。

     加えて、ゆうとが自爆ネタをかましたり、HPが1でも残ってれば普通に動ける特技を持ってる為、ゆうとのHPをさらすと読者が「HPあるし余裕だな」と思われて自爆ネタのインパクトも弱まり。

     敵のHPもさらすにしても「こんだけ残ってればまだ余裕」と判断されかねず、オチのタイミングを悟られる危険があると判断しました。


     そこであえてHPを不明確にし、ダメージ量と回復量だけ表示し、更に自然治癒力など数値化されない不明確な変動値を入れ、一歩間違えば大ダメージになる演出も所々入れて、読者をあえて混乱させ先を読み難くさせる方式を選びました。

     ただ読者を混乱させると、その分ストレスになるので最良と言う訳ではありません。ご不快に思われてしまう読者もいる事でしょう。

     全部をカバーできないので、そこは割り切るしかないかと苦心しています。書いてて悩みがつきません。



     それと高柳さんはコメディ系作品を書ことが少なく、スラップタ系や登場人物が幸福にならない鬱展開系の方が好みなのを気にしている様ですが。

     スラップタ系が好きならコメディ作品を書く上で有利ですので自信を持っていいと私は思います。

     例えばアメリカの昔のカートゥーンアニメでは、よくキャラクターが殴られ撃たれ、切り裂かれてバラバラになるスラップターとも取れる演出をしてますが、コメディとして成り立っている作品が非常に多いです。

     スラップターはホラーと関連する作品も多く、私は知人から良く「ホラーを描ける人は、ギャグも得意だ。この二つ共通する部分が多いのよ」と聞かされてました。

     ホラーだと

     「来る!殺人鬼が来る! どこだ!? ・・・・・ぎゃあああ!」

     と言った演出が定番ですよね。


     それがコントなどコメディだと

     「押すなよ!絶対押すなよ! やったら承知しないから・・・・うわあ!!」

     こんな感じで笑いを取っていますがこれも定番ですよね。でもフリと着地点が恐怖か笑いかだけの違いでほとんど同じです。


     この例えで分かり難かったらピエロをイメージすればいいと思います。

     ピエロはホラーの定番キャラですが、元々は観客を楽しませる芸人です。

     ピエロの芝居のさじ加減で、風船を膨らませる、一輪車に乗るなど本来なら観客を笑わせるネタをやっても

    「何を考えてるのか分からなくて怖い」と思わせたり。

     逆に包丁持って暴れてもブラックジョークとして観客を笑わせる事が出来る万能キャラです。

     それどころかこの恐怖と笑いを完全に両立させているスプラッターピエロ映画もありますし、もしかしたら見た事あるのでは?

     ですからもっと自信を持っていいと思います。それでもご不安なら先ほど紹介した様な作品を「これホラーだけどギャグだとこうだよな。このギャグはホラーだと…」と考えながら見ると参考になると思います。
  •  遅れ増したが、私の作品を名作と呼んでいいただきもことに恐縮です。
  • 軽見 歩 様>

     ホラーを書ける人はギャグも得意……初めて聞いた言葉です。一見両立しなさそうなジャンルに思えますが、例えを聞いていると「ああ、成程確かに」と思えることもありました。
     ちょっと昔、外国のアニメで可愛い動物のキャラクターが仲間を爆破したりナイフで斬ったりして内臓が飛び散りまくっている内容のやつが日本でも流行ってたらしいのですが(タイトルは忘れました……)今思い返してみれば、そのアニメも確かに一種のコメディ作品として世間には認知されていたんですよね。関連グッズも結構発売されていたりして。当時はその作品を「外国ではシュールなのが流行ってるんだなぁ」程度にしか捉えていませんでしたが、確かにあれもコメディなんだと考えると、コメディとホラーの関係性を知りはしなくても実物例を既に知っていたってことなんですよね。
     発想を置き換えて考えてみる。書き手としてやったことはありませんが、これも練習の一環だと思って挑戦してみようと思います。
     貴重なアドバイスをありがとうございます!
  •  お疲れ様です。
     当自主企画に「中二病を治したかったのだが」で参加させて頂いている中山おかめと申します。

     さて、高柳神羅先生の「荒ぶるピーマンを勇者に育てる教育講座」を最新話まで拝読させて頂きました。
     私はこの作品を『ゲーム脳の奇人勇者によるボケと、それに対する周囲の突っ込み』により笑いを取ろうとする、漫才系コメディとして捉えました。
     上記点を踏まえて、特に気になった点を述べさせて頂きます。

