……終わった!
というわけで「ギルダ、あるいは百年の空白」全編完結いたしました。
https://kakuyomu.jp/works/16817330650654309052着手した当初は5~8万字程度に収まればいいか、ぐらいの心づもりだったんですがいざ書いてみると24万字オーバー、四百字詰め原稿用紙換算で700枚ぴったりですから、ちょっと厚めの文庫本1冊分くらいでしょうか。昨年の「ホワイトアウト・シティ」を2万字ほど超過しまして、図らずも完結した作品としては生涯最長ボリュームになってしまいました。
ありがたいことに連載を追いかけて下さった方も何名かいらっしゃったようで、ここまでの長文にお付き合いいただきまして本当にありがとうございました。
(完結したのでこれから一気読み、というのももちろん大歓迎です!よろしくおねがいします!)
こちら近況ノートでは毎回、これまで挑戦した事のないシーンで云々……という言い訳めいた話をずっとしてきましたがこのラスト6章についてもリアンとの別離のシーンなど、難しい場面はいくつかありましたね。
そもそも全編を振り返って、一人のキャラクタの生涯を順に追っていくような、いわゆる半生記、伝記物のようなスタイルの物語自体がたぶん初めてだったんじゃないかな、と思います。カクヨム掲載作だと「竜の爪あと」のアドニス・アンバーソンや「ナイゼル・アッシュマンの告解」のナイゼル・アッシュマンのように特定人物の遍歴を書いたことは無いわけではないですが、その2作とも回想形式で過去の特定の出来事をミステリ風味に紐解いていくのが主眼でしたし、本作のように結婚や出産や死別まで逐一追いかけていくのとはちょっと違うと思いますので……。
ちなみに本作、16年ぶりの長編と前に書きましたが調べてみると現存する関連作業ファイルのうちタイムスタンプが一番古いもので2011年でした(色々怖いので中身は見てない)。Twitterの方でも少し呟きましたが年数だけで見ればプロットだけで10年近く練っていた事に!(実際は途中ほぼほぼ寝かせてただけだと思いますが……)。なんのかんので実際に執筆に着手したのはたぶん2020年になってからではないかと思います。並行してリライトを行っていた「ホワイトアウト・シティ」は原稿放棄に至った2005-2006年の作業から数えて完成まで15年かかった計算になりますが、本作もプロット着手から実に12年がかりの作業という事に。「ホワイト~」は途中完全に暗礁に乗り上げて一度完全に放棄・中断しているくらいなので、完成後に振り返って反省点がいくつか無かったわけでは無いのですが(同作を読んで下さった方には申し訳ないですがそこに目をつぶらなければそもそも完成に至ってなかった……)、本作は当初プロットで構想した通りの内容のまま、これも当初想定通りのラストシーンに着地して、取り敢えずはほっとしております。
……ちなみにここまで時間を割いて作った物語ですから、キャラクターのその後の行く末についても何かしら漠然としたイメージがあってしかるべきなんでしょうけど、このラストシーンののちギルダがどこへ行ってしまったのかについては、じつは1ミリも構想がありません!(なので続編とかもまったく予定はないです)。まあ1ミリも無いは言い過ぎとしても順当に砂漠へと旅立っていったのだろう、ぐらいしか無くてその後どこでどうなった、という詳細は本当に何も考えていませんね……私があれやこれやと蛇足めいた事を書き連ねるよりも、ギルダの去った王国のその後も含めて、そこは読んで下さった皆様の自由な想像に委ねさせていただきたいと思います。
ちなみに今後についてですが、すぐにでも公開に着手できそうな準備中の作品というのはなんにもありません。散々裏話とも言い訳とも付かない文章を書き連ねてきましたが、何か思い出したらもう少しこちら近況の方に書かせていただくかも知れません。その節はまたお付き合いいただければと思います……。
最後になりますが、本作の完成までを見守っていただいた皆様、本当にありがとうございました!