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続・猫の話。(あり乾杯 第 -12 話)

先だって那覇空港の待合ロビーに座っていると

俺の隣に、それはもう綺麗な、長身の若い女性が座ってきた

黒木メイサ系というのか

その彼女、右脇にボストンバッグを置き、そこに右肘を付いて少々、斜に構えながら

スラっとした長い足を組み、遠くを見つめている

真横に向いてガン見していた訳ではないが、そのような体勢であることは推察できた

黒のスーツを着込み、真っ白なブラウスが映える・・・モデルさんだろうか?

まあ、そんな女性が隣に座っているのだから嫌な気はしない

そのうち彼女は寝落ちしたようだ

スースー寝息が聞こえてきた

チラッと右を見る

片肘を突いたボストンバッグが沈み、さらに深く右に体が曲がったまま、少し伏目がちに、気持ち良さげに寝てらっしゃる

そんな彼女の就寝を邪魔しないよう、俺は静かにスマホを見ていた

そのうち隣から

「ニャ・・・」

「ニャゥ・・・」

「ニャニャ・・・」

猫のような声が聞こえてきた

チラッと彼女を見る

「ニャ・・・ニャ・・・」

「ニャゥゥ・・・」

寝息ではない、寝言だな完全に。

憑依してますか~猫?

綺麗な女性の猫語の寝言・・・と、言葉にすれば色っぽく聞こえるかも知れないが

実際、隣にいる俺は少々、不気味だ

沖縄は猫天国だが、人間に姿を変えた猫が飛行機に乗ろうとしてるのだろうか?

そんな馬鹿な発想が浮かんでくる

この娘、人間だよな・・・

今度はチラッとではなく、少しの間その寝顔を見つめてみた

すると突然

「ニャゥゥ・・・ウガッ」

目が覚めた

パチッと開いた瞳が横を向き、俺と目が合ってしまった

俺は慌てて目を逸らし、顔を正面に向ける

「ふふ」

彼女の微かな笑い声

そのうちまた、スースーと寝息が聞こえ始めたが

再び猫語に戻ることはなかった

俺は搭乗時間が近づいてきたため静かに席を立ったが

彼女はよほど疲れていたのか、先程よりも深く体を沈め、眠っている

彼女は本当に猫だったのかも知れない。

7件のコメント

  • めっちゃ美人さんでした( ^ω^ )
  • ちょっといたずらしにきた美人の化け猫さん♡
  • 何処にいく予定だったのかな・・・(´皿`)
  • 最後の「ウガッ」は獲物を仕留めたのでしょうか。
    そして猫娘はどこに行こうとしてたのでしょうか。
  • あの待合なら・・・
    次の便は名古屋中部行きでしたね(´皿`)
  • 美しい黒猫だったのではないでしょうかฅ^•ﻌ•^ฅ
    知らないおじさんに眠っているところを見られても ふふ と笑える余裕が良いですね。いい子です。
  • もう一度、会いたいです(*´艸`*)
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