インフルエンサーならぬインフルエンザ―だった青田。濁点があるかないかでずい分意味が違うものだ。
罹った当初は意外と元気だったが、後半はなんか疲れてしまった。
何故か眠って起きた時に疲れている。
これは寝ている最中にひと戦あったに違いない。ううむ、ミクロの決死圏、もとい戦う細胞だな。
いや、だから大人しくして寝てろよって話だ。まったくウチの免疫たちご苦労様です。
友達からも『半径1メートル以内は動くな』ってラインが来た。
それ、トイレも行かれんのだが。え、まさかのオマル?!
確かに一度下がったと思ったのにまた熱がぶり返したりしていた。
さすがはインフル、手強いヤツだ。咳のおかげで久々に腹筋が痛いし。
これでお腹がバッキバキのパックが出来てたら嬉しいが、おそらく6パック出来るほどの咳が出たらまず入院モノだな。
始めの頃は熱があっても食欲はあった。まだ胃炎も治っていなかったはずなのに、お腹が鳴った。
腹減った~~。が、作るのが、まず起きるのが面倒くさい。そのまましばしゴロゴロする。
ああ、水分だけは取らんとアカン。
とりあえず消化にいいコッペパン1個と白湯。
これは中国人の友達に以前胃を悪くした時に『白湯飲め! 冷まして飲め』と言われていたせいもある。
確かに胃薬をお茶で飲んだら、ちょっと吐き気がしたことがある。これはほんの少しだが、カルシウムが薬の成分と反応するせいもあったらしい。
やはりシンプルイズベスト、先人の知恵は素直に聞いておこう。
しかしコーヒー飲みたい……。
ところで口が途中からマズくなった。
ヨーグルトを食べた時、うん? なんか妙~~。
え、もしやコロナ?! と、一瞬思ったが、完全に味が分からない訳ではなく、どこか旨味が遠くなったという感じ。インフルでも味覚変化あるんだよね。
そういやこのヨーグルトいつ開けたものだったけ? 最後に食べた三日前は普通だったが……?? ……勿体ないが残り7分の1は捨てさせてもらった。
申し訳ないが、体の弱っている今は対抗する体力がないのだ。食べ物には毎回すいませんが。
とにかくやっと調子が戻って来た一昨日、同じ区内に住む叔父が、カレーと手作り梅酒を持って来てくれた。
叔父もちょうど同じ頃、コロナに罹っていた。
二年前ならこの時期、会っちゃいけない2人ともいえるが、まあ本当に落ち着いてきたものだ。
胃袋も小さくなっていたが、うん、恐る恐る食べたカレーもちゃんと味が分かるし、後で痛くなったりしない。
治ったどぉーーーっ! って、油断するな、青田よ。お前はしょっちゅう同じ轍を踏んでいるからな。
そう、とにかく青田はインフルの前に胃炎を発症していた。
しかも二回も。
一回目は先月下旬、久しぶりの新年会で飲み過ぎた。
ビール、チューハイ、カクテルを何杯飲んだか数えていない。多分ジョッキ7杯は下らないはずだ。それよりピッチが速かったと思う。
酔いはそれほどではなかったが、私は普段ほとんど飲まないので胃腸が参ったらしい。
帰宅して横になった頃から吐き気が出てきた。
久々に参った。
吐き気というのはなまじ痛みより耐えがたいと思う。
ノロウィルスに比べたらまだマシだが 、夜中じゅう、眠る事も出来ず寝返りを打つしか出来なかった。
(さて、ここからは妄想ありき)
だが夜明け前の6時頃、ふと瞼の裏に何か動く気配があった。
閉じた目の裏越しに、何かが左右にスースーと動いているようだ。
これは外の光が入ってきているのか。
以前だったらそうも考えられたが、今現在は隣の建物の陰になってしまって直射日光は入らない。おかげで夏の西日も避けられるようなったが。
ちなみにこの時、私は窓に背を向けていた。
という事は何かが目の前を行ったり来たりしている?
ただ何となく見てはいけない気がした。
しかしそれはモノの10秒ほどの間。
いつの間にか気配が消えると、吐き気がだいぶ収まっていることに気がついた。
おかげでやっと眠ることが出来た。
だがである、これが良い教訓になったどころか、同じ轍を踏み直す青田。
それからしばらくしてまたもや飲み会でムチャをした。
今度は飲みではなく、暴食である。
いや、ちょっとだけ言い訳をさせて貰えば、料理を残すのが勿体なかったのである。
だってせっかく注文したのに、みんな一口しか多べんのよ。それぞれ皿半分は残ってる。明らかに頭数よりキャパオーバーした量を頼んでるんだよ。
で、勿体ないのでつい食べていると、他に更に注文している。で、食べるのかと思うと、今度は皆に振り分け。
おおい、頼んだら責任持って自分で食ってくれよ~~~。
なんて小心者の青田は言えないので、つい少しずつ頂くしかない。
実際、それぞれ美味しい料理だったのに、こんな大食い選手権みたいな食べ方はしたくなかったなあ。
食べ物に申し訳ない。
駅からタクシーを使わず歩いて戻り、だいぶこなれたと思ったのだが、それは甘かった。
いざ寝ようと横になると段々具合が悪くなってきた。
ヤバい……、またやっちまったなあ……。
またもや脂汗、胃の破裂しそうな膨張感、そして吐き気である。
ゲーゲーやって胃の中も綺麗になったと思うが、吐き気は収まらない。そりゃあ散々痛めつけたのだから当然である。
もうアホである。
健康って大事と思いながら、自ら体を痛めつけているのだ。
『自愛』とは、という言葉が頭をよぎる。もうバチが当たって当たり前なのだ。
とはいえMじゃないので苦しいのは御免こうむりたい。少しでも早く治る事を願いながら転がっていた。
と、またもや明け方頃か、前回ほどではないが、スーと目の前を動く気配がした。
あれ、もしかして……。
前回ほどハッキリしてない。もしかすると自分の目が動いているせいかもしれない。気のせいかもしれない。
ただそれが消えた頃には、また吐き気が一段落していた。
有難い……、これで眠れる。
それにしてもこれは気のせいじゃないとすると、誰なのだろう?
誰にしろ、本当に助かりました。
そしてまず呆れているだろうなあ……。
絶対 『ソラコ、いい加減にしろよ』 と言われてそうな気がする。
『次はないからなぁ』
ええ、すいません。気を付けます。
次回は来月……、いや、本当に注意しますですよ。
ところでエッセイ『ちょっぴり奇妙……❓な日々是々』
第12話『ガーディアン その4(守護霊様と守護神様は違うのだ その1) 』更新しました。
https://kakuyomu.jp/works/16817139559020228200/episodes/16818023213380611313 こちらもお時間ある時に宜しくお願いいたします。