• 現代ドラマ
  • エッセイ・ノンフィクション

SS クリスマス3


だけど、束縛?

「俺、これ以上明日菜を束縛したいんですかね?」

そう、たぶんしたいんだろうけど。

あきれたように、そんな俺をみてイケカマ係長がいう。

「まあ、あんたは束縛したいのをずっと我慢していたわけだし?というか、無視っていう名の最大の束縛をしていたわけだし?」

確かに。決定的なサヨナラを言わなかったのは、俺でかなり、いや、出鱈目にリセットしたのも俺だし。

もう隠さないでも、というか、俺はバカのひとつ覚えみたいに言い続けてたよなあ。

俺の彼女は神城明日菜だって。その度に前歯で下唇をかんでさ?

けどさ?

だれも信じてくれないまま、まあ、柴原がいたけど。

やっぱり柴原は俺の国宝だって思うけど。

だけどさ?

「俺から明日菜にまともにしたプレゼントって、ネックレスくらいなんですよね。しかもノーブランドだし」

そもそも学生だった時に買ってたし。

指輪だって昔みたいに給料の3カ月なんかしてない。俺の釣具の方が高くね?ってあとからひいたような?

まあ、ぼちぼち地道に買ってたわけだけど。わりあの魚と長い付き合いだよなあ。

すっかり明日菜もあの魚以外は、玄界灘の恩恵を喜んでるけど。

釣具を明日菜にプレゼントしたって喜ばないだろうし?

「柴原にチョイスはまずいですよね?」

「あら?あんたでもそれくらいの余裕はできたのね?」

「まあ、まずいだろうな?僕でもマズイとわかるし?」

「イケメン前は、なにをあげたんですか?」

「僕?僕は真央にきいたかな?そしたら、とりあえず子供を置いて自由が欲しいって言われて反省したかな。だから、こんど、奥さん借りるかも?」

「あー、なるほど。明日菜は俺の所有物じゃないから、どうぞ?」

って俺は伝える。

「あたしのところは共働きだし、もう食事や旅行とかかしら?」

って係長はさらりと艶々の金髪を指ですいながら、笑う。相変わらず美人だよなあ。

「とりあえず早く帰れるように、仕事を終わらせましょう」

って言った。そりゃそうだ。

俺のために残業なったわけだし。

あとから考えよう。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する