まあ期待しないで見たら(失礼)、意外と面白かったという作品。
よくあるギャアッ!といきなり驚かせるアメリカンホラータイプでもなく、かと言ってジワジワと迫りくる恐怖という感じでもない。
どちらかというとスピリチュアル系事件の再現ドラマといった淡々さかな。
子供がおそらく発達障害持ちで、そのせいでつい問題を起こしがち。その為にそういう学校に転校するため田舎町に引っ越して来た親子三人。
仕方なくというよりも、親子愛による我が子大事ゆえですね。そこが好感触。
そこで森の中で見つけた古い木扉を、DIY好きなお母さんが持って帰って来てしまう。
もうそこが一番オイッ! てなポイントです( ̄▽ ̄;)
ええ?! 浜辺に打ち上げられた流木とかならまだしも、あなた、ドアですよ、ドア! しかも森の中にポツンと立ってるような。
不法投棄されたにしても、十分気味悪いでしょう、それ。
しかし全体を見ていて気がついたが、おそらくこのお母さん、スピリチュアル系なモノが好きなのだが、霊感ゼロなのだろう。
逆にそういう事に懐疑的なお父さんの方が、やや感度があるのが後でわかるエピソードが。
そういうのあるあるだねえ。
そうしてそんな気味の悪いモン持ち帰った為に、事件勃発。
もうね、はじめに注意された時にすぐに対処しておけば良かったんだよ。
難しいから週末あらためてやろう――なんて暢気にしてちゃ駄目なんだよ。
気味悪いと感じながら、危機感が薄かったのが仇となってしまった。
もう取返しがつかないとこまでいって、やっと事の重大さに気づく。
うん、結構そういう事あるかもしれない。
全体的に淡々としてるのだけど、ここに出てくる霊能者の彼がなかなか良い味出している。
もう彼を見るために2度見したくらいだ。
後半の異界(魔界?)とコンタクトする流れも、長ったらしいというコメントも見かけたが、私はなかなか楽しめた。
派手さはないが、こちらとは違った独特な空気感とか、地味に異空間の雰囲気が面白い。お馴染みのウィジャボードの他、使われる小道具も何気にいい。
1つだけ、こういった映画で思うのは、結界ってなんでいつもあんなに小さく引くのだろう?
『円から絶対に出ないように』って定番だけど、ちょっと大きく踏み出したらすぐ出ちゃいそうなくらい小さいんだが。
それとも風船みたいに大きくすると膜が薄くなる――この場合は結界力か――みたいに弱くなるのだろうか?
誰か知ってる人います?
ややネタバレで言うとバッドなオチなんだけど、『ミスト』みたいな鬱モードというより、上手く腑に落ちたので個人的にこれはこれで良し、てな感じです。
とにかく親子三人の仲が良かったのが優しい気持ちになれるし、だからこそ、余計苦しむんだろうなあって流れでした。
悪い人じゃなくても、うっかりじゃ済まされないこともある。運もあるけどねえ。
善人ゆえにこれからも苦しむんだろうなあ……💧
教訓:妙なモノを拾わないこと。