相変わらずコロナが猛威を振るう中、みなさまいかがお過ごしでしょうか。本日はタイトル通り、新作公開のお知らせです。
題して『不浄の聖女は復讐したい:無能な兄二人のせいで異世界転生しました、女の子になって。』です。タイトル長いな…………。
主人公は鈴木理三郎30歳。ブラック企業勤めがたたり、精神を壊し現在は療養中。しかし理解のない周囲からは引きこもりニートと思われ冷たい視線にさらされているという、現代日本ではあまりに一般的な不幸の中に身を置く男性です。
しかしそんな彼にも幸運が訪れます。それは自身が書いた小説が新人賞の最終候補に残ったというもの。喜ぶ理三郎でしたが、そのときなんと、何の脈絡もなく、彼の足元にワープホールが出現し、彼は謎の空間に飛ばされてしまいました。
謎の空間で理三郎は、二人の少女に出会うことになります。その少女のひとり、姉を名乗る彼女は理三郎の前に現れると、突然土下座をぶちかまします。
「この度は! 本当に! 申し訳ありませんでした!!」
事情を聞くと、理三郎の兄である諒一郎を手違いで異世界に飛ばしたという。そのとき、多くのチート能力を与えてしまったことで諒一郎は異世界で傍若無人にふるまっている。
さらに、もう一人の兄である誠二郎を問題解決のために送ったが、こちらは死なない体で呑気を始め、全然問題を解決してくれない。そこで弟の理三郎に白羽の矢が立ったわけですが、当の理三郎は当然これを拒否します。
するとどこからともなく彼女たちの上司が現われ、理三郎を殺害。彼の魂を幼い少女の体に入れた上で、異世界に飛ばしてしまうます。
異世界に飛ばされた理三郎は元に戻る方法を模索します。しかしそこはいかにも異世界転生ものの舞台になりがちな中世的世界観。身寄りもなく、着の身着のままで飛ばされた少女にはあまりにも厳しい世界でした。結果、この世の地獄を総なめすることになった理三郎は、目的を変更。自分を苦しめた者たちへの復讐を誓うのでした。
本作は新橋九段作『イキリオタクの兄が異世界でやらかしたようなので尻拭いに行きます。』のスピンオフ的作品になっています。作中で誠二郎が語っていた「プータロー」の弟が理三郎だというわけです。まあこの辺りは読まなくても理解できますが。物語の語り手である理三郎からして、過去に諒一郎と誠二郎が異世界でどんな冒険を繰り広げたのかまるで知らない状態なので。
異世界で猛威を振るい「不逞の勇者」と呼ばれる諒一郎。それを止めるでもなく傍観し、ちゃっかり王様から領地を貰って経営に専念する「不死の賢者」と呼ばれる誠二郎。二人を殺すために研鑽を重ねる理三郎はやがて「不浄の聖女」と呼ばれるようになります。不逞、不死、不浄。異世界に残る伝説の『三人の転生勇者』はどのような冒険を繰り広げるのか。そして復讐の先に待つものとは?
第一部および第二部は12月1日から1月21日まで、奇数日の朝6時に更新します。第三部も鋭意執筆中で、ひとまず第三部までが予定している物語となります。