すみません!
「おバカの里」の企画を一旦先送りさせて頂き(申し訳ありません、こちらの方も遠くない機会に必ず開催させて頂きます)、急遽、「児童文学の里」のイベントを準備いたしました。
全く性格の異なる企画ですが、このジャンルに関心をお持ちの皆様方は是非お立ち寄り下さい。以下、予告です。
【児童文学の里】
児童文学作品をお寄せ下さい。
「児童文学」とは、小・中学生以下の読者を念頭に書かれた作品を指すものと致します。ただ、思わず子供に読ませたくなるような児童文学ふうのジュブナイルでしたら、少しくらい難しくても歓迎いたします。単に子供が主人公だ、メルヘンな感じだ、というだけの作品はご遠慮下さい。ライトノベル系、ゲーム系はナシということでお願い致します。児童文学評論なども対象外とさせて頂きます。
シリアス、おバカ、幼年、ファンタジー、社会派、SFなど、内容はご自由です。
散文作品はお一人様一話、詩などはお一人様三篇まででお願い致します。
五千字程度以下の短編を念頭に置いての企画ですが、読み切るとお約束できなくてもかまわないということでしたら、長さはご自由です。長編や、シリーズものの場合は、友未の近況ノート「児童文学の里」に、お勧めの章やエピソードをあらかじめ指定しておいて頂けると助かります。ご指定のない場合、冒頭から五千字分くらいのあたりまでひとまず拝読し、他の参加者様の作品を読み終えたのち、余力があれば残りを読ませて頂くという形になりますので予めご了承下さい。
投稿多数の場合、全てに目を通せない可能性もございますが、できるだけがんばらせて頂き、特に印象に残った作品には、コメント、レビューなどを送らせて頂ければと思っています。
交流の場としてお役立て頂ければ幸いです。
なお、友未の児童文学ふうジュブナイルは→
https://kakuyomu.jp/works/16816410413919789854です。お勧めの章は→
https://kakuyomu.jp/works/16816410413919789854/episodes/16816410413919804545です。
【おしらせ】
読める量の限界に近づいて参りましたので、設定期間を2月22日までと短縮させて頂きます。お礼と、お詫びを申し上げます。作品や作者さまへのフォローをお急ぎ下さい。
なお、一通り拝読し終えましたら、今回の企画のまとめとして、特に印象に残った作品を5篇程度、友未の近況ノートの「児童文学の里」のページに再度、軽くご紹介させて頂く予定です。二月末ごろに一度お立ち寄り頂ければ幸いです。
【児童文学の里第1回まとめ】
第1回児童文学の里にご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。当初は20名くらいの方に参加して頂ければうれしいなと期待していたのですが、一週間でその倍以上の作品をお寄せ頂くことになってしまい、このまま放っておくと手に負えなくなってしまいそうな恐怖を感じはじめたため、急遽、終了とさせて頂きました。バタバタとご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございませんでした。
さて、まとめとして、今回、友未の好みに特にマッチした(形で言えば三つの☆を献上させて頂いた)作品を6篇、以下にご紹介させて頂きます。
真っ先にお知りおき頂きたいのが、木村恵子さまの「ヤ子シリーズ」という幼年童話です。春の世界を背景に、幼いヤ子と仲間たちの紡ぎ出す無心なエピソードは、あどけなさ過ぎて、読む者の顔をほころばさずにはおきません。この、愉しさと可笑しみと詩情を抱いたミクロコスモスを、ただ刺激的でないというだけの理由で見過してしまうのは一つの罪でしょう。幼年童話の桃源郷のようなお話です。どの時代にも護られなければならない無垢な童心を、世のお父様、お母様方には是非、幼い子供たちに読み聞かせてあげて頂きたいと思いました。
koumotoさまの短編「階段のショーペンハウアー」は今企画中、最も衝撃的な作品でした。象徴性と、詩的な切れ味を兼ね備えた爽やかな神品です。自分が今ここにあることの意味を悟らされた気がします。そのまま子供の無意識にとび込んできそうな最高の児童文学でした。ショーペンハウアーの台詞が「幸あれ」である点が見事です。koumotoさまの作品目録は、死体ゴロゴロ、死臭プンプンのようですのでご注意を。
文章の人懐こさと、主人公の愛らしさにただただ唖然としてしまった古博かん様の「茶色のこびん」にも、同様に、尋常ならざる共感を覚えずにはいられませんでした。破目を外さない格調があるくせに可笑しみだらけの、実に気の利いた快作です。ビン一家のコックニーや、最後のとっぴんぱらり、読者への直接の語りかけが悔しいほど楽しく、まるでソナタ形式のような再現部まで備えています!スゴイ。
麻々子さまの「うなぎの寝床にはうなぎの時が刻まれる」は、その長々しいタイトル(損をされているのでは?)にもかかわらず、今回の全作品中、最もシリアスな作品の一つで、むしろ地味と言って良い、真実味のある文学ファンタジーでした。古都京都を舞台に、母親から離れてひとりで暮すことになった思春期の少女が、魂の飢えに苛まれながら学生運動をさまようひとりの過去の娘との触れ合いを通じて、自身の明日へ踏み出して行く姿を飾り気のない率直な文章でていねいに辿って行きます。腰を据えて主人公に寄り添って読んで行かなければならない中篇でしたが、文学したい日にはうってつけの胸の熱くなるヒューマンドラマでした。ファンタジーとしても秀逸です。
最後に二つ、文章や書法そのものに呆然と見惚れてしまったのが、メグさまの「星詠みと流星」と、まりる様の「アフタ・スクール」でした。共に字数が多いため、2月23日現在、最初の部分しか読めておらず、レビューもまだ書けていない状態なのですが …
最初の章しか読めていないメグさまですが、それだけで充分な気さえしてきます。文章そのものがすでにファンタジーでした。ストーリーなんてもうどうでも良いから(すみません!)、いつまでもこのまま浸り続けて溺れてしまいたくなるような文章です。たおやかで、ほの暗く冷たい色彩を帯びた和声が、ただただ美しいの一言でした。この文章に耐えられるだけのストーリーは、ちょっとやそっとでは作れそうにない気がするので読み進めて良いのか心配なほどです。
一方のまりる様、これまた、最初の「青の目」しか読めていませんが、怪しいくらいの鮮やかさです。スタイリッシュで、キュートと言えば良いのか、クールと讃えるべきなのか、憎らしさ一杯でした。歯切れが良いのに文章がしっかりしていて浮つく所がありません。ホラーのくせに怖さ以上に粋(いき)なのが赦せませんでした!こちらは一話読み切り型連作のようですので、ストーリーもしっかり楽しめました。
楽しい作品や、気になる作品、子供に読み聞かせたい作品が他にも山積みですが、どうかお赦しのほど。
上記と同じ内容を「ストックブック」としてupいたしました。
またどこかで皆さまとお会いできますように!