映画を監督や俳優で選ぶことはあるが、配給会社で選ぶというのはあまりないかもしれない。
だけど始まる前に出て来るロゴで、その映画の傾向・カラーがなんとなく察しがつく場合がある。
深く語れるほど見ているわけではないが、個人的にそのロゴを見ると
「あ、これマニアックな奴だ」と思う配給会社がある。
その名は『アルバトロス』
頭文字Aに横切る鳥のマークがちょっとシャープで、何も知らなければちょっとアクションメインを連想させる印象がある。(コアの場合は AとCの組み合わせだった)
しかしアクションはアクションでも、それはバイオレンスどころかゴアだったりスプラッタ―がほとんどなのだ。
つい言い切ってしまったが、少なくとも私がたまたま選んで見た映画のほとんどがゴアでこの『アルバトロス』発だった時期があった。
『ハリウッド人肉通り』『人間人形デッドドヲル』『ダブルヘッド・ジョーズ』など。
最期に主人公たちがまさにキリスト教観の地獄に落ちて、責め苦を受けて終わる、なんちゃらヘル(タイトル忘れた)、朽ち果てた敷地の屋敷に棲みついた怪物たちと悪い人間が戦う話(何故か怪物寄りに味方したくなる)とか、とにかくコアでゴアでヘルな話が多かった。
なんて思ってたら、あの『アメリ』がこのアルバトロス配給だったっ??!
なんですとっ!! どうしたアルバトロス、ゴアどころかエロもカオスもない映画を手がけるなんて――。
なんてあらためてググってみたら、エロとグロ専科から方針を変えていたんですね。
『父、帰る』や『謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス(ドキュメンタリー)』までアルバトロスだったとは、時代は変わったぜ……、と思ったけど、最近のリストに『プー あくまのくまさん』があってなんだかホッとした次第です。
で、急になんでこんな話をしたくなったかと言うと――
たまに大して感動したり面白かったわけでもないのに(失礼)なんだか心に残ってる映画とかありませんか。
B級どころかZ級なのに、妙に心に響いたシーンがあったとか、あそこのカットは良かったとか。
今回の場合、映画で流れている曲が妙に頭に隅に残っていた。
それが『人間人形デッドドヲル』
この予告CMをYouTubeで見つけて久々にやっぱこの曲良いなあって思ったのだ。
なんというか神経を良い意味で刺激されるのだよ。耳障りじゃない絶妙なザラザラ感で。
映画は束縛系彼氏に殺されて人形にされた彼女が、生きていた頃よりも艶めかしくなって持ち主を惑わし破滅させていくというストーリー。
ちなみに冒頭で元凶の彼氏はたまたま仕事場に入った配達員に殺されて(あれは事故かな?)即退場。
あとは彼女を盗んだ配達員から更に、まるで呪われた宝石のように次から次へと持ち主を変えていく。
しかもたった数日の間にってのが凄いチャームの呪い。
で、それぞれの人が理性を忘れて欲望のタガを外す時にかかるのが、このメイン曲。
度々起きるラディカルなシーンにとても良く似合う。
まあ本能と欲望は違うから、タガの外れた人間は獣以下というのがよく出ている。
またこの予告CMがよく出来ていて、もう映画の内容をすっかり要約してしまってる。
逆に言うと本編はこれを水増しした感じが否めないかも。
で、この手の話って最期は『元凶を破壊(倒して)して一件落着』か、または『墓地か廃棄場から甦る(続編を匂わす雰囲気)』な典型的パターンが多いと個人的に思うのよ。
けどこの映画のラストは、B級ホラーエロなのにちょっぴりダークロマンス風で終わるのだ。
そう来たか、とちょっと感動。すいません、ナメてました( ̄▽ ̄;)
おそらく監督か脚本家は、このラストを先に考えて作ったのではないかと思う。
このラストのおかげで、エロと愚行の映画だったはずが違う感慨の余韻を残す結果となった。いいなあ、なんかこのオチは好き。
昔の映画って、なんだかんだとオチにひねりがあったと個人的に思ったりする。
念のために言っておくと、私はエロが見たくてこれを見たのではなく、単にホラーとして見ただけなのでそこは誤解せぬように( ̄▽ ̄;)
内容は18禁だけど、NTRタグが当たり前のように横行しているからいいかな?
18歳以上で興味ある方はどうぞ。
『人間人形デッドドヲル』 予告編
https://www.youtube.com/watch?v=3DPYv6J-lsE あと関係ないけど今たまたま見つけた、アメリカの収容所で猫を使った更生プログラムの動画。癒しの口直しにどうぞ。
『野良猫が囚人と出会うと、こんなに温かい結末になるなんて』
https://www.youtube.com/watch?v=bjb7CczQhO4 ほんとに猫(ペット)は世界を救うねえ~。もう囚人たちが猫の奴隷だよ(●^ω^)
薬物依存より猫依存の方が強いって流石ニャンコのチャームは偉大だ!