凸版印刷株式会社 印刷博物館の「天文学と印刷」展に行ってきました。
本当は、会期はじめ頃の鏡リュウジ先生や山本貴光先生の講演会も行きたかったのだけど、日程があわせられませんでした。
以前に行った上野の森美術館の「世界を変えた書物」展が平日でもけっこう混んでいたので、身構えつつ土曜日にでかけてみたのですが、そんなに混んでおらず、じっくりゆっくり見ることができました。
今回は、何せ印刷博物館。
コペルニクスの地動説を筆頭としたさまざまな学説や、望遠鏡などの登場で質・量ともに充実するようになった天文の観察記録などが、「印刷されること」によって流布し、人々の描く世界像が変革される様子を追った展示。
もう、個人的な興味に100%ジャストミート。
自分が書いたコペルニクスに関する短編にもちょこっと出したニュルンベルクの印刷業者ペトレイウスが、他の学者の信頼も厚いいわば一流の編集者のような人とは知らなかったし、レギオモンタヌスなど学者が印刷工房を経営するということもあるというのも初めて知ったし、自画像がイケメンのアルブレヒト・デューラーも絵描きだけじゃなくて、天文学についても造詣が深いっていうのも…ああ、おもしろい。
そんなわけで、特別展だけで長居してしまい、常設展や活版印刷のワークショップもじっくり見ることができなかったので、印刷博物館にはまた行こうと思います。
博物館めぐりのお楽しみであるミュージアムショップでは、図録(3000円)を買いました。
装丁から製本から凸版印刷が「これでもか!」という感じに造りこんだ体裁で、一冊の美術書として完全に仕上がっています。