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夏の妖精とスコップの旅

今夏、幼生から妖精になったばかりの蝉に、初めて会えました(添付画像)。

が、翌日未明から明け方にかけて、いまだかつて体験したことのないような轟音伴う落雷と豪雨。巨木が縦に割けたのでは? と思えるような強烈なバキバキ音に慄きながら、細く雨戸を開けて外の様子を眺めたりしたものです。

暫し妖精のことは忘れていましたが、同日、同じ場所を通りすがった際に見つけたのは、地に転がる一匹の蝉。茶黒くなってなお、その細腕に空蝉を抱いたまま……


私はこういった体験から小説を書いていたりするので、『空蝉』という言葉も、そのうち自作に登場する気がします。


以前から気になっていて、先日ようやく読み始めた
◉『龍の背に乗れる場所』(作者:悠木柚さん)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883151871

こちらの第5話に登場する昆虫好きの男と酒と蝉の声に塗れる主人公カオル。
この二人の交錯を拝読して、なんとなく今夏を振り返りました。
この作品の雰囲気や文体、好きなんですよね。脳内に訴えかけるように鳴く蝉のエピソードが、記憶の逆再生スイッチを押したような気がしました。


   *


さて、先日応募締め切りだった『はてなインターネット文学賞』
応募中の拙作にも来て下さったり、星応援下さったり、はたまた素敵なレビューまで書いて下さった皆様、誠に有難うございます。
◉『妖し狸の神隠し』(拙作)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054951868757

これって当たり前のことじゃないと思ってます。
まさに『有り難い』の本質的な意味合いで。

お陰様で、応募受付中はコンテストのランキング30位前後をウロウロとしていたようです。これって読んでもらえた結果ですから、本当に感謝するばかりです。

先日から、参加作を発掘していこうと読み始めました。
基本的には『タイトル』『キャッチコピー』が気になった作品のTOPページを開いて、紹介文で更に興味を刺激されたらお邪魔しています。

が、このコンテストの応募規定は【2万字以内】【完結済】なのに、ヘタをすると両方とも満たしていない作品が結構多いですね。それも上位にかなり……
おお! ということは自作はもう少し上位だったのでは?
などと勝手に喜んでいる次第。


ただ、これまでにフォローしていた作品群を読み進めるのと並行して、このコンテスト応募作を発掘しているのは、同じ条件で、他の方がどんなものを書いたかを勉強したいから。

条件検索すればいい話。でも、あのタイトルとキャッチコピーがざっと100作ずつ並ぶフォーマットは、私の発掘作業のスタイルにぴったりなので、本当なら条件検索結果の画面より、あの一覧画面で眺めたいのだけど……

自分の勝手な都合ながら、選考対象外の作品を省いて表示してくれないかなと、願わずにはいられません。


あと至極どうでも良い話ですが、数字を眺めてニマニマすることがあります。
受付期間中の応募作品数を眺めて、「お、生まれ年の数だ」とか「2021作だ」とか、そういうタイミングに出くわして喜んでいた(そういったことで人生は充分楽しい)のに……

ん? アレって違ったの? という。
やられました。笑



ま、そんなこんなで発掘した作品を一つ
◉『カクヨム地底7000メートル』(作者:かぎろさん)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883788297

こういった体感的で体験的に楽しめる作品って良いですね。凄く好きです。
私自身、カクヨム、ブログ、twitterと『いろんな場に転移する』を表現の一環として取り入れていますが、この作品はカクヨムの機能を上手く使って、カクヨム内だけでスマートに展開されています。
大事なことなので、もう一度。こういったアイデアは凄く好きです。面白いです。
よろしければ是非、皆様も。

(ちなみに、拙作『妖し狸〜』に登場する琥珀と蜜玻は、今年の春頃にtwitterで時折ワイワイやってた奴らです。当時、蜜玻の名は伏せていましたが)


というわけで、チャオ♬



【写真】2021年7月某日、サーモンピンクとミントグリーンの妖精に遭遇。

空蝉ともまだ白い糸で少し繋がっているのか、絡まっているのか。
静かにじいっとその時を待っています。黒い眼が宿った命の象徴のようで、これからの飛翔に向けた意気込みのようなものを感じました。
蝉ってこんなに繊細な触覚を持ってたのですね。

6件のコメント

  • 琥珀さん、こんにちは

    羽化して翅が伸びた直後ですね!
    弱々しいけど、その中にしかない美しさが確かに見て取れます。

    殻を破って空を飛ぶまで、この個体は何を考えているのか。それとも考えず、いきなり殻から押し出されてビックリしてるのか。色々と想像を巡らせられる素敵な一枚でした。有難うございます。
  • 目が黒々としてて、正に「人生これからだぜっ!」という活き活きさが伝わってきます☆

    悠木先生の『龍の背~』は愛宕の座右の書みたいな位置づけです。気分を上げたい時、気分を上げ過ぎた時、どんな心境でも愛宕の脳内を整えてくれて、読み直すたびに新たな発見があります。たぶんですが、作者もちょいちょい改稿してるんじゃないかと勝手に思ってます。

    そろそろ愛宕地方も、蜩が鳴き始める頃ですわ☆
  • 柚さん、コメントありがとうございます!

    流石! お詳しいですね! 最もしなやかな頃合いでしょうか。
    ただ姿を見ただけで、想像を掻き立てる。
    小さきものながら、惹き寄せられました。

    もう一月以上も前の写真ですが、柚さんの作品を読んでふと思い出し、眺めたくなりました。こちらこそ、有難うございます(*´∀`*)
  • 愛宕さん、コメントありがとうございます!

    おお! 愛宕さんも柚さんの『龍の背〜』の虜でしたか。
    ホントに素敵な作品だと思っています。まだいくらかしか読んでおりませんが、他の作品と雰囲気が違っていることもあって、作品が際立っているのかもしれません。他の作品も勿論オモシロイのですが、この『龍の背〜』も好きなのです。

    昨日今日と、少し暑かったですが、もう秋ですよねえ(*´ェ`*)
  • 「サーモンピンクとミントグリーンの妖精」が、まさに的を射た言葉ですね。
    自然にあるものはそれだけで十分に美しいのだと、改めて実感します。
    シャッターチャンスを逃さなかった琥珀さんもさすがです。
    『空蝉』を物語に絡める案も素敵ですね^^
  • 友香さん、コメントありがとうございます!

    この絶妙なパステルカラー、自然界でも限られたものにしか表れない気がします。そっとしておいてあげたいと思いつつ、ついカメラを向けてしまいました。
    『空蝉』は何処かに登場させたいなあと思っています( ´∀`)bグッ!
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