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この半年の物語 -融けた蜃気楼-

サクサクと踏みしめていたはずの砂に足を取られる様になったのはいつの頃からだろう。ジリジリと照りつける太陽は、いつの間にか南中に差し掛かろうとしている。夢に視たオアシスは在るのだろうか。暫し此処で休めと誘われて踏み込んだ窪地は蟻地獄で、無邪気に訪問者を飲み込もうとする。畏るることなかれ、ただ流れに身を任せれば良いのだ、と。埋もれゆく最中、表面の熱さと地中の冷たさに引きちぎられる。溺れ、藻がく力も尽きた頃、それまで様子を伺っていたハヤブサが現れた。僅かなキッカケを颯爽と攫い、上空へと連れ去られてゆく。そうすると眼下に見たこともない光景が広がるのだ。それこそが鳥の眼の世界なのだと知った。

【写真】
近鉄奈良〜神戸三宮間で時々見かける列車。
外観:奈良公園界隈
内装:若草山(鹿のオアシス)

『朱鳥の鳴くころ』に登場した電竜のうちの一匹です。

◉朱鳥の鳴くころ
https://kakuyomu.jp/works/16817139556710993716

10件のコメント

  • 列車の内装、めちゃくちゃ可愛いですね(*´◒`*) これは乗ってみたい!

    お忙しそうですが、寒暖差も激しい日々ですので、どうかご自愛くださいね。
  • この電車に乗りたいです!
  • この列車、すっごく可愛らしいですね💕
    「電竜」の言葉のイメージからなんとなくいかつい電車を想像していましたが、こんな可愛らしい竜さんがいたとは!
  • すずめさん
    他では見られないシートのファブリックは、まるで鹿に背を預けているかのようです(о´∀`о) もう少しすれば落ち着く気がするのですが……ありがとうございます!
    すずめさんもご自愛ください!
  • つむぎさん
    そうでしょう、そうでしょう(*'▽'*)
    こちらへお越しの際は是非!
  • かわのほとりさん
    そうなんですよー!伊勢志摩方面へ向かう電竜などもいるため、外装は色々なんですが、内装にここまでこだわっている車両は珍しいかもしれません(*゚∀゚*)
  • 蒼翠さん、
    短編を読んでくださって、沢山の星をありがとうございました!
    マイナーなテーマなので不安が大きかったですが、とても励まされました。
    素敵なプレゼントをありがとうございます。
    どうかよいイブをお過ごし下さい🎄
  • 今年も1年ありがとうございました!
    来年もまた楽しく遊んでくださいね!
    良いお年を。
  • 柊さん
    最近あまりカクヨム活動できていなかったのですが、久しぶりにフレッシュな青春モノを読んで心が洗われました。コメントやレビューに手が回っておりませんが、楽しませていただいております。
    こちらこそありがとうございました!
  • 二尋さん
    最近はちょろちょろと近況ノートを巡回するのが主な活動になっていました。来年は体制を立て直したいなあと思っております。
    こちらこそ、よろしくお願いします!
    良いお年を!
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