※以下は、読者様からいただいた感想を元にお遊びで書いた、IF小説です。
・ほのぼのタグが仕事をしていない可能性があります。
・お遊びなので会話文オンリーです。
メインの登場人物は、若き日のカナリア公とサルヴァ子爵。
リクエストがあればもしかしたら地の文追加版を書くかもしれません←
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「なぜあの若造を止めないのだ!! もう、十分だろう!!」
「十分? それは貴様らの尺度だろう。俺の部下は、まだ食い足りないと言っている」
「それを止めるのが貴殿の仕事ではないのか!!」
「はっ! 文句があるなら陛下でも宰相でも連れてこい。ご納得していただけるまで、何度でも説明してやるわ」
「説明だと!? この暴挙を、なんと説明されるおつもりか!!」
「俺の部下の大事な人間がこのクソみたいな戦のどさくさで命を落とした。部下は怒り狂い、俺に報復の許可を求めた。その気持ちを汲んだ理解と漢気に溢れた上司である俺は、全面的に許可を出した。その結果、敵方が全滅の憂き目に遭っている。それ以上の説明が必要か?」
「それを止めるのが貴殿の仕事だろう!! これでは、事後の話し合いも何もあったものでは」
「事後の話し合い? それはちょうどよかったな。多分、というかほぼ確実にこの場にいるクソッタレどもは全滅する。そんなことできるわけがないなんて言うんじゃないぞ? 俺の部下全員があれの怒りに呼応しているからな。生き残りがいると期待する方が野暮だ。おめでとう。話し合いの手間が省けたじゃないか」
「皆殺しにでもするというのか!!」
「そうだ。少なくともこの戦場に立つ敵は、一匹たりとも逃がさん。俺がそう指示したからな。それでもあれの怒りが収まるかどうかは別だ」
「だからそれわぐっ!?」
「先程から聞いていれば、うちの大将に無礼が過ぎる。頼み事があるなら膝をついて頭を下げろ。王城の遣いか何か知らないが、素人が偉そうに。口の聞き方には気をつけろよ? さもないと……、殺すぞ」
「貴様、ラッチ・サルヴァ……!!」
「そこまでだ馬鹿者め。怖い思いをさせてすまないな使者殿。それはあそこで暴れ回っている若いのと親しくてな」
「大将。別に私はあの野蛮人と親しくなど」
「真っ先にジャン坊の支援に回ったくせにどの口が言うか。覚悟しておけよ? やんちゃに目を瞑りはしたが、事が済んだら貴様ら二人はきつく仕置きしてやる」
「……やむを得ません。今回のこと、何にも恥じることはありませんし、奴のことを認めるわけでも決してありませんが、大将がそう仰るなら甘んじて罰を受けましょう」
「あれと仲がいいことを認めるのがそんなに嫌か。まあ、相容れないものがあるというのは理解できる」
「私はジャンジャックという男が明確に嫌いですが、ただ今この時だけは、大事な人間を失った奴の怒りに、寄り添ってやりたい」
「だそうだ、親愛なる使者殿よ。今俺達の視界に映っている敵は、二度とレプミアにちょっかいを出せないようことごとく地獄に叩き落としてやる。その代わり、事後処理は任せるぞ」