     それは『ボケのセリフを繰り返しているだけのツッコミが多い』という点です。
     私も気をつけているのですが、ボケのセリフをただ繰り返すだけのツッコミは悪手だと考えています。

     第4話「勇者の武具選び-武器編-」から引用させて頂きます。

    ~~~~~~
    「引き狩り? 何だそりゃ」
    「知らないんですか? 引き狩りっていうのは、弓で魔物を狙撃しながらフィールドを引き回して、その間にペットに攻撃させて仕留めるっていう方法です。自分は遠く離れた位置から魔物を誘導しつつ狙撃するだけなんで、負傷しないで安全に魔物を倒すことができるんですよ」
    「ペット?」
    「テイムした犬を使うのが一般的ですね。中には猫とかアライグマを連れてる人もいましたけど、基本的に猫とかアライグマって直接攻撃向きじゃないんですよね……やっぱり犬が一番安定して火力が出せると思います」
    「はぁ!? 犬!?」
    ~~~~~~

     漫才の面白さはボケとツッコミの応酬です。
     しかし、この部分の「ペット?」「犬!?」というツッコミはボケの言葉の確認にしかなっておらず、折角のボケの勢いを殺してしまっているように感じました。
     ただ言葉を繰り返すだけのツッコミが許されるのは「コーヒー牛肉」だとか「高校生にて老害デビュー」とかのパワーワードに限ると、私は考えます。
     また、ボケ側の台詞が非常に長い点も、ボケとツッコミのテンポを悪くし、面白さを削いでいるように感じました。

     上記を踏まえ、私の文章の場合はこんな感じになります。

    ~~~~~~
    「引き狩り? 何だそりゃ」
    「知らないんですか? 引き狩りっていうのは、弓で魔物を狙撃しながらフィールドを引き回して――」
    「ふむふむ」
    「その間に犬に攻撃させて仕留めるっていう方法です」
    「ワンちゃん!?」
    「自分は遠く離れた位置から魔物を誘導しつつ狙撃するだけなんで、負傷しないで安全に魔物を倒すことができるんですよ」
    「この勇者とんだ外道チキン」
    「中にはアライグマを連れてる人もいましたけど」
    「おっとぉ。外道は勇者だけじゃなかった」
    「基本的にアライグマって直接攻撃向きじゃないんですよね」
    「当たり前だ。というか何故ラスカルを選択した」
    「やっぱり犬が一番安定して火力が出せると思います」
    「ワンちゃん逃げて!」
    「因みに犬をテイムする際、死ぬ寸前まで弱らせます」
    「ヘイ! ポリスメエン! ここに動物愛護法違反の極悪人が居ますよー!」
    ~~~~~~

     勝手に文章もキャラも大幅改変してしまい大変申し訳ありません。
     とりあえず私が言いたかったことは上記のような感じです。
     なお、異世界に「ポリスメン」とか「ラスカル」とか「動物愛護法」という単語があるかどうかはとりあえず放置して下さい。ごめんなさい。他にツッコミが思いつかなかったのです。

     ちょっと厳しめのことを書きましたが、この物語に魅力的なものを感じたからこそ、指摘させて頂きました。
     なお、私の意見が正しいとは限らないですし、高柳先生にもポリシーがあると思われますから、あくまで参考程度にお聞き流し下さいませ。
  • 中山おかめ 様>

     丁寧な御指摘、ありがとうございます。
     拙作はコメディの練習のために書き始めたのですが、当方にコメディに関する知識がろくに備わっていないことは否めません。ボケとツッコミの流れが生み出す笑いのことはもちろん、コメディにも種類があること、そもそも『面白い』とは一体何なのか。それを日々考えながら、物書きとして持っている少ない知識をフル稼働させて書いています。
     高柳は感覚が古い人間なので、正直に申し上げると若者の笑いのツボに刺さるフレーズとかノリというものが全く分かりません。色々な作品を読んで勉強はしているのですが、理論として「こういうものが『面白い』ものなのか」ということは何となく分かっても、それを自分が『面白い』と感じられるかどうかは別の問題のようなのです。
     知識と感情が噛み合わない、ジレンマですね。しかしこの問題を克服してこそ自分は更に成長できると思っているので、逃げずに真面目にひとつずつ問題に取り組んでいこうと思います。
     勇者の台詞が全体的に長い傾向にあるのは、「オタクは自分の得意分野の話題になるととにかく饒舌になる」という一種の性質を表現したものなのですが、ボケツッコミのコメディを書くに当たって、その台詞の長さは仇になるということを今回の御指摘で学ばせて頂きました。今後の更新ではもう少し台詞を短くしつつ、勇者らしさを損なわない言い回しを考えてみようと思います。
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