お久しぶりです。宇津喜です。
完結して割と経っていますね。何で今更ノートを書いているのでしょうか。
言い訳をさせてください。
その、何をノートに書こうかとちゃんと考えていたのです。でも、途中から全部蛇足な気がしてきたんですね。私が作品内に収めきれなかった、その技術不足の言い訳のように思えてきたんです。
それで一旦、完結したし、少しカクヨムもお休みしようという気持ちもあって、諸共放置していたのですが、ふと自分の近況ノートを見たら、すごく中途半端な話数の所でノートが終わっていて、気持ちが悪くなったので、今、こうして書いています。
さて、言い訳はここまでにして、本筋に入ります。
と言っても、割と好き放題書いていた作品なので、心残りのようなものはありません。
一応、物語のテーマとしては、諸行無常とか色即是空とかです。
命はいつか必ず終わるもの、それでも大地のように続いていくものがある。例え、それに意味がなくても、観測出来たなら、それはそこに在るのだ。一つとして不変のものなどないから、今繋がれた手がとても大切なんだと言った感じのものでしょうか。
冒頭の謎文章がモロにそれが出ています。最終的に千佳は、その思想を引き継ぎながら、それでも絶えないものとして人の記憶を保つこと、例え刹那でも繋がれた手を大切にすることを選びました。そして、光と影の中の移り変わる世界に生きていくのです。
この光と影というのは、そのままのイメージもあるのですが、一つは単純な善悪の関係にさせたくないというか、楽號の幽霊講座にもありましたが、どっちも持っているもので、バランスが大事だよって話ですね。
もう一つは、光と影は単品ではなく、どちらかがある時、もう一つもあるものだということです。光があるから影が出来るし、影があるから光を認識出来る。お互いがお互いのためになっているという話です。大いなる視点において、万物は繋がっている、作用し合っているというのも、ここに繋がります。
平家物語に少し影響を受けていたのですが、書いている途中で平家物語がアニメ化したり、大河になったり、犬王が映画になったりと、何か縁があったのかなと勝手に思っていました。
さて、物語終盤の話をします。
また、千佳がどっか行ったぞって話でしたね。目を離すと、すぐどっか行く子です。芒聲さんの幼児みたいって評価はまさにそうです。
今回はうっかりでしたが、楽號はもっと叱って良いと思います。なんだかんだ、楽號にはまだちょっと父親のように振る舞って良いだろうかという遠慮があるんですね。千佳的には父親だけど、それ以上に同居人なので、叱ったとしても、父親ぶりやがってみたいな感情は湧きません。普通にごめんなさいをします。素直な子なので。これに関しては、時間がどうにかしてくれます。
さて、割と悩んだ話をします。
序盤は見切り発車で出発していて、ぼやっと幽霊関連のホラーカテゴリでバディっぽいものが書きたいという欲求だけで書いていました。ちゃんとホラーしているのが最初の方だけなのも、そこを守ろうとしたからです。その割と直ぐに神様の話を始めたので、信じて貰えないかもしれませんが、ちゃんとホラーをしようと思っていたのです。その時は。ちょっと怖い日常のお話です。
ですが、予想外に千佳がぐいぐいと来たので、日常ではなく、シリアスな話へと寄って行きました。
そんな感じで、千佳と楽號のバディという形は保ちつつ、如月はサポーターとして動かしていこうと考えていたのですが、これもまた如月が動き回るもので、あれよあれよと重要人物になってしまいました。
それで、悩んだというのは、章題です。
元々、一話のタイトルを最終話につけたいという思惑があり、では、章題も「死神と私」にしようと思っていたのです。
でも、いざ描き始めてみると、楽號は殆ど出て来ず、如月がメインでした。
前の章で親の話が終わったからというのもありますが、書いている時にも、多分この状況で迎えに来るのは如月だろう、楽號は延々と待ち続けるタイプだなと思ったのです。
また、後半につれて人の想いというものに比重を重くして来たので、ここは千佳にとって先輩で先生で友達であり、人でもある如月が出た方がお話として綺麗だし、千佳の広がった人脈も今まで描いて来たものなので、章題は「人々と私」に変わりました。
締まらないけど、そんな感じだなと思っています。
千佳と如月、千佳と楽號、バディが二組あると言っていいかもしれませんね。
無形のクラッジとの関連性ですが、恐らく無食くんと千佳はお互いを知らないですが、形容し難い者達の居住地となった冠水の町のことは、千佳も知っています。千佳にとっては靎蒔の家よりも、冠水の町の方が実家に帰って来た感じがしているようです。勿論、特補のことも知っています。
因みにいーちゃんは復活しています。もし、あの街に神がいるとしたら、それはいーちゃんになるでしょう。
そこら辺のことや、その後の千佳の話や無食くんの近況とかは、いつか書いてみたいですね。
ここまでで、だいぶ文量が多くなってしまったので、ここらでお終いとします。本音を言えば、登場人物一人一人にコメントしたいですが、文量が大変なことになりそうなので我慢します。
このお話は今までに書いたものの中で、一番多くの方が読んでくださり、また評価してくださった作品です。また、自分にとっても色々出し切った自信作と言っても良い作品です。
読んでくださってありがとうございます。少しでも楽しいと思って頂けたら、とても、とても嬉しく思います。
それでは、またお会いする時まで、おさらばです。
有形のコラプス
https://kakuyomu.jp/works/16816700427509671205