• エッセイ・ノンフィクション

物語の構造を考える①『機動戦士ガンダム』

こんにちは。吾ノ輪です。最近病院に行ったり、母校のイベントに顔を出したり
何か映画を見に行ったりと足取り軽めに過ごしています。今日は一日中の用事
意図せず続く日で、偶然性と縁に任せていたらどんどん予定が広がって行って…
いやいや~大変でした。やっとひとりで家で一息つけた所です。さて、

今日は、自分の読み切りがいつまでたってもちゃんと完成しないことに
立ち向かう力をつけるために、好きな作品をいくつか見て行こうと思います。

初回はガンダムです。アニメが大人も見るものになった先駆けの金字塔、
物語の起伏もかなりわかりやすいアカデミックなものになっている、と思います。

それでは見ていきましょう。う~ん、ネタバレになるかな?バレ回避したい方は
ここで引き返して知ってる作品の回を見てください(笑)すみません。
1話目から5話目までネタバレ、12話までは匂わせです。
大丈夫な人だけ進んでください。GO!




第1話 ガンダム、大地に立つ


0【状況説明ーどこの何を描くかー】
宇宙コロニー国家サイド3が(物語の世界観提示) 
『ジオン公国』を名乗り独立戦争を挑んできた(その世界で起きた課題)
その戦争は人類の半数を死に至らしめ(課題の結果としての衝撃)
人々は自らの行いに恐怖した(衝撃の世界固有の在り方=コロニー落とし)


1【状況設定ー旅立ちへのいざないー】
ザク3機がコロニーに潜入しに来る      (視点の設定)
「スレンダーはここに残れ」         (矢印キャラの定着)
デニムとジーンだけがコロニー内部に入って行く
ジーンがコクピットから出て双眼鏡を覗く   (矢印キャラの周りの関係性)
「曹長、軍の施設は右上のブロックのようです」(ゴールの仮設定)
「出勤時間のはずですが車一台だけで人影が…」(ゴールへの障害)(障害=謎)
「! いました! 子供のようです!」    (ゴールに近づく手がかり)

2【キャラクターの魅力で誘引】
面倒見の良くて庶民派なフラウ・ボウが   (視点の設定)
機械いじりに夢中のアムロを迎えに来て、  (矢印キャラの定着)
『軍艦が来るから避難しなきゃいけないのよ』(謎の答え)
と言う。近所に住んでいるハヤト・コバヤシは(平凡な生活)
アムロの親が来た時に立ち退きさせられていて、
アムロのことをよく思っていない。     (冒険へのためらい)
アムロの父も、軍のことは何も話さない   (冒険の封印)

3【それぞれの頑張りが実って成長】
『ホワイトベース』が『ガンダム』を連れて
サイド7に入ってくる。地球連邦軍の反撃の
ための希望の象徴のように語られる。    (予言者のすすめ)
しかし、ジオン軍につけられている     (旅立ちまで時間がない)

4【状況が順調な道行を規制する】【サブドライバーが動きだす】
アムロの父でガンダムの開発技術者のテム・レイを、
ブライト少尉が迎えに来るが若干19歳で、半年しか経験がない。
(すでに旅立ったものの現状)
テムレイはガンダムが出来たことで子供が戦わなくてもよくなると言い、
地球では少年兵がゲリラ戦をしていると聞いて胸を痛める。
そのうえ、ジオンの軍艦が近づいてきていた…
(保護者の旅の不推奨)
(保護者の不在の予兆)

5【窮地に陥る】【最も派手な絵が現れる】
ジオンの赤い彗星、仮面をかぶったシャア・アズナブル少佐が
十分な戦力を持たないまま偶然ホワイトベースに遭遇して
偵察させていたことが判明する。
(有能な敵の侵攻)
(赤い彗星の仮面の男…一番派手な絵面ですね。)

6【エンド・イメージの提示】
偵察の情報がシャアに伝わる。
『連邦軍がザク以上のモビルスーツを開発しているかもしれない』、と
シャアが言った直後に、ドレンがMSがサイド7にあったと通信を聞く。

7【一番の緊張=白熱】
モビルスーツは3台あった。手柄を焦ったジーンが偵察の任を
破って独断で攻撃を開始。コロニーの中で爆発が起き始める。
退避カプセルがもたないと判断したアムロは、父に助けを求めに
単身ザクが暴れているシェルターの外に飛び出す。
(旅立ちの資質)

8【衝撃の事実】
父を探すうちに、アムロは初めて人の戦死を目にする。
しかし、同時にガンダムの操作マニュアルも見つける。
父に会えたが、人命よりもMSを優先する父と反目する。
そして、MSのマニュアルをこんな時でも読みふける。
そんなとき、フラウの両親が殺される。


9【決意】
フラウを励まして避難に走らせると、
アムロはガンダムに乗るために走り出す。


10【バランスブレイカーの登場】
ガンダムは、ザクのマシンガンが全く効かない装甲を持ち、
東部のバルカンだけでも戦える。素手でザクの鼻を千切る。

11【一番有利から一転して危機】
しかし、ザクの爆発でコロニーに穴をあけてしまう。
慎重に2体目のザクを打ち取り、これ以上の空気漏れを防ぐ。

12【結末】
ホワイトベースへの避難はできた。
しかし、正規軍人が大方死んでしまいモビルスーツの搬入が進まない。
アムロは搬入を手伝うことになり、
シャアは不敵につぶやきながらサイド7へミサイルを放つ。









…すごい………

庵野秀明監督も『完璧な一話』と言っていますが、
本当に構造分解すればするほどこの1話、スーパーハイクオリティです。

ここから、

第二話 ガンダム破壊命令
シャアと戦うためにホワイトベースを動かす面々の現れ、
ーシャアがガンダムの性能に驚愕しながらもアムロを圧倒するー

第三話 敵の補給艦を叩け
シャアがザクの補給を受けようとしているところを
アムロたちが奇襲して前哨基地ルナツーへの道を開く

第四話 ルナツー脱出作戦
ワッケイン指令に最高機密に触れたとしてアムロたちを捕縛しようとするが、
潜入してきたシャアたちを倒すことで実力を証明。
瀕死のパオロ艦長の必死の訴えでアムロたちは地球へ向かうことを許される。

第五話 大気圏突入
大気圏突入の直前まで追いかけてくるシャアと必死で戦うアムロたち。
大気圏突入はできたが、アムロのガンダムは自力で大気圏突破をしなければ
ならなくなる。だが、あまりの性能の高さに助かった。
大気圏突入はできたが、連邦軍の本拠地kジャブローからシャアに軌道を
ずらされて、ジオンの独裁一家の末息子ガルマ軍の北米に降りてしまっていた…。




というかんじなわけですが、神話の法則と三幕構成の両方の名残を感じます。
ー当時はまだそういう本は少なかったと思うので、本当に相当量映画を
観てたんでしょうね。6話以降は6【混乱】7【決闘】8【過去】
9【決意】10【結果】11【一転危機】12【結末】と進んでいくので、
早回しでも10秒飛ばしでも、好きな作品をこんな感じで今後も分解していこうかなと
思います。むしろ私は本編に没入するとこういうことを考えられないから
いつも大体ザッピングです、制作者の方々いつもスミマセン。






さてと、これに合わせて読み切りを作り直してみようかな。


この12構造はかなりの作品に当てはまるから、
今後もいろいろ見ていきましょう。

では。恵明でした。

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