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作中に出した本のタイトルとかランキングお礼とか

『終わる眠りのいとまに「おはよう」~Hallo to the next world~』
https://kakuyomu.jp/works/16817330663594351364

 次の更新で完結です。

 今回作中で実在の小説をいくつか出したのですが、作者とタイトルは萩原朔太郎以外ほぼ出さずに書いたので、ここでネタを明かしておきます。


●作中に登場した本について(敬称略)

>「Omega の瞳」
 萩原朔太郎『蝶を夢む』所収。青空文庫(Amazon Kindle含む)で読める。紙の書籍では『萩原朔太郎詩集』などでまとまっている場合が多い。あの二人のこと、この後に中原中也を読むくらいのことはしているかもしれない。

>今から百四十五年くらい前のSF小説
 光瀬龍『東キャナル文書』のこと。未希が読んでいる図書館の蔵書は、1977年初版発行の古いバージョンのハヤカワ文庫。

>他の人の記憶を自分の記憶のように共感できる能力を持った女の子が活躍する短編集。
 門田充宏『風牙』。再編集された文庫版『記憶翻訳者 いつか光になる(創元SF文庫)』とどちらにしようか迷ったが、二十世紀からある図書館なら単行本の方を持っていそうなのでこちらにした。
 改稿に際して入れた要素なのだが、ECHOの設定と記憶翻訳の技術が重なるところがあり、大好きな小説からもろに影響を受けた創作をしていたことに気づく。

>飛行機同士の空戦がショービジネスになった架空の世界で戦うパイロット達の話
 森博嗣『スカイ・クロラ』シリーズ。鶴田謙二が描く新書版の表紙も素敵だが最初の単行本版の空をモチーフにした装丁も印象深い。筆者にとっては青一色の文庫版が思い出深い。


 門田充宏先生の大ファンなのです。
 中でも『記憶翻訳者』シリーズには「こういうSF書きたいなあ」みたいな憧れを抱いていたのですが、最初に『終わる眠りのいとまに「おはよう」』を執筆したときにはその影響に無自覚でした。
 改稿にあたってはその辺を自覚的に取り込み、作中にも自分のバックボーンとして生きている作品を出してみました。
 これに合わせて、人物造詣(キャラクター設計)も見直して、一見後ろ向きに見えても根本的な生き方は前向きになるよう調整してみました。

 入れる余地がなかったので省いたのですが、未希はSF小説以外の本も結構読んでいて、たとえばオリバー・サックス先生の著書を全部読んでいます。そのためESSと1910~20年代に大流行した嗜眠性脳炎/エコノモ脳炎についても知っているので、いま自分が置かれている状況には早々に見切りを付けていました。
 しかし、詩的な文章を好み、現実の生きにくさを許容しつつ自分にとって好ましい現実を引き寄せようとする理想家の面があるため、結実花の現実を楽観しているわけではなさそうなのに何事も前向きに捉えていく部分にひかれたわけです。
 結実花もあれこれ内省しているのですが、さみしがり屋な部分が転じて〝いま大切だと思える相手〟をなにより大事にしようとするので、ツンケンしていても自分を無視しない未希と仲良くなりたい、と思ったのでした。彼女は思い込んだら命がけなところがあります。

 おっと、そこそこ余計な文章を書いた気がします。


 それから、SFの週間ランキングで151位にランクインしました。
 ありがとうございます。

 カクヨムフォロワー2桁なので、健闘している方だと思います。
 あ、ランキングと言えば『陽炎の杜で』が読者選考期間最終日の9月15日23:59時点で「総合34位、ASMR部門18位」にまで浮上していました。
 読者選考のラインが明かされていないので、判断に迷うところなのですが、もしかしたら二次選考へ進めたかもしれません。
 こちらもありがとうございます。

『陽炎の杜で』
https://kakuyomu.jp/works/16817330662838088277



 ではでは、またよろしくお願いします。

